陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「パラドックス・ハプニング」

2016-09-21 | 映画───サスペンス・ホラー
2004年のアメリカ映画「パラドックス・ハプニング」(原題:LAST GOODBYE)は、四人の男女の織りなすサスペンス・ドラマ。

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ホラーアクションドラマで人気上昇中の新人女優アグネス・ジェルビーは、ロックスターのピーターとの熱愛報道でお疲れ気味。そのピーターは、家出中のジェニファーとよろしくやっています。ジェニファーを自分の守護天使として恋い焦がれる売れない舞台俳優のローランド・ライラックは,彼女の父親に交際を申し込むのですが…。

ジェニファーが女子高生と知って、急に気持ちが冷めるピーター。
ピーターのいない寂しさを埋めようとして彼のロックバンド仲間のシーモアを誘うアグネス。
実らぬ恋に自暴自棄となりアルコール中毒を発して病院に担ぎこまれるローランド。
四人のそれぞれが将来と愛情に悩んでは、孤独を募らせています。

「テレビは魂をしゃぶりつくす」「魂や知性が剥がれていってしまう」などとテレビ業界人に対する痛烈な皮肉が込められている部分はおもしろいのですが、要するに典型的な誰もが幸せになれない四角関係といったところ。

あばずれ女かと思われたジェニファーの意外に純情で可愛い部分が見えたり、その彼女が失意のローランドにひょんなことから出会ったり。アグネスにはキャリアを広げる絶好の機会が舞い込んできたり。アグネスのせいで不仲になりかけたピーターとシーモアが寄りを戻したり。幸せの兆しが見えかけてくるのですが、人の想いというものはどうにもならないものなんですよね。アグネスは自分が売れれば売れるほど付き合う男をダメにしてしまうタイプなのかしら。ローランドのジェニファーへの献身は不幸な結果を招いてしまいます。そして、感情を暴走させたピーターはコンサートを中断するのですが、その理由が…。

監督はジェイコブ・ジェントリー。
出演者:クリストファー・ライデル、クレメンティン・フォード、フェイ・ダナウェイ、デビッド・キャラダインほか。

にしても邦題をなぜこんな分かりにくいカタカナにしたのかがふしぎです。
時系列が入り組んでいていささかわかりづらくはありました。四人の関係が見え始める終盤の組みあわせはよくはできているし、極端なアンハッピーではないけれど、なぜか救われない気持ちにさせられます。

あと、あの酔っぱらいで信仰心が深いのだかどうだかわからないおじいさんは、やたらと存在感がありましたけれど。

(2011年6月8日)


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