陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「ハンニバル」

2010-07-29 | 映画───サスペンス・ホラー
「日の名残り」ではストイックなまでに風格を重んじる名家の執事を演じ、「アトランティスのこころ」では少年とこころを通じあわせる温厚で孤独な老人を演じ、「マスク・オブ・ゾロ」では若者への理解と父としての愛をにじませて渋い老剣士を演じたアンソニー・ホプキンス。その彼が連続殺人犯を演じ、しかもそれが代表作であるというのは、私には意外でありました。

本日の映画は、2000年作のアメリカ映画「ハンニバル」
前作の1991年作の「羊たちの沈黙」については未見なのですが、観ていなくてもわかる内容だったかと思われます。
連続殺人犯で医学博士のハンニバル・レクターは催眠術で人を操ることができるんですが、ヒロインの捜査官を愛している。その奇妙な愛憎劇とスリル、たしかに人気を呼ぶものといえそうです。

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時代は前作の連続猟奇殺人事件から十年後。
FBIの女性捜査官クラリス・スターリングは、誤って麻薬のバイヤーを射殺した責任を問われて、窮地に立たされていた。謹慎中の彼女を救ったのは、顔を潰された恨みからレクターを追っていた大富豪のメイスン・ヴァージャー。メイスンの後押しでレクターを追跡する役目を担ったクラリス。
フィレンツェに逃亡していたレクターは名を偽って司書をしていたが、時分を探ろうとしていた刑事をたくみに殺害。しかし、クラリスを囮にされて、メイスン宅に拉致されてしまう。

このメイスン氏がなんとも面妖な顔の持ち主ですが、報復の仕方が仕方だけにあまり同情できはしません。一方、利用されたクラリスもレクターを逮捕するのは自分だけだとばかりに、救出に。しかし、逆にレクター博士に救い出されて、隠れ処に運ばれます。
このふたりの因縁についてはよく知らないのですが、どうやらレクター博士はクラリスに娘とも恋人ともつかぬ、ただならぬ愛情を抱いてはいるようです。しかし、やはり常軌を逸した殺人犯であることに間違いはなく、クラリスは彼を受け入れることはできない。

注目は終盤のレクターに手錠をはめたシーン。果たして血も涙もない博士は愛するクラリスを傷つけてまで逃亡するのか。
怪物めいた殺人者なのに、美女には優しい、というのはオーソドットクスなスリラーの犯人像であるかもしれませんが、不謹慎ながら、やはりこんな渋く知性的な紳士が罪を犯していても惹かれてしまう?

原作はトマス・ハリスの同名小説。
監督・製作は「グラディエーター」のリドリー・スコット。
クラリス役は、ジュリアン・ムーア。ジョディ・フォスターが主演と思っていて期待していたので、すこし残念。前作から主演交代していたんですね。

2002年に「レッド・ドラゴン」07年に「ハンニバル・ライジング」という続編が公開されたんですね。ホプキンスは「羊たち─」でアカデミー賞を受賞していますが、「ハンニバル・ライジング」の博士役にはギャスパー・ウリエルが起用されています。

ハンニバル(2000) - goo 映画


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