わたしの里 美術館

とりあえず西洋絵画から始めて、現代日本作家まで

地理学者

2010-08-22 | 作品

 

 

フェルメール

制作年  1668年 - 1669
素材    キャンバスに油彩
寸法    52 cm × 45.5 cm (20 in × 17.9 in)
所蔵    シュテーデル美術館(フランクフルト)

 

 

 

『地理学者』(ちりがくしゃ、蘭: De geograaf、独: Der Geograph)は、オランダ黄金時代の画家ヨハネス・フェルメールが1668年から1669年に描いた絵画。キャンバスに油彩で描かれた、縦52cm、横45.5cmの作品で、フランクフルトのシュテーデル美術館が所蔵している。

 

『地理学者』は、フェルメールの作品の中で『天文学者』、『取り持ち女』とともに、署名と制作年度が記されている3点の絵画のうちの1点である。

描かれている地理学者は日本の着物のようなローブを羽織っている[1]。精力的に「知的作業に没頭しており」、周囲には地図、海図、地球儀、書物などが散乱し、右手にはディバイダが握られている[2] 。「この作品から伺える活気は、主として人物のポーズからのものである。画面左側にさまざまな物がまとめて配置され、画面左から右へと斜めの光が差し込んでいる[2]」

フェルメールはこの作品に活気を与えるために、製作過程でいくつかの変更を行っている。作品制作当初の男性の頭部はさらに左寄りで、現在のヴァージョンで窓外に向いている視線も更に下を見つめていたと考えられている。右手のディバイダは水平ではなく垂直に持たれており、机上の紙は画面右下の小さな椅子の上に置かれていた。また、背景ももっと暗い配色で表現されていた[2]。

男性の表情はやや不明瞭に描かれている。このことについてセレナ・カーは、『婦人と召使』にも使われている技法で、「動き」を表現しようとしたのではないかとしている。男性の眼は細められ、おそらくは太陽光がまぶしいためか、あるいは思考に没頭していることを意味する。さらにカーは『地図学者』を何かを「思いついた瞬間」さらには「天啓」を描いた作品であると主張している。左側にまとめられたカーテンと机上に押し込められた東洋風の絨毯は、どちらも神からの啓示を象徴する。「しがみつくかのように左手に書物を握りしめているのは、自身の着想を確認しようとしているからである[3]」

 

 

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