陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「若草物語」(1933)

2011-04-27 | 映画──社会派・青春・恋愛
ルイザ・メイ・オルコット原作の「若草物語」は、これまでに七回映画化されていますが、今回はその第三作の1933年版。日本では主演のキャサリン・ヘプバーンの名とともに一番知られている版ではないでしょうか。
「赤毛のアン」と同様、アニメでしか知らなかった私ですが、今さらながらこの魅力に取り憑かれてしまいます。

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マーチ家の四姉妹は、個性派揃い。
長女のメグは優しく気だてがいい。次女のジョーは、男の子のように才気活発。三女のベスは、内気で病弱、ピアノが得意。末っ子のエイミーはまだ学校に通い、絵を描くのが好き。
父のいない留守を預かっている母は、慈悲深く貧しい人にも施しをするほど。四姉妹はそんな母を深く愛しているけれど、やかまし屋の小母さんにすこしうんざり。

四姉妹のなかでも、主人公は、おそらく作家の分身と思われる、小説家志望のジョー。
大富豪の孫に求愛されたというのに、あまり乗り気ではなく、みずからの創作に没頭するため家を出てしまう。かと思えば追いかけてきてくれない男友達に、影で恨みつらみ。結婚する姉には、姉妹の純情が壊れるのを恐れてすがりつくあたり、なんとなくそのケのある人なのか、と思わせて、最後には年上の教授とめでたく結ばれてしまいます。

でも、このジョーの気持ち、なんとなくわかりますけどね。自分より子供っぽい同年代の男性が好きではなかっただけでしょう。
途中で三女のベスが亡くなってしまうという不幸が襲います。けれど、残り三人全てが結婚という幸福を掴む。
けっして豊かではない育ち(といっても、ボロを着ているわけではなく、百姓仕事もしていないようなので、中流階級なんでしょうね)だけれど、愛情だけはじゅうぶんな、美しい姉妹愛の物語。

主演は、ジョー役に「アフリカの女王」で主演したキャサリン・ヘプバーン。整った顔だちが美しいですね。
エイミーに、ジョーン・ベネット。

監督は「ガス燈」「マイ・フェア・レディ」のジョージ・キューカー。
本作は、アカデミー賞脚本賞、ベネチア国際映画祭最優秀女優賞を受賞。

ところで、原題は『Little Women』だったんですね。
なぜ『若草物語』という邦題なのかと子供のころ、ふしぎでした。花開かない、大人になる前に少女たちといった意味あいなのでしょうかね。

若草物語(1933)(1933) - goo 映画


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