陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

氷上の女神、世界一の真央

2010-04-01 | フィギュアスケート・スポーツ
今さらのレヴューで恐縮ですが。
世界フィギュアスケート選手権2010は、男女で日本勢がアベック優勝。すばらしいですね。

注目されたのは、女子シングルでのアジアの女王対決。
昨年の世界フィギュアスケート選手権2009は圧勝だったキム・ヨナ選手はSPからして、本調子ではない様子。持ち上げた足を降ろしてしまったり、ジャンプを抜かしたりと、ありえないミスを連発。バンクーバー五輪の金メダリストが、七位スタート。五輪で魅せた粋のいいボンドガールは見る影もなし。
しかし、フリーではジャンプの転倒があったにせよ、序盤の高速回転のジャンプなどが冴えたせいか、フリーでは190.79点を出して一位に。

いっぽう、浅田真央選手は今回も果敢にトリプルアクセルに挑戦。みずからも手応えを感じていたというパーフェクトな演技。
フリーの課題曲ラフマニノフの「鐘」の後半部の重厚な響きを損なわないように、エンディングまで力強い演技を披露。両腕をあげて四分半のステージを終えたあとには、万雷の拍手が彼女を讃えました。
しかし、なぜか二回のトリプルアクセルのうち一回が回転不足と判定されて、フリーも二位に甘んじます。
結果としてはSPで出遅れたヨナ選手を上回る総合197.58点でSP二位からの逆転優勝。
おめでたいのですが、判定が腑に落ちませんよね。

三位になったのは、フィンランドのラウラ・レピスト選手。
くしくも、五輪と同じく表彰台の一位二位をアジア勢が占める結果に。

今回の敗戦をうけて、キム・ヨナ選手は今後の進退を明言しはしませんでした。
ふたりの五輪対決がさんざんメディアで騒がれていて、精神的にも疲弊しているかもしれないですね。
五輪後は一週間しか練習しなかったそうで、燃え尽き症候群との噂も。
『アエラ』誌の三月八日号に載っていましたが、ヨナ選手もスケートを続けるために、父親の事業不振や腰の故障など、人並みならぬ苦労を重ねているようです。姉は歌手の夢を諦めて看護士になったそうですし、リンクの外での心痛があって、休みたい心境なのかも。もし復活する意思があるのなら、また再戦をみてみたいですね。

バンクーバーでの悔しさをバネに、この一箇月一日しか練習を休まなかった浅田真央選手の努力が実った結果となりました。今シーズンを最高の状態で終われてよかったですね。
ロシア人コーチのタラソワ女史とは師弟関係を解消したので、四年後のソチ五輪では不利になるんじゃないかと老婆心ながら思いますが。難曲をもこなしてあえて高い目標に挑戦しつづける彼女なら、心配ないかもしれません。




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