陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「シュリ」

2016-09-22 | 映画──社会派・青春・恋愛
1999年の映画「シュリ」は、いまなお統合ままならない韓国と北朝鮮との抗争、そして悲しい決裂に分かたれた一組の恋愛を描いたもの。
実際に起こりうるのではないかという、緊迫感が漂っています。
日本の映画関係者にはコケにされたそうですが、劇場では大ヒット(らしい)。なぜかというと、日本で「亡国のイージス」だの、「踊る大捜査線 THE MOVIE」だの、犯罪を扱った映画は、胸をえぐるような歴史の悲劇から遠いからです。もちろん現実にないほうがいいに決まってますが。

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1998年のソウル。
韓国の諜報部員ユ・ジュンウォンは、恋人イ・ミョンヒョンとの結婚を間近に控えて幸せに包まれていた。だが、恋人には危険な任務のことは告げていない。
ここ数日、身柄を確保しようとした武装密売人が先手を売って射殺されるなど、ぶっそうな事件が多発。どうやら事件の影に、凄腕のスナイパーが関わっていることを掴む。
驚異的な破壊力をもつ液体爆弾が、テロリストに奪われ爆発する。情報の流出を懸念したユ・ジュンウォンたちは、同僚たちまで疑う羽目に。そして敵方の真の標的は、南北の首脳が列席するサッカー交流試合の会場だった…。

敵の狙撃手の正体は、途中から読めてしまいますが、純愛がテロによって踏みにじられてしまう悲しい結末。
表題は、朝鮮半島のみに生息する淡水魚で、ヒロインがアクアショップを経営しているため、幻想的な水槽が並んでいます。
半世紀のあいだでひろがった南北間の経済格差、庶民の苦しみを顧みない政治家。半島問題を浮き彫りにしています。

(〇九年八月二十五日)

シュリ(1999) - goo 映画

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