フィギュアスケート全日本選手権2011（二）

今年の最後のお楽しみ、フィギュアスケート全日本選手権2011が開幕しました。
場所は大阪のなみはやドーム。初日は男子シングルから。織田信成選手が膝の故障で棄権した今大会、新しい顔触れがベテランを脅かすことになるのか。


やはり今大会の大本命は、GPファイナル二位（フィギュアスケート　GPファイナル2011　まとめ）と好成績を残した高橋大輔選手。
曲はVas「イン・ザ・ガーデン・オブ・ソウル」。
やはり日本王者というべきか、五輪メダリストというべきか、それだけでなく練習拠点に近い関西という地理的好条件が彼を勝者へと導いてくれるのでしょうか。96.05点の圧倒的な高得点で単独トップ。
出だしの細やかな音符を丁寧に拾い上げて動きに変じていくところから引き込まれますよね。その流れのままに、なんと四回転・三回転の連続ジャンプが大成功。場内、大いに湧きます。その後もまったくの落としどころなし、終了直後に会心のガッツポーズ。実に素晴らしい。今季、最大の、最高の、美しい演技だったことでしょう。引退なんて言葉はまだまだ遠い25歳、この人はほんとうにまた五輪に挑戦してくれそうですよね。自己ベスト大幅に更新ですが、百点越えしてもおかしくないのですよね。本人いわく、その後のステップがあまり良くなかったそうですが、その弁から察するに、彼の全力はまだまだという気がします。

二位で追うのは、氷上のサラブレッドこと小塚崇彦選手。
曲はジョー・ヘンダーソン 「インナー・アージ」。
まずは三回転に連続のジャンプで流れをつくって、その後も危なげがないところはさすが世界の舞台を幾度も経験済みというべきか。なかなかに騒々しいパニックを煽るようなメロディ。動きで解釈するのが難しそうな曲調なので、真央ちゃんとおなじく優等生肌の彼には合わないような感じがしますが、あえて挑戦したのですね。
小塚選手と言えば、昨季の全日本で初優勝（氷上のニューエース、ついに誕生！）し、親子二代で全日本制覇を成し遂げたことが記憶に新しい。今年のGPシリーズでは表彰台に二度上っていながら、惜しくもファイナル進出はなりませんでした。その面目躍如となる舞台、スコアは85.60点。こちらもまずまずの得点ですが、一位とは10点近くの開き。事実上、高橋VS小塚の一騎打ちとなりそうですよね。

三位は顔が仲村トオルに似てる（笑）町田樹選手。
曲はロシア民謡「黒い瞳」。
高橋選手と織田信成選手の大学の後輩で、あまり目立たない選手ですが、GPシリーズ（フィギュアスケート　NHK杯2011（二））で見せてくれた演技は印象深いものがありましたよ。GPシリーズ以外でも優勝経験もあり、四回転も成功させたことがあります。選手層が厚い日本男子のうちで、いまだ第二グループ呼ばわりされていますが、侮れない次世代の21歳。
冒頭の三回転の着氷が危うかったですが、持ちこたえました。スピンがややゆったりしすぎている気配がしますが、踊るときの動きがユニークといいますか、芸が細かいですよね。高橋選手みたいな色気はないのですが、豪胆さと繊細さがあって楽しませてくれるタイプです。スコアは74.64点。

四位はまだ高校生の羽生結弦選手。
曲はアレクサンドル・スクリャービン「12の練習曲作品8　悲愴」。
和製ジョニー・ウィアーとでもいうべき、独特の存在感を放っている選手ですね。もちろん実力もついてきてるのですが。その証拠に今年はGPシリーズで初優勝（フィギュアスケート　ロシア杯2011　まとめ）、ファイナル初進出で四位に入賞（フィギュアスケートGPファイナル2011（四））と着実に成長を遂げています。
冒頭の四回転・三回転の連続ジャンプを三回転単発に終わらせてしまったのが、やや致命的なミス。終盤の三回転・二回転でとりもどしてはいますが惜しいですね。建て直しできるだけ冷静ともいえるでしょうけど。滑走順が最後だったので、高橋選手のあの絶賛の演技を見た動揺もあったのかも。
とうしょ、スコアは74.82点であったのですが、軸足を替えるスピンをレベル３から２に下げたため、74.32点に。ついで、順位も四位に入れ替わってしまったそうです（こちら参照）。いささか納得いかないのですが、動画で確認すると、入れ替える際に両足着氷になっていたのがスムーズに見えなかったからなのでしょうかね。とはいえ、四回転を成功させたあのGPファイナルのフリーのエネルギッシュさで、メダル圏内に食い込んでくることが期待されます。


【参考サイト】
フィギュアスケートYoutube-動画Blog
スポーツナビ　フィギュアスケート


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