陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

魔法少女リリカルなのはStrikerS 第十八話「翼、ふたたび」(前)

2007-08-16 | 感想・二次創作──魔法少女リリカルなのは


第十八話。
百合ファンの皆様、この回は絶対みましょう!!
なんといいましても 
なのフェ最高─ッ!! 
なんですッ(狂喜の雄叫び)


今回から新OP。歌は前のほうがノリが良くて好きでした。なのフェのツーショットがなくなったのは残念至極ではありますが。なのはママを求めて宙をさまようヴィヴィオの小さな両手と、それを掴めないなのはさんが、ひたすら哀れです(泣)

いつも気丈にみえるなのはさん、焼け焦げたうさぎのぬいぐるみを廃墟から見出して、顔を歪めます。今期、こんな悲痛な面持ちのなのはさんを見るのははじめてです。
そして、とうとう屋上で。
夜風に打たれて泣き崩れてしまい、フェイトちゃんの胸を頼っちゃう。
というか 抱きしめてきたの、フェイちゃんのほうからですが(満笑)
いいですね、積極的なお嬢、大好きです。
ここ、一期の最終話および二期の第一話を思わず思い出してしまいました。やっぱり、なのはが最後にすがるのはフェイトちゃんです。
最高の百合萌えどころなんですが、コトがコトだけに泣けてしまいます。

「ヴィヴォオがひとりで泣いてるって、悲しい思いとか、痛い思いをしているかもって思うと、からだが震えてどうにかなりそうなの。いますぐ助けにいきたい!だけど、わたしは…っ…!」

「大丈夫、ヴィヴィオは絶対大丈夫だから。助けよう、ふたりできっと」

号泣するなのはにつられて、うっすら涙をにじませつつも、顔を凛々しくしてなのはを励ますフェイトちゃんが、もう素敵です!!派手に美しい風貌ににあわず、平素はもの静かでか弱そうな声のフェイトちゃん。このときばかりはその言葉が頼もしく聞こえます。涙と嗚咽がとまらず返事もままならないなのはを、最後はつよく抱きしめて。鬱々な展開ですが、よいものを見せていただきました。(本人たちにとっちゃ、よくはない事態だが)

なのはさんが、こんなに脆かったなんて。でもよく考えたら、機動六課のメイン戦闘員で、マトモに生身の人間って、なのはとティアナだけなんですね。はやては闇の書の力を内包して魔導師ランクがずば抜けて高いので、もはや常人ではない気が。

最強無敵のエース、名うての鬼教官、そしてこころ強き母親。
これまでみせてきた、なのはさんの頼もしい顔が外されてしまいます。強力な魔法をもっているはずなのに、小さな命をまもれない。無力な自分を嘆いて、涙する十九歳の彼女はいま、少女に戻っているのですね。同じ歳に永遠の友情を誓った、もうひとりの少女の前で。

九歳までの彼女なら大事なひとの危機に、その身ひとつ飛んでいけばよかった。
今回もレイジングハートを握りしめて、いちばんに心配なヴィヴィオのところへ駆けつけたかっただろうに。
しかし、いまの彼女は組織のなかで最善と安全を考えて迅速に動かなければなりません。八話で無茶な攻撃をしかけたティアナを戒めた手前、自分からその律をやぶることは許されない。
移動手段のないティアナを運ばねばならないので(ティアナはフォワードで戦いの最前線に立たせなければならない)、なのはは急行できなかったのです。結果、ギンガは拉致され、暴走したスバルは負傷。惨憺たる一日でした。

十二話でヴィヴィオを乗せたヘリへの攻撃を間一髪で防いだなのは。彼女にとって、ヴィヴィオは、幼いスバルと同様に、自分がまもり抜いた命のひとつ。幼い者のあどけない笑顔は、彼女の勲章のようなもの。かわいがっていた後輩が痛めつけられ、たいせつな家族が奪われたかなしみは、深く大きい。なにより自信がおおきく揺らいだときでしょう。
数年前に疲弊をためて事故をおこし再起不能に陥ったときよりも、ショックだったかもしれません。

十五話では、転んだヴィヴィオに手を貸さないシビアななのはさん。きっと、部下の眼があるので厳しく接していたのでしょう。SS(サウンドステージ)02を聴くと、なのはさんがヴィヴィオにけっこう甘いことがわかります。
ふたりきりでホットケーキの食べ合いっこをしながら(ココ最高!必聴です)、なのははおもわず本音を漏らしてしまいます。まるで植物か、動物にでも話しかけているように。ヴィヴィオといっしょにもっと楽しい時間を過ごしたい、でもお仕事があるから、自分を待っている多くの人がいるから…と。
十六話で里親探しをつづけていると発言したのは、ヴィヴィオのためを思ってのことでしょうが、別の想いも混じっていそうな気がします。ヴィヴィオの無邪気さにひかれて任務をほうりなげてしまいそうになる自分を正すために。わざと、このあたたかな生活を手放そうとした。しかし、運命は非情です。なのはがこころ決めするまえに、その手は離れてしまう。

旧EDの(伸びやかな歌声とは裏腹に)星空にたそがれるなのはのアンニュイな表情が気がかりだったのですが。ここにきて大きな挫折を味わった真主役。ま、なのはさんのことですから、うじうじ悩まずに次回ですぐ復活してるでしょうね。そう信じておきたい。

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3 Comments

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Unknown (ユリミテ)
2007-08-17 21:16:21
いやぁ。すごく深いところまで見られていますね。
本当にそう。なのはは今は「私人」ではなく「公人」
として動かなければいけない。
けれど何より誰よりヴィヴィオ救出に駆けつけたい。
小さな命を救いたい。全て投げ出しても、です。
ですが実際は思うままに動くことができない。
そのジレンマと心が裂けそうな思いを素直にぶつける
ことができるのはフェイトちゃんだけ。
はやてでもなく、ヴィータでもなく、
互いに競い高めあったフェイトだけなのです。
実際なのはははやて自身とは直接対決をしたことがなく、はやても戦う意思がなかったので、ガチンコバトルにならなかったのですが、フェイトとなのはは理由はあれど、剣を交えた仲。
それ故に、より深く繋がりあうことができたと思うのです。
楽しいことばかりで結ばれた友達ではなく、
戦い、傷つき、苦しみと涙を分かち合えた間柄。
フェイトちゃんもきっとわかっていたんでしょうね。
なのはが今必要としているのは自分であるということが。
シリーズに渡ってみてもらってもわかるように、
フェイトちゃんは自分を押し通すということをしない、人付き合いに関してはどちらかという消極的な一面をもっていますが、こと大事ななのはが落ち込んでいる時には、「月のハンカチ」になるのです。
決して明るくはないけれど、そこにいるだけで癒され、優しく見守っていてくれる月の光のような包容力で。
いつもは精神的にも肉体的にも強いなのはが、これだけ乱れ、泣き崩れるなんて、そうした弱い部分をみせることができるのは、やはりフェイトちゃんがいてくれたからだろうと。
このあたりは、ただの16才の女の子に戻って泣き崩れた千歌音ちゃんに精神状態が似ていると思いました。
愛する人に素直に泣きつくことができた千歌音となのは。
なんか、ようやく共通点を見つけることができたように感じます(笑)いや、みつけなくてもいいのですが(笑)
Unknown (ユリミテ)
2007-08-17 21:27:05
すみません、もう一言。
1期の画像GJです!私の一番好きなシーンです。
つか、ダラダラと書いてしまってごめんなさい。
でもやっぱりなのはのこととなると、いっぱい
聞いてもらいたくて。

でもね。いくら私が騒々しくても
「「「少し、頭冷やそうか…。」」」
とかって言わないでくださいね(涙)

速攻Flier finで逃げていきますが(笑)
恐れ入ります、といいますか、恐れ入りました(敬服) (万葉樹ははやてちゃんが一押しだ!)
2007-08-18 00:00:39
リリカル、マジカル、ごきげんようっ!ユリミテ隊長。
さっそくお越し下さいまして、ありがとうございます!!
えーと、万葉樹は『なのは』マスター今度の昇級試験では、空戦Bランクぐらいにはあがれるでしょうか?(百年早いです)


>実際なのはははやて自身とは直接対決をしたことがなく、はやても戦う意思がなかったので、ガチンコバトルにならなかったのですが、

なのは、フェイト、はやての隊長トリオのなかで、はやてだけいつもハブ(失言)られた格好なのは、きっとなのフェ人気を考慮してだろうな、なんて甘く考えていたのですが。いわれてみれば、ユリミテ様の仰るとおりですね。さすが、一期から年期の入ったファンの考察は違う、と恐れ入りました(敬服)どちらかというと守護騎士たちと関係が深い、はやてちゃん。今期はさらに、なのはやフェイトはお子様達を抱えてますので、彼女とあまり濃密ななのは、もしくはフェイトとの触れ合いって少ないんですよね。だから、十三話のあの「フォローと恩返しの永久機関」のシーンはすごく印象に残りました(いつぞやの、ツインベッドで三人肌ワイも(笑))なんか、いいですね、こういう愛の奪い合いじゃない百合三角関係。ちなみに、なのフェはふたり合わせて別格として好きなんですが、私がこのシリーズで単体としていちばんこころ惹かれるキャラは、八神はやてです。不幸な身の上なのにすごく懐が深いから。これについては、十八話の後半レヴューにて。

>なのはが今必要としているのは自分であるということが。

そうそう!すごくタイミングよく屋上にあらわれたあたりが!フェイトちゃんはきっと、なのはの涙センサーもってて、いつでもなのはが悲しいときには胸を貸せるよう24時間、Stand by Readyしてるんですね。きっと描かれてないけど、なのはさんは毎日夜の三時間でフェイトちゃんに腕枕して貰いながら(爆)、「〇〇(本人の名誉のために匿名(笑))がちょっと扱いづらくて困っちゃうの。明日の教導どうしようかフェイトちゃん」とか愚痴っては慰められてるんですよ、きっと(いかん、また妄想スウィッチが(苦笑))

>こと大事ななのはが落ち込んでいる時には、「月のハンカチ」になるのです。
決して明るくはないけれど、そこにいるだけで癒され、優しく見守っていてくれる月の光のような包容力で。

この一文がすばらしくて、ここだけ何度も読み返してしまいました!!
「月のハンカチ」言い得て妙ですよね!たしかに、はつらつとした元気少女のなのはがお陽様役なら、フェイトは容姿からしても外見からしても月のイメージにぴったりです。このふたり陰と陽といいますか、ほんと姫千歌みたいに、いつもふたりでひとつ。背中合わせに物語で動いていくキャラですよね。しかも絶対仲違いせず(ボタンのかけ違い程度の些細な意見のズレこそあれど)、かといって見苦しいほど作中で始終ベタベタしていなので、すごく観ていて気持ちがいいさわやか百合カップルです。いや、度をこえて熱々なのも好きですけどね(自己矛盾)

>このあたりは、ただの16才の女の子に戻って泣き崩れた千歌音ちゃんに精神状態が似ていると思いました。

いわれてみれば!
ただシリーズとしてのなのはを考えた場合、一期ではかなり生身の少女としての弱さがみられますよね。最初から無敵少女じゃなかった、けど決して何ごとにもこころ折れない純粋な強さがある。今作になって、弟子を抱えたせいか急成長させなければならなかった、高町なのは。あまりに超人ばなれしすぎていて、凛々しくて憧れはするけれど、なんだか感情移入できなかったのです。今回のエピソードはすごく彼女の人間味あふれる一面、ヴィヴィオへの慈愛を描き出していて、すごくいいです。たいがい、少年ジャンプ漫画みたいに、物語が長丁場になると主人公の能力ばかりが神がかったように肥大化して、理性のみでうごく紋切り型の面白くない英雄になりさがってしまうのですが。この『なのは』は熱血アクションの体裁をとりながら、うまくこの法則から逃れている。九話でなのはの肉体的蹉跌を、この十八話で精神的挫折を描いたのは、秀逸だと思いました。美しく、強く、優しく、賢く、華やかに、けれどいつでも笑顔で必ず勝利する女神ばかりでは、やはり物語は面白くありませんから。

>1期の画像GJです!私の一番好きなシーンです。

あ、どうもです!合成がんばった甲斐がありました。喜んでいただけて幸いです(嬉)
私も一期はあのシーンが好きですね。『神無月』最終話のムラクモ内で告白→花畑での訣別とおなじくらい、再生率が高い場面です。しかも、ココ観ると絶対、二期の第一話まで観たくなっちゃうんですよね。というか、なのフェシーンばかり求めてしまいたくなります、あそこはそんな魔力があります。ところで、この無印名場面で、フェイトに駆け寄ってくるときのなのはの、走り方とか手の仕種がすっごく、ぶりっ子(死語)というか乙女っぽくて、いまの鬼教官な姿からは想像もできないです。絶対、極秘裏にこのシーン撮影されてて(〇獣の隠しカメラとかで(笑))スバルたちが観てたりするんですよ。で、ますます、美少女キラーとして名を馳せるなのはさんでした。次に堕ちるのは、きっとナンバーズです(ほんとうか?)

>速攻Flier finで逃げていきますが(笑)

なのはの飛行魔法の名称ですね。教えていただいてありがとうございます。なんか、このアニメ、英語にもつよくなれるかも?

>でもやっぱりなのはのこととなると、いっぱい聞いてもらいたくて。

いえ、語ってくださるのは大歓迎ですので!『なのは』と『神無月』のことで熱く語ってくださるなら、もういくらでもこんな迷妄ブログでよければ提供しますので。
あ、そうそう、フェイトちゃんの一期の私服、私も好きです。はやてちゃんは二期の冒頭からの準主役級な扱いみたら判りますけど、スタッフにすごく愛されているのが、ときおりすごく素敵な笑顔になって表れているのではないかと。

ここ数ヶ月とみに、すばらしいコメントの数々、ありがとうございましたっ!
それから、自堕落な私がいうのもなんですが、マイペースでいいと思いますよ、何ごとも。妄想するのも身体が資本ですので(笑)
ではまた。

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