遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

八千草薫さん死去

2019-10-29 16:19:02 | 映画
令和元年10月29日(火)

八千草薫さんの逝去

10月24日、女優の八千草薫さんが膵臓癌で
亡くなられた。  88歳であった。

大女優でありながら、常に清楚なイメージが在り
お淑やかで何時までも(その年相応の)美しさ。
優しい母親像の役柄保ち続けた女優は、他に類を
みない。


1931年1月6日、大阪生
1947年 宝塚歌劇団に入団、清純派娘役

1951年 在団中、「宝塚夫人」で映画デヴュー
1954年 映画「宮本武蔵」、お通役



1956年 日伊合作映画「蝶々夫人」主演
1957年 宝塚歌劇団を退団
1957年 映画「雪国」、駒子の妹葉子役
1972年 映画「男はつらいよ、寅次郎夢枕」
      幼馴染のマドンナ役
2005年 映画「デイア・ドクター」出演
2015年 映画「ゆずり葉の頃」主演

テレビドラマ
1977年 「岸辺のアルバム」主演
2003年 「阿修羅のごとく」次女役


2019年 「やすらぎの刻」主演、途中病気辞退

八千草薫さんの映画での印象、思い出は正直あまり
無い。 私が小学生の頃、「宮本武蔵」を見たが、
武蔵(三船敏郎)と小次郎(鶴田浩二)の決闘に
目が行き、お通(八千草薫)の美しさ等、全く眼中
になかった。
「雪国」は後日(再上映)見たが、芸者駒子(岸
恵子)と池辺良の逢瀬が中心で、妹葉子(八千草薫)
の印象はなかった。
「男はつらいよ、寅次郎夢枕」では幼馴染のマドンナ
役(当時41歳の八千草薫)は溌溂として美しく、
生き生きと働く、とても輝いていた。


八千草薫さんが新境地を開かれたのはテレビドラマ
「岸辺のアルバム」は、1974年の多摩川水害を
背景にした、社会派のドラマである。
多摩川沿いの新興住宅地に住み、平穏に暮らしていた
家族が、壊れて行く、、、


或る日、目の前に現れた男に誘われ、ラブホテルへ、
その姿を息子に見られ追及される、、、
夫は風俗営業で働く女性を(東南アジアから)斡旋
するバイヤー、、 長女は或る日レイプされ、、、
平和な家庭(マイホームが)壊れていく、、、、
折しも、多摩川を襲った大水害で、自宅が川の中へ
ながされ、、、 家庭崩壊、、、、
このシーンは、実際に堤防が決壊し、住宅が流失し
ていく、報道の映像が使用されていた。
この生生しい画面は、最近相次いで起きる水害に
ダブらせ、痛々しく目に焼き付いて離れない。
当時、八千草薫さん(48歳)適齢の年代、、
TV大賞主演女優賞を、テレビドラマ史に残る名作
となった。
他にも向田邦子ドラマ「阿修羅のごとく」でも好演、
単にお淑やかな美人女優ではなく、年を重ねる毎、
素晴らしい演技、個性も見せられている。
晩年の映画「ゆずり葉の頃」主演は秀作、ご自身
でも大変満足されていた様である。

旭日小授章の受賞


今日の1句

淑やかに惜しまれつ逝く秋の暮れ     ヤギ爺










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