ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

パンの国際貢献

2007-10-31 11:03:43 | 日記・エッセイ・コラム

栃木県内のとあるパン屋さんが自社製の
「パンの缶詰」を下取りするという。

かつて阪神淡路大震災のとき
食糧支援として贈ったパンが被災者の手に届く前に
痛んでしまった経験をもとに
三年間保存できるパンの缶詰を開発した。
そのアイデアがヒットして
全国100以上の自治体が防災用非常食として備蓄している。

それら賞味期限一年以内のものを下取りして
アジアやアフリカの飢餓地帯に寄贈するのである。

すばらしい発想と行動力ではないか!!

会社ぐるみ、社長ともども賞味期限の改ざんに
うつつをぬかしている時代に
ひさしぶりにうれしいニュースである。

他の食品業界がこれに見ならって立ち上がってくれたら
年間600万人といわれている餓死の現実へ
計り知れないほどの膨大な人道的支援となる。

給油も現時点では大切な支援かもしれないが
それ以上に偉大な支援と貢献があることに気づかされた。

「パンの缶詰」にエールを送ります。


   
木の葉散る人はどこかへ流れゆく  やす


帰ってきたポール

2007-10-26 01:10:53 | 日記・エッセイ・コラム

とても不思議なことだが
半年ほど前にボスから追い出されたポールが
帰ってきている。

このところ時々ボスの不在を狙って
こっそりやって来ることがあり
そのたび妻が竹輪を一本のまま与えていた。
( そのため冷凍庫には竹輪がいっぱい。)
その竹輪をくわえて何処かへ姿をくらますのである。

ところがきょうのポールは様子がおかしい・・・・
ボスと鉢合わせしても、おどおどしない。
ボスのほうも無視しているような
とても平和な雰囲気なのである。

ポールのねばり勝ちということだろうか、
あるいは僕らの知らない内に
なんらかの協定でも結ばれたか・・・
なんとも奇妙なことである。

ともあれ食べ物が豊富にあることで
彼らの心を穏やかにさせているのは事実だろう。

〈衣食足りて礼節を知る〉 
なんてことが彼らの社会に通用することが・・・あるかも。

さきほどからグリルで魚のアラが芳ばしい匂いを上げている。
換気扇が回りはじめると
屋敷内のあちこちから全員が勝手口に集まってくる。

只今のところ仔猫7匹、親猫4匹とポールである。

   
それもこれもとろろに絡め呑込めり   やす


ほんとうに怖いこと

2007-10-22 23:15:06 | 日記・エッセイ・コラム

いったいぜんたい、
ほんとうにどうなってしまったのだろうか・・・・
また、また、また、また、食品偽装が発覚した。

こんどは創業300年の名代老舗「赤福」。
〈 その日のうちに売りきる 〉
というのが店のポリシーであり
お伊勢参りの土産として
だれもがありがたがって買い求め
だれもがありがたがって食べた。

過失ではなく、神前で神をも偽る常習的改ざん。

そして秋田大館のブレンド比内地鶏の偽装。
卵を産まなくなった廃鶏を混ぜていたのだ。
比内地鶏は一羽2000円で取引されるが
廃鶏は200円から300円で取引されるという。

さらにまた性懲りも無く、偽装マンションの発覚。

これら一連の偽装の総ての理由は一つ、
・・・・・利益を上げるためである。
売り上げデーターのグラフにばかり眼が走って
肝心な客の顔を見ていないのである。

しかし、古い餅を食わされる事よりも
硬い鶏肉を食わされる事よりも
ほんとうに怖いのは子どもたちへの教育的影響である。

   
ひとの世もかくあらまほし星月夜    やす


怒りの大スズメバチ

2007-10-15 15:56:37 | 日記・エッセイ・コラム

ふと、離れの庇を仰いでびっくりした。

な、なんと! 
大スズメバチの巨大な巣がぶら下がっているではないか。
バスケットボールよりはるかにデカイ。
いったい、いつの間に・・・・・
ひと月ほど前までは大工が入っていたけれど
だれも気付かなかった。
数百匹の勤勉なハチが、懸命に作り上げたのだろう、
実に見事な作品である。

しかし、このまま感心しているわけにはいかない。
美術館への客に危険があるし
毎朝庭掃除している妻もあぶない。
幸いなことにすぐ近所に養蜂家がいるので
さっそく頼んで退治してもらう。

午後4時、辺りが薄暗くなったころ
宇宙飛行士のような完全防御服の養蜂家がはしごを上る。
ぼくらは母屋のガラス窓越しに見学。

養蜂家は巨大な巣にむけてスプレーを発射、
ハチたちは怒り狂って彼にむらがる。
なかには向きを変えて
ぼくらの方のガラスに体当たりするのもいて
その怖ろしい形相たるや・・・・・
思わず〈オレじゃないぞー!〉と声を上げてしまう。

それでもさすがにプロの仕事、勝負はあっけなく終わる。

巨大な巣は庇から切り取られ
そのまま袋の中へ・・・・。
その間もつぎつぎと狩猟から戻ってくるハチがいて
養蜂家はそれらをラケットのような道具で叩き落す。

今朝になって脳震盪から目覚めた数匹のハチたちが
巣の在ったあたりをぶんぶん飛び回っている。
かなり怒っている様子なので
しばらくは外に出ないようにしよう。

  
 行く秋を知るや知らずやカンナ燃ゆ    やす


秋の花火

2007-10-10 11:42:49 | 日記・エッセイ・コラム

先日、「日光秋の花火大会」を観た。
観光地日光では夏は忙しくしているので
シーズンオフの10月に揚げることになっている。

昨年は坐骨神経痛のため出かけられなかったので
ことしは早いうちから楽しみにしていた。

有名花火のような豪華さは無いが
澄み切った大気に開く花火は華麗である。
行きつけの中華料理店に予約しておいた弁当をかかえて
土手に陣取る。
良い席を確保するには1時間半前に着いていないとダメ。
川風が身にしみるので誰もが完全防寒じたく。
作りたてのエビチリやゆば揚げが腹の底をあたためてくれる。

そうしているうちにいよいよカウントダウン。
 ・・・・・スリー、ツー、ワン、ゼロ!
闇が一気に炸裂して黒々と男体山が目を覚ます。
首を休める間もなく50分間の音と光りの饗宴。

フィナーレは鍵屋宗家作のスターマイン。
足元から地響きをたてて揚がる百花繚乱に
驚きと歓声が大谷川の堤にひしめき
この一発だけでも充分に満足であった。

   
魂のひゅるるる昇りゆく花火    やす