陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「シャイン」

2010-10-29 | 映画──社会派・青春・恋愛
1996年のオーストラリア映画「シャイン」(原題 : Shine)は、実在する奇才ピアノ演奏家デヴィッド・ヘルフゴッド(1947年生まれ)の伝記的映画。
音楽を巡る父と子との愛と葛藤のドラマでもあります。

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オーストラリアのメルボルン。
父の教育を受け、少年時代からピアニストとしての才能を発揮していたデヴィッド。しかし、彼には言動の奇抜なところがあった。
地元のコンクールで優勝したデヴィッドには、寄金を得てニューヨークに音楽留学できる道が開かれるが、父のピーターの猛反対で断念。ユダヤ系ポーランド人移民の父は、家族が離ればなれになること、そしてデヴィッドの病気を心配していた。
しかし、19歳になるとデヴィッドは半ば勘当同然で、ロンドンの王立音楽大学に留学。パークス教授に師事し、日夜練習に励む。コンクールで選んだ曲は難曲とされるラフマニノフのピアノ協奏曲の第三番。みごと弾きおおせた彼だったが、発作で倒れてしまう。

その後、オーストラリアに帰国。精神病棟に収容されたデヴィッドは、もはや演奏を禁じられてしまった。
だが、音楽への情熱は捨てきれない。バーなどでひそかに演奏活動を行ううちに、かつての天才の演奏を望む声で名を知られるようになる。そして、占星術師ジリアン・マレーという理解者にして良き伴侶を得ることになる。

ピーターがデヴィッドをピアニストにさせることに反対したのは、息子の精神病の心配というよりも、自分がヴァイオリニストになる夢を父に潰されたので、息子が音楽に携わるのが嫌だったのか、という気がしないでもないですね。
それとデヴィッドの精神病は、おそらく厳格な父からの叱責や虐待(父はそれを愛情だと言っているが)が原因であるようにも感じます。

映画で披露される見事な演奏のほとんどは、じっさいの演奏家自身によるもの。
デヴィッド・ヘルフゴッドは現在もなお、旺盛な演奏活動を続けています。

監督は、「アトランティスのこころ」のスコット・ヒックス。
主演は、デヴィッドの壮年期にジェフリー・ラッシュ。青年時代を演じるのはノア・テイラー。
ジェフリー・ラッシュは、「フリーダ」でフリーダと恋におちるロシアの亡命政治家レオン・トロッキーや、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのヘクター・バルボッサ役が有名。本作は、彼の第69回アカデミー賞主演男優賞をはじめ多数の映画賞を受賞しました。

シャイン - goo 映画

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