陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「ファイアーウォール」

2009-05-24 | 映画──SF・アクション・戦争


愛する家族を人質にとられたら、たとえ犯罪に手を染めようが、人殺しをしようが、かまわない。それがアメリカの父親なのかもしれない?でも、家族よりも会社が大事、という、まるで封建時代の精神性が残っているような日本の企業戦士(だから今でも戦国時代が大はやりで、集団の結束力をいうのに「侍」という言葉が多用されるのだろう)は、さてこの映画の父親をどう思うのでしょうか?
06年の映画「ファイアーウォール」は、どんなピンチにあっても家族の命を救うことをだいじにする熱い父親を、あのハリソン・フォードが演じたアクションムービー。

粗筋にはいる前に。以下、ウィキペディアからの転載。
ファイアーウォール(防火壁)とは、ある特定のコンピュータネットワークとその外部との通信を制御し、内部のコンピュータネットワークの安全を維持することを目的としたソフトウェア、あるいはそのソフトウェアを搭載したハードウェアである。外部から内部のコンピュータネットワークへ侵入しようとするクラッキング行為を火事にたとえ、それを食い止めるものとして防火壁という表現を用いている。



表題の「ファイアーウォール」は、ハリソン演じる優秀なエンジニアにして銀行の幹部のジャック・スタンフォードが構築した鉄壁の防衛力を誇るセキュリティシステムのこと。誰もそれを破ることはできないはずだった、そうジャックひとりを除いては。

勤め先の銀行の合併話が持ち上がるなか、仕事が多忙をきわめつつも、家族サービスの日は欠かさない、いい父親のジャック。しかし、ある夜家に居坐った強盗団に、家族を人質にとられ、巨額の資金を横流しする手伝いをさせられる羽目に。その首謀者は商談の取引相手として近づいてきた男コックスだった。

家族はコックスの部下に監禁され、ジャックには監視カメラ・盗聴器がつけられて行動を監視される。信頼していた秘書も遠ざけられ、同僚とも連絡がつかない。事情を話そうにもできずに、犯人のなすがままに行動するジャックは、折りをみて反撃を試みるも無駄にされ、やがて大金も奪われ、家族もどこかへ拉致されてしまう。

このまったくひっくり返せないゲームがラスト三〇分前まで延々と続きます。しかも同僚の殺害の濡れ衣まで追わされそうになって、警察の捜査網まで警戒しなくちゃならない。果たしてジャックに勝機はあるのか。

最後の逆転劇はかなり急ぎすぎたような。
といいますか、頭脳戦といいますか、けっきょく原始的な方法でやっつけちゃうわけで。そこでジ・エンド。
しかし、このジャック、この後まちがいなく取り調べを受けて、無実ではすまないとは思うのですが。まあ、野暮な推測ですね。

敵方のコックスはつねに憎ったらしいほどに冷血漢で、動じない。けれど、たまに静かな優しさを子どもに向けて人間くささの片鱗をみせるあたり、映画「ブレードランナー」の脱走レプリカントリーダー格のバッティと重なります。あれもハリソン主演でしたね。
ジャックと妻との仲を裂くような奸計まで敷くのですが、妻を信じているジャックには見破られてしまう。
演じたのは英国出身のポール・ベタニー で、「ダ・ヴィンチ・コード」では、シラスという殺人犯でストイックな修道士を担当。氷のようなオーラを漂わせていますね。

ジャックの息子を演じた子役俳優のジミー・ベネットは、映画「ポセイドン」でも、母親に誘われて脅えながらもピンチを切り抜ける子どもを演じていました。


しかし、セレブの私邸はゴージャスですね。
そして、いつも思うのだけど。ハリソンのあの髪型は、ああいうセットなのか、騒動に巻き込まれるのでやたらボサボサなのかどっちなんだろうかと…。


(〇九年五月二十四日)

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「鋼の錬金術師 FULLMETAL AL... | TOP | 【後書き】神無月の巫女二次... »
最新の画像もっと見る

Recent Entries | 映画──SF・アクション・戦争