陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「マルコヴィッチの穴」

2017-11-30 | 映画──ファンタジー・コメディ
有名人の華やかな生活に憧れて、取って代われたらと願ってみたくはないですか。本日はそんなあなたの願望を叶える奇想天外なガジェット・ムービーをご紹介。
ただしおいしい夢を見すぎたあとには、苦い地獄が待っていたりするかもしれませんよね。

1999年作の「マルコヴィッチの穴」(原題:Being John Malkovich)も、そんな作品です。

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売れない人形師のクレイグは、妻のロッテに急かされて、ファイリングの職を得ます。職場はマンハッタンの高層ビルの7と1/2階にあるというけったいなレスター社。美人の同僚社員マキシンにアプローチするも、あしらわれてばかり。

ある日、クレイグは社内の一室に不思議な通路を発見。それは、人気俳優ジョン・マルコヴィッチの脳内に入れるひみつの穴でした。マキシンを抱き込んで、穴に客を呼び込んで大もうけ。しかし、マルコヴィッチになったロッテがマキシンと恋仲になってしまったり、マルコヴィッチ本人が乗っ取りに気づいて押しかけてきたりと大騒ぎに。

やがて、妻を監禁したクレイグは、マキシンの愛とマルコヴィッチの身体を利用して名をあげようとたくらみます。しかし、俳優を人形のように操って成功しようとするクレイグの計画は、思わぬ終着点に。

筋書き自体もまったく先が読めない怒濤の展開の連続。二時間ちかくの内容ですが、最後まで飽きさせません。セクシーなシーンはありますが下品なジョークはないので、女性向けでありましょう。
別の誰かになりたいという変身願望、正確にいえばトランスジェンダーを扱った怪作といえそうですね。

監督は「アダプテーション」のスパイク・ジョーンズ。
見どころは「仮面の男」「太陽の帝国」で有名なジョン・マルコヴィッチ本人を演じたマルコヴィッチの千両役者ぶり。特にマルコヴィッチが複数人化けて出ているところは、笑えます。まあ、なんともはや、キッチュとしか言いようがない。

主演のクレイグ役ジョン・キューザックは、「ニューオーリンズ・トライアル」の主演でも観客の裏をかくような役どころでしたね。「スタンド・バイ・ミー」の優秀な兄を演じた人だったとは。
ロッテを演じたのは「チャーリーズエンジェル フルスロットル」主演のキャメロン・ディアス。

ショーン・ペンやブラッド・ピッドなど有名俳優が意外な場所で友情出演しています。ブラピはあのカツラでは気づかなかったですね(苦笑)

マルコヴィッチの穴(1999) - goo 映画

(〇九年十二月九日)

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