昨年2月に開始されたウクライナ侵略戦争は、ウクライナ国民と国際世論の反撃によってもロシアはいまだウクライナ東南部を占領し続けていますが、プーチンがウクライナ侵攻の理由としてあげた「NATOの脅威」「ウクライナ政権のナチ化」は全くの口実であったことは明らかです。一方、岸田政権は、ウクライナ危機を利用し、プーチン同様のウソで国民をだまし、日本をアメリカの対中戦争に参戦させようとしています。
第一のウソ:「反撃(=敵基地攻撃)は専守防衛の範囲内だから憲法違反ではない」
「専守防衛」とは、日本が武力攻撃を受けた場合に、自国の領域に侵攻する敵の攻撃を排除する処置で、そのための武器は防衛用に徹し、長距離ミサイルや空母などの攻撃用武器は禁止とされます。しかし、岸田政権が昨年閣議決定した「安保3文書」は、日本が攻撃を受けていない状態でも、同盟国(米国)の要請があれば、相手国(中国)の領域内の基地や国家中枢を直接攻撃できる、「敵基地攻撃能力の保有」を方針化したもので、武器も攻撃用です。「専守防衛の範囲内」は大ウソで、国際法でも禁止されている先制攻撃です。
第2のウソ:「日本を守るため」
政府は、「敵基地攻撃能力を保有するのは日本を守るため」と言っていますが、これも大ウソです。ロシアがウクライナに侵略した旧ソ連・欧州の状況と、日本の状況は全く違います。起こり得るアジアでの戦争の危険は、中国と台湾との間で武力紛争が発生した時に米軍が介入し、自衛隊が集団的自衛権行使によって米軍の指揮下に対中戦争に加担する時であって、日本防衛とは全く関係なく、米軍を守る戦争です。結果は、徹底的な報復攻撃を中国から加えられ、アメリカではなく、日本が戦場となります。