『今日の出来心』

シンガーソングライター&作詞家“久保田洋司”の365日書き下ろし公開日記です
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2009年4月15日(水)

2009年04月15日 00時00分01秒 | Weblog
僕が、普段、使用している、
習字の、楮紙のセットは、15枚入りで、
さらに、もう一枚、お手本をなぞるようになっている紙が
ついているのである。

だから、時々、そのお手本を、
なぞるのである。

たまに、なぞってみると、
お手本の文字の、小ささ、細さに、
あらためて気がつくのである。

僕は、普段、お手本を横において、
その通りに、書いているつもりであるが、
気がつかないうちに、どんどん字が大きく、太く、
なっていたことが、わかるのである。

そのたびに、いつも、次に書く時は、
字を、細く、小さめに書こう、と努めるのであるが、
また、どんどん、大きく、太くなっているのであった。

細い線の、最後の押さえ、とか、
さっと引いた線の、最後のはね、とか、
左にはらった時の、勢いと、
それを抑制する一瞬の、思いとどまり、とか、
点の、一踏ん張り、とか、
いろいろと、油断してしまって、いい加減になりそうになるのを、
何とかする感じが、好きである。

その感じが好きさ、オーベイビー、などと、
歌詞に書いたことがある。

歌詞では、
あまり笑ったりしないけど、
その感じが好きさ、ベイビー。
決して泣きはしないけど、その感じが好きさ、
この街から、今夜君を、正当に奪いたい、
などと、
なんだか、その感じが好きな、詞であった。

習字も、油断しないで、きちんと書けば、
書けるはずであるが、
どうも、書ききれないのは、
そこに、僕というものが、
よく表れているのであろう、と最近、特に、思うのである。

洋司