きょうはほとんど「評論」の必要がないほど「露骨」のようです。
以下は、きょうの○○新聞1・2面の【ワシントン=古森義久】からの記事からの抜粋・引用。<原記事へリンク> (※太字化、赤字化は私)
同盟強化の妨げ 米は改憲を歓迎
日本が現行憲法を変えようとする動きを同盟国の米国はどうみるのか-憲法第9条に基づき、日本は集団的自衛権を行使できないとの解釈が日米同盟強化への大きな障害になるとする認識はいま米側で広範に強まり、改憲自体にも長年の多様な対応を経ながら、現在では党派を問わず反対はなく、むしろ暗に歓迎するという姿勢が大勢となったといえる。
「反対まったくない」
東京都の石原慎太郎知事が16日にワシントンでの討論会で憲法破棄を提唱したとき、米側の討論者のリチャード・ローレス元国防副次官は「日本の憲法は確かに米軍占領時代の遺物であり、日本はそれを変える権利も自由も有している」と述べ、日本の憲法改正にいまの米側には抵抗がないことを明示した。同じ討論者のジム・アワー元国防総省日本部長はさらに「米国が反対することはまったくないだろう」と確言した。
米側には日本の憲法はあくまで主権国家としての日本自身が決める課題であり、米国が是非を表明する立場にはないという建前に近い大前提がある。前記の2元高官もその点を強調した。だがなお米国は日本憲法の起草者である。そのうえ主権中枢の自国の安全保障を現憲法で制限した日本の国家としての欠落を補ってきたのが同盟国の米国だという事実は重い。改憲では米国の意向を考えざるをえない歴史であり現実だろう。
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防衛協力への障害に (※左の小見出しは新聞記事のもの。ネット記事の方は「より緊密に防衛協力」となっている。)
連邦議会の調査機関として中立性を保つ議会調査局も~~「米国が起草した日本の憲法は日本に集団的自衛を禁ずる第9条の現行解釈のために日米間のより緊密な防衛協力への障害になっている」~~
揺れ続けた改憲賛否
米国の日本憲法への態度は長い年月、錯綜(さくそう)する変遷をたどってきた。~~憲法起草者で連合国軍総司令部(GHQ)の民政局次長、チャールズ・ケーディス氏は憲法の最大の目的が日本から全ての軍事能力を永久に奪うことだったと率直に回顧した。だからその「日本封殺のための憲法」保持という思考は戦後の長い期間、米側のコンセンサスだった。
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だが同じ米国でもほぼ同時期に保守系識者の間では日米同盟の強化のために日本が憲法での防衛面での自縛を解くことが米国をも利するという意見が広がってきた。92年にはヘリテージ財団が「米国は非公式に日本に改憲を促すべきだ」とする政策提言を発表した。「マッカーサー憲法は現実の世界で欠かせない力の行使や戦争を全て否定することで日本に例外意識を与え、国際社会の正常な一員となることや日米同盟に十分な寄与をすることを妨げてきた」と説いたのだ。~~
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民主党クリントン政権で国防総省日本部長を務めたポール・ジアラ氏は「日本の現行憲法は日本の政府や国民に防衛力は保持しても実際の戦闘に使うことは決してないのだという政治心理の枠をはめている点で明白に日米同盟への障壁であり、改憲が好ましい」と述べた。このへんが米側対日安保政策関係者の本音だといえそうである。
(終わり)
要するに、昔も今も、米国の有力者たちは、《護憲だろうと改憲だろうと、米国の利益になるかどうかにしか関心はない》ということがはっきりわかりますね。
(※「有識者」のなかには、その《「国益絶対(重視)外交」が世界標準であり当然だ》という人がいますが、一方には日本人(の多く?)など、「国益+他益(=共生)」を基本とする人々がいるという事実を無視する傲慢さが許せないと思いませんか。)
そして、日本人が目覚め始めて「9条:戦争放棄条文」の改憲が避けられそうにない状況になってきたので、日本人(?)の古森記者(+編集責任者)は「~~改憲では米国の意向を考えざるをえない歴史であり現実だろう」と書いているわけです。
日本は「主権国家=独立国」ではないのですか? 主権国家が憲法を作るのに、なぜ《外国の意向》を「考えざるを得ない」のですか?
「中共の脅威」があるからといって、「意向」とはあんまりな植民地根性ではないですか。たとえ重要な同盟国であっても、自国の憲法策定に関しては外国に「意見」を聴くことでさえためらわれるというのに… ←参考になりましたらクリックをお願いします! 読んでくださる方の存在が励みです。※コピー、リンクはご自由にどうぞ。