陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

日本映画「神童」

2016-04-22 | 映画──社会派・青春・恋愛
今年(2011年)の年末年始深夜の映画特集で観た邦画の二作目。
2007年の「神童」は、音大進学を控えた男子高校生と、天性の演奏テクニックをもつ女子中学生との物語。

神童 [DVD]
神童 [DVD]VAP,INC(VAP)(D) 2007-11-21売り上げランキング : 5333Amazonで詳しく見る by G-Tools



ずば抜けたピアノ演奏の才に恵まれ、天才扱いされる少女、成瀬うたはその才能ゆえに学校でも孤立していた。そんなうたが気を許すのは、八百屋の息子で音大の進学をめざす高校生の菊池和音ことワオ。うたから熱心な指導(というか口出し)を受けたワオは合格し、ふたりは別の時間を歩み始める…。

このふたりの恋に発展する前の、微妙なつながりを描いたもの。
うたは耳鳴りに悩まされて、やがてピアノが弾けなくなってしまいます。そのふたりが最後に連弾で結びつくという終わり方なのですが。この手のクラシック音楽を描いた作品ならば、いかにもありそうな展開ですよね。

じつは深夜で疲れていたため、半分ほど視聴して眠ってしまいました。
「花とアリス」もそうでしたが、この類のこぎれいにつくりあげた芸術的な邦画ってなぜかとても退屈なんですよね。音楽家を描いただけでなにかとても高尚なものに浸った気分になれはするけれど。

ネット上のレヴューはおおむね好評が多かったので、観てない部分にいい演出があったのかもしれないですね。でも、開始三十分のあいだにこころをぐっと掴んで離さないようなしかけには欠けていたような気がします。私のごとき気の短い視聴者には楽しめないでしょう。

それと舞台や音楽(ジャズや商業音楽は別にして)を主題にしたものは、小説や漫画などの原作はすばらしくても,映像にするとどうしたって本ものの演奏家やダンサーの演技にはかなわず見劣りがしてしまいます。
天才ピアノ少女が、音楽青年に出会うと設定も「のだめ」に比べたらインパクトが弱いですね。

監督は萩生田宏治。
主演は清廉潔白だが芯の強い女性を演じれば存在感のある成海璃子、来年の大河ドラマ「平清盛」の松山ケンイチ。
原作はさそうあきらの漫画。

(2011年1月2日)

神童 - goo 映画


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 映画「奇蹟の詩~サード・ミ... | TOP | 映画「ベルサイユの子」 »
最新の画像もっと見る

Recent Entries | 映画──社会派・青春・恋愛