最初に出会ったときは、彼女はみなしごでした。
次に出会ったときは、彼女は呪われたゆりかごの囚われの魔女でした。
そこを出てゆくときは、彼女はもう娘でした。
リリカルまじかるごきげんよう。
ひさしぶりのなのはStSレヴュー、デカルトの『方法序説』ふう(?)に語ってみる管理人です。
前回、フェイトちゃん主役回…というべきかライトニング見せ場だったのですが、今回はようやくなのはさん本領発揮。聖王ヴィヴィオさんと因縁の親子対決です。『セラムンR』っぽいですね。
そして、この回はですね、もう感動回です。前回ご不満だった方の溜飲も下がったのでは。
第二十三話で落としていった光球の効き目がでまして、クアットロ撃退に成功したなのはさん。フェイトちゃんへの再会アピール、ヘンゼルとグレーテル作戦じゃなかったのは、ちと残念ですが。なのはさんの一歩、クアットロの異常な怯え様と、演出もけれん味たっぷり。
マインドコントロールを解かれたとはいえ、からだが制御できず、戦闘マシーンとして拳を向けるしかないヴィヴィオ。よけられなかったんじゃなくて、わざと痛みをうけていたような気がします、なのはさん。そういや、なのは無印の小説に書いてありましたけど、なのはってレイジングハートを握った当初は、遠隔射撃に威力は発揮するけど小回りはきかないので、攻撃されても受けて流すしかなかったそうですね。もちろん、十年経った今はちゃんと弱点カバーしてるんでしょうけれど、九歳フェイトちゃんと一戦交えたときのように、やはり小細工で逃げたりしない主義のように思います。だから、現在の疲弊もひとしおなんでしょうね。
ヴィヴィオは自分の出自も、なのは達を魔力源として寄生していたことも知っていて、そんな自分が悲しくて嫌だと泣き叫んでいます。ヴィヴィオはいつからその事実を知っていたのでしょうね。何回か前にほんとうのママはいないかもとこぼしていることからも、薄々気づいていたはず。ということは、ヴィヴィオが悲しかったのは、自分の生まれよりも、ママたちを利用して傷つけてしまったことかもしれません。またこの時代の誰にも縁もゆかりもない異端者としての自分の居場所はない、稼動の制御を失ったゆりかごの鍵として、このまま果てようという決意がみえます。「なのはママ」ではなく「なのはさん」と他人行儀に呼びかけるヴィヴィオがいじらしいですね。
しかし、そこは正義の味方なのはさん。ヴィヴィオを見捨てたりはしませんよ。
泣き虫で、甘えん坊で、手を焼かせているけれど、だいじなヴィヴィオ。今日からほんとうのママになると約束します。
が、つぎにヴィヴィオにレイジングハートの矛先を向けるなのはさん。
どうやら、ヴィヴィオに埋めこまれたレリックウェポンをスターライトブレイカーで破壊するもくろみです。しかも、全力全開!!
しかし、ヴィヴィオ、しっかり生きてました。さすが、魔王の娘、そしてあのフェイトさんの娘でもあります。
このあとのヴィヴィオの行動は、第十五話のエピソードとつながっているんですね。あの辺りの回って話が進まなくて不評を買っていた憶えがありますが、まさかここにきての終盤の感動の伏線だったとは、都筑先生こころ憎い筋書きです。
砲撃前のなのはさんが、ヴィヴィオに声がけして一瞬やさしく微笑むシーンが印象的ですね(惚)
エースの貫禄、ママの優しさ。高町なのはの魅力がたっぷり詰まった一話でした。
しかし、フェイトちゃんがAパート、顔出しなしって悲しすぎます(泣)
最終決戦の敢闘賞は、なんといってもヴィータですね。流した血の量がハンパじゃないです。ほんとは主役がこれくらい死闘しなきゃいけないのだけど、美少女ヒロインの顔に血糊はタブー(でも『喰霊─零─』の黄泉さんは八話で流血状態で終わってましたけど。さすが深夜アニメ(苦笑))なので、三枚目なヴィータさんに白羽の矢があたったのでしょう。
しかし、ヴィータさん、がんばったかいがありましたね。はやてちゃんのお迎え&抱擁です。
でもこの第三期の最後においしいところをさらっちゃうのは……おっと、これは次回を観てのお楽しみです(いやもうバレバレでしょ?)
しかし、ゼストのダンナは犬死にしか思えてなりません。シグナム姐さんの勇姿がみられたのは、よかったけれど。アギトを譲るためなんでしょうか?
クアットロが倒れたために、ゆりかごの制御システムは基地の破棄を伝えます。
スカも手駒のひとつに過ぎなかったという事実。では、ほんとうの悪意の大元はなんだったのでしょうか?
なんとなく憎めないスカ一味。
黒幕にしたてなかったことは、その後、サウンドステージ04や「StrikerS サウンドステージX」におけるナンバーズ活躍の下地だったようですね。
次回はいよいよ最終回です。