陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「角砂糖」

2015-08-18 | 映画──社会派・青春・恋愛
韓国やら朝鮮の作品をとりあげると反感を喰らうだろうな、ということは承知しつつ、紹介しておきます。

2006年の韓国映画「角砂糖」は、女性騎手と愛馬がつむぐ愛情を描いたヒューマンドラマ。

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済州島のある牧場で生まれ育った少女シウンは、幼い頃に母を亡くした。
同じく誕生してすぐに母を失った子馬チョンドゥイ(韓国で「雷」の意)に親近感を抱き、一頭と一人は家族も同然にして成長する。やがてチョンドゥイは人手に渡り、離ればなれに。角砂糖というのは、チョンドゥイの好物なのですね。

その二年後、騎手になったシウン。
騎手養成学校を首席で卒業したライバル騎手のソン・チョルとの小競り合いや、女性騎手への風当たりの悪さがあって新鋭シウンはなかなか芽がでません。八百長試合で大金をかけるオーナーの意向に添えず、馬体の危険を感じて無理に走らせようとしないシウンは懲戒処分にされかけます。シウンの誠意を知っていたのは、やはり馬想いのユン調教師。

やがてシウンは愛馬と運命の再会を果たします。
といっても、最初は馬だけが気づいただけでまるで恋人が追いかけるようなすれ違い。二度目は彼女の方から。この馬の目つきが、恋した人間のそれなんですよね。チョンドゥイを駆ってレースに参加するシウンですが、チョルたちの妨害工作やチョンドゥイの手術など前途は多難を極めます。最後、チョンドゥイ渾身の力をふりしぼって全力疾走、その結果は…。

競馬の映画としてはオーソドックスな中身であり、トビー・マグアイワ主演の「シービスケット」には映像として劣りはしますが、音楽(とくにあの馬の心情を綴ったかのような挿入歌)がいいせいか、役者と馬の表情がいいせいか、ほろりと泣けてしまう場面もあります。あの馬には主演男優賞をあげたいぐらいですね。

監督はイ・ファンギョン。
出演はイム・スジョン、ユ・オソン、クォン・ビョンギル、オ・テギョン。


(2011年7月26日)

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