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とりあえず西洋絵画から始めて、現代日本作家まで

菱田春草

2011-03-20 | 日本人作家

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菱田 春草  (ひしだ しゅんそう)

1874年(明治 7年) 921日 - 1911年(明治44年) 916日 享年36
明治期の日本画家。
横山大観、下村観山とともに
岡倉天心の門下で、明治期の日本画の革新に貢献した。

 

 

1874年(明治 7年)、長野県飯田(現・飯田市)に生まれた。本名は三男治(みおじ)。1890年(明治23年)、東京美術学校(現・東京藝術大学)に入学。春草は美校では 大観、観山の1学年後輩にあたる。美校での師は狩野派の末裔である橋本雅邦であった。春草は大観、観山とともに、当時美校校長であった岡倉天心の強い影響下にあった。

 

過激な日本画改革論者であった岡倉天心には反対者も多く、1898年(明治31年)、天心は反対派に追われるように東京美術学校校長を辞任した(反対派のまいた怪文書が原因だったとされる)。当時、美校の教師をしていた春草や大観、観山も天心と行動を共にして美校を去り、在野の美術団体である日本美術院の創設に参加した。

その後春草は1903年(明治36年)には大観とともにインドへ渡航。1904年(明治37年)には天心、大観とともにアメリカへ渡り、ヨーロッパを経て翌年帰国した。1906年(明治39年)には日本美術院の五浦(いづら、茨城県北茨城市)移転とともに同地へ移り住み、大観、観山らとともに制作をした。しかし、春草は眼病治療のため、1908年(明治41年)には東京へ戻り、代々木に住んだ。代表作『落葉』は、当時はまだ郊外だった代々木近辺の雑木林がモチーフになっている。1911年(明治44年)、満37歳の誕生日を目前にして腎臓疾患のため死去した。


春草、大観らは、1900年(明治33年)前後から、従来の日本画に欠かせなかった輪郭線を廃した無線描法を試みた。この実験的画法は世間の非難を呼び、「朦朧体」(もうろうたい)と揶揄された。《菊慈童》などが「朦朧体」の典型的作品である。1907年(明治40年)には「官」の展覧会である文展(文部省美術展覧会)の第1回展が開催されたが、この時出品した、色彩点描技法を用いた《賢首菩薩》も手法の革新性のため、当時の審査員には理解されなかった。晩年の《落葉》は、伝統的な屏風形式を用いながら、空気遠近法(色彩の濃淡や描写の疎密で、遠くの事物と近くの事物を描き分ける)を用いて日本画の世界に合理的な空間表現を実現した名作である。このように、伝統的な日本画の世界にさまざまな斬新な技法を導入し、近代日本画の発展に尽くした画家で、天心もその早すぎた死を惜しんだ。大観は、後に日本画の大家と褒められると、「春草の方がずっと上手い」 と答えたという。

 菊慈童

 


代表作[編集]
《寡婦と孤児》1895/東京藝術大学大学美術館
《水鏡》1897/東京藝術大学大学美術館
《秋景(渓山紅葉)》 1899/島根県立美術館
《菊慈童》1900/飯田市美術博物館
《雪後の月》1902/滋賀県立近代美術館
《王昭君》1902/山形・善寶寺(重要文化財)
《賢首菩薩》1907/東京国立近代美術館(重要文化財)
《紅葉山水》1908頃/愛知県美術館
《落葉》1909/永青文庫所有・熊本県立美術館寄託(重要文化財)
《黒き猫》1910/永青文庫所有・熊本県立美術館寄託(重要文化財)
( wikipedia )

 

 

 

 


『水鏡』Reflection in the water
 制作 1897年(明治30年) 
       絹本着色 257.8×170.8

 

仏画にも見えるが、人物の表情から察するに、風俗画ともとれる。

華を手折らんとするかのしぐさも、また別の紫陽花を見つめる風情にも、乙女のうぶさ加減がただよっている。

 

 

 

 

ふつう植木職人は、毎年きまった時季に手入れする。

春草のばあいは、完成したらそれでお仕舞い。

しかしネ。

葉っぱ一枚、一枚と描き出す。

大変な作業です。

 

 

 

 

菱田春草「虎ノ図」
   菱田春草「虎ノ図」を美博へ寄託

 

 
 夕の森
  明治37年(1904)
 飯田市美術博物館蔵

 

 

 

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1 コメント

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2010-11-16 04:45:01
このブログは眼の保養になるけん、リンクさせてもらいましたわいな。
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