陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

世界フィギュアスケート選手権2011 一日目

2011-04-28 | フィギュアスケート・スポーツ
待ちに待った世界フィギュアスケート選手権2011 男子シングルショートプログラムをテレビ観戦しました。
観客席には「がんばろう東北」と書かれた日の丸が掲げられ、日本から駆けつけたファンの声援もありましたが、心なしかいつもよりも投げ入れられる華やかな贈り物が控えめであった気がします。

オリンピックイヤー以外の例年の世界の頂点を決する大会が、世界選手権。
いくら日本人国内の選手層が厚かろうとはいいながら、やはり、レベルの高い演技が繰り広げれられていくものです。

2007年の世界覇者フランスのブライアン・ジュベール、今季のGPシリーズロシア杯で優勝したチェコのトマシュ・ベルネルといったベテラン勢が不振に終わるなか、一躍トップに躍り出たのは、やはりカナダ籍のパトリック・チャン選手。冒頭で四回転・三回転の連続技を軽々と決めたあとは完全無欠の演技内容で、SP世界最高点の93.02点をマーク。今季GPファイナルを制したチャン選手は、昨年の世界選手権で二位に甘んじた雪辱を晴らしたいところなのでしょう。

これに続いたのは、GPファイナルで二位の実力者・織田信成選手。
苦手な最終滑走ながらも、四回転に果敢に挑み、その着地の乱れやステップ途中のつまづきがあったにせよ、日本の三味線の音色にあった個性的なステージを演出。81.81点で首位を追っています。織田選手は初の表彰台も夢ではなさそう。

世界連覇がかかる王者・高橋大輔選手は十八番のマンボリズムの熱いステップダンスで会場を沸かせてくれます。無難にまとめあげたのですが、やはりトリプルジャンプで差が出たのでしょうか、80.25点で三位に位置しています。素人目には見極めがたいのですが、ジャンプの踏切り違反など細かい失点をとられてしまったようです。今回、ハイスコアを狙うために演技構成を練り直しただけに惜しまれますね。

日本男子勢のニューエース・小塚崇彦選手は、予選をダントツのトップ通過。本選では四回転を避けて安全策で望んだものの、一部のミスがたたってか、77.62点の六位。やや苦戦ぎみなのが意外。しかし、チャン選手のあの壮絶な演技の直後にこれだけ集中してできたのですから凄いものです。フリーでの巻き返しに期待しましょう。

今回、ひときわ注目株だった外国人選手といえば、ロシアの新星アルトゥール・ガチンスキー選手。17歳という若さと甘いマスクにもかかわらず、驚くべきことに難なく四回転ジャンプをこの大舞台で披露してしまいました。その底知れぬ可能性からか「プルシェンコ二世」の異名をもつ彼は、今回のジャンプ以外の要素では雑な印象が拭えなかったのですが、三年後のソチ五輪では確実に成長を遂げて日本勢の前に立ちはだかってくるであろうライバルですね。ちなみにプルチェンコ本人が観客席で見守っていました。

男子シングルのフリーは明日28日に勝敗が決します。
どうか、日本人男子の魂の演技、そしてまだ春遅い日本のかの地の祈りがロシアに届きますように。

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