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だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

認知症の父を介護する娘の健気な姿に心打たれる『選ばなかったみち』

2022年03月23日 22時02分21秒 | 映画

【個人的な評価】
2022年日本公開映画で面白かった順位:33/46
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【ジャンル】
ヒューマンドラマ
認知症

【原作・過去作、元になった出来事】
イギリスを代表する女性監督サリー・ポッターの弟が、
若年性認知症と診断され、
監督自身が介護で寄り添った経験をもとに
書き下ろされた物語。

【あらすじ】
ニューヨークに住む
メキシコ人移民レオ(ハビエル・バルデム)は作家であったが、
認知症を患い、
誰かの助けがなければ生活はままならず、
娘モリー(エル・ファニング)やヘルパーとの意思疎通も
困難な状況になっていた。

ある朝、モリーはレオを病院に連れ出そうとアパートを訪れる。
モリーが隣にいながらもレオは、
初恋の女性と出会った故郷メキシコや、
作家生活に行き詰まり一人旅をしたギリシャを脳内で往来し、
モリーとはまったく別々の景色をみるのだった―。

【感想】
タイトルから「もしも」の世界を描いた話かと思いきや。
認知症の父と介護する娘のヒューマンドラマでした。

◆介護する娘の姿が健気すぎて泣ける

この映画で一番注目したいのは、
何と言っても娘モリーだよ。
両親が離婚しているため、
介護に関しては母親はほとんどノータッチの様子。
ヘルパーさんの助けはありつつも、
身内では彼女一人で面倒を見ている生活。
父レオは意思疎通も図れないばかりか、
お漏らしもしちゃうし、
他人の犬を、
自分がかつて飼っていた愛犬と混同して
連れて行こうとするなど、
非常に手のかかる状態だ。

にも関わらず、嫌な顔ひとつ見せず、
父を非難することもなく、
まるで赤ちゃんをあやすかのように、
明るく優しく接している姿がね、、、
本当にいい子だなって。
まだ若いし自分の時間だって欲しいだろうに。
まあ、終盤はとあることが原因で
堪忍袋の緒が切れてしまうんだけど、
それでも父への愛が変わらなかったことには感動するよ。

それにしても、演じたエル・ファニングも役の幅が広い。
『マレフィセント』(2015)ではオーロラ姫、
『アバウト・レイ 16歳の決断』(2015)ではトランスジェンダー。
『ネオン・デーモン』(2016)ではやべぇモデル、
『ティーンスピリット』(2018)では歌手を目指す少女など。

◆認知症という題材の割には悲壮感がない

この映画、
認知症の父とその介護をする娘ってことで、
悲しい話かと思いきや、
実際はそうじゃない。
もちろん、介護の大変さは痛いほど伝わってくる。
でも、先にも書いた通り、
娘は父へ変わらぬ愛を捧げるし、
父は父でまるで冒険をしているかのような感じなんだよ。

父の頭の中には、
常に過去の思い出の世界が広がっていて、
そこでの言動がそのまま現実に反映されていることが多い。
だから、基本的には彼が見ている世界っていうのは、
思い出の世界が主軸になっているんじゃないかな。
楽しかったことも辛かったこともひっくるめて、
自分にとって印象深く残っている思い出こそが、
今の自分の世界のすべて。
それを、娘が優しく寄り添うことで、
時々現実の世界に引き戻されている印象を受けた。
まさに、思い出の世界と現実の世界を
行ったり来たりしているような感じ。
それ自体は悲観することでも何でもなく、
本人からしたらそれこそが日常なんだろうな。

◆そんなわけで

認知症を扱った映画と言えば、
個人的には『ファーザー』(2020)がものすごく印象に残っている。
あれは認知症の人の視点で描かれた世界が秀逸な作品だった。
この映画も、
認知症であるレオの頭の中では
何が起こっているのかが垣間見えるので、
少し似ているかもしれないな。
レオを演じたハビエル・バルデムの演技が、
思わず見入ってしまうほどのリアリティなので、
一見の価値はある映画。




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