蒼い空の下で

文系男子の何気ない1日を記します。

6年生野球物語Last~全ての人に感謝~

2017-03-24 23:29:10 | 6年生野球
3月に入ると雪塊も少しずつ姿を消す。
残す活動期間は1か月足らず。
3月12日の交流戦と18日と19日の2日間で予定する公式戦。
これらに向けての最終調整を行っていく。

マリナーズは卒団式を3月4日に終えた。
在団員達が素晴らしい卒団式にしてくれた。

翌日、佐分利で練習を行う。
2月に入ってから新監督が指導する。

—佐分利レッドソウル—
2013年から発足した大飯スリーアローズの前身チームである。県大会での輝かしい実績をも残す。そして、このチームが輩出した20代前半のOB達が、2月の途中から指導をしてくれた。その顔ぶれの中には、甲子園球児の姿もあった。

この日は、レッドソウルのOB達が実践練習に尽力してくれた。
本当に有り難かった。

こうした状況から察知できたこと。
マリナーズが強かったのは単年だけのこと。
ずっとは続かない。

スリーアローズには、本郷イーグルスと佐分利レッドソウルの伝統が引き継がれている。歴史や伝統、そして後援力は並大抵ではないと予測する。そして、こうしたチームは本当の強さを兼ね備えているものである。

3月11日が最後の練習日。
小雨が降ったり止んだりする中、終日練習を行った。
お昼には、母親達が味噌汁を準備してくれた。
みんなが一緒に昼ごはんを食べた。
派手さは無いが、いいチームだ。

私は、そう思いながら眺めていた。

1週間が経過し、3月12日が訪れた。
敦賀市での交流試合。
絶好の野球日和であった。
我が家は子供会の行事に参加してから移動した。

たいした情報ではないが、対戦相手はオール敦賀の1軍と2軍らしい。
失礼な事を言うようだが、この1年間はマリナーズよりも強いチームが敦賀市にあったとは記憶にない。
だが、この時期の子供達は成長が著しい。
半年以上前の事は参考にもならない。

結果1敗1分け。
とりあえず、次週の公式戦に弾みをつけた。

そして3月18日。
とうとう最後の公式戦を迎える。
「敦賀学童野球卒業記念大会」
前日に卒業式を終えた子供達だが、体調不良を理由に公希の姿はない。

そんな中、1試合目は最終回までもつれた。
たが、亘佑の特大ホームランで同点で終える。

この試合、ボールボーイをしていたのが私と周平の父親。
仕事を忘れ、うるさい程の声を出していたようだ。
後に大暉と温喜の父親にこう言われた。
「2人ともうるさすぎる。退場やな。」と。

2試合目の開始前、こはると彩音がソフトボールの練習を早退して応援に駆けつけてくれた。
この2人は、秋まで一緒に6年生野球をしてきた。
彼女達の応援はとても嬉しかった。

その結果、2試合目を勝利して初日の成績を1勝1分けとする。

試合を終えると子供達が楽しそうに遊んでいる。
みんなで苦楽を乗り越えてきた事がそこに現れていた。

—いいチームだー
明日で最後にするのは、とても寂しい。
もう少しだけこの仲間と一緒に野球をしていたい。
誰もが思っていた事である。

3月19日の最終日は、4~6位の順位決定戦に挑む。
初戦は、前日に勝利した芦原が相手となった。
劣勢に立たされ、追いかける立場となる。
結局、追い上げならず惨敗。
最後の1試合に全てをぶつける。

最後の試合で先発マウンドに上がったのは蒼空。
打たれたが、よく投げた。
そして、途中からレフトの守備にいた温喜に託す。

温喜にボールを渡した時、蒼空はこう伝えたと後に聞く。
「ごめん、温喜くん。任せたで。」

若狭和田マリナーズのエースと大飯スリーアローズのエース。
2人のポジションが入れ替わった時、改めてチームメイトである事を実感した。
試合は、大暉や悠矢の好走塁から大逆転する。
最終戦を見事に勝利した。

試合を終え、監督を中心とした円陣が組まれた。
それぞれがいい表情を見せていた。

会場を退く前に保護者及び子供達からお世話になった指導者へお礼をした。
その瞬間、様々な思いが蘇ってきた。
約半年間の活動。
様々な困難を乗り越え、この日に辿り着いた。

指導者へのお礼を終えて帰り支度をしようとした時だった。
公子さんと史枝さんと一緒にいた妻が私を呼んだ。

妻の手には「お礼」と書かれた封筒があった。
そして、そこには6軒の連名が書かれていた。
連名は、マリナーズ時代に苦楽を共にした同学年の保護者であった。

「2人(私と妻)がおらんかったら、6年生野球なんかできんかった。本当にありがとう。」
公子さんと史枝さんがそう添えてくれた。

私は空を見上げた。
すると、そこには6年生野球で一緒してきた子供達の姿がかすかに見えた。

しばらくすると子供達は振り返った。
それぞれの未来へと歩み始めたその背中は、しばらく見ない内に少しだけ大きくなったように見えた。

そして最後にこう届けた。

—今までありがとう—

                        
                       おわり

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