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北飛山岳救助隊 結成50年 「今後も登山者の安全に全力」

2009年12月30日 | 記事紹介

 ニュース 速報 YOMIURI ONLINE(読売新聞)

http://chubu.yomiuri.co.jp/news_kan/kan091207_6.htm?from=nwlb

2009年12月7日配信

 

  記事の紹介です。

北飛山岳救助隊 結成50年 「今後も登山者の安全に全力」

高山の民間組織、式典で決意

知事表彰を受ける隊員たち

北アルプスで遭難した登山者の救出活動にあたっている高山市の民間組織「北飛山岳救助隊」(隊員数36人)が今年、結成50周年を迎えた。同市で5日に開かれた記念式典には、県や県警、同市などの関係者約170人が出席し、隊員らの労をねぎらった。

 同救助隊は1959年7月、当時の登山ブームで山岳遭難が多発したことを受け、飛騨市神岡町や旧上宝村の若者たちによって結成された。

 県北アルプス山岳遭難対策協議会のもとで、県警山岳警備隊と連携を取りながらパトロールや遭難者救助で活躍している。これまでに724件の遭難救助に出動し、353人を救助したという。

 記念式典では、6代目隊長の竹腰藤年さん(60)らに知事表彰などが贈られた。竹腰隊長は「登山者の無事が一番の願い。1件でも遭難事故を減らすよう、これからも登山者の安全確保に全力を尽くしたい」と述べ、隊員は決意を新たにしていた。

 同市の土野守市長は「北アルプスに精通した隊員ばかりで大変頼もしい。遭難者救助の使命に気概を持ち、これまでよく頑張ってこられた」と感謝の言葉を述べた。

 

 

 

再発防止のカギ ――遭難の現場(下)

http://chubu.yomiuri.co.jp/news_kan/kan091207_7.htm?from=nwlb

原因の究明不可欠

安全ルートを研究する警備隊員。遭難救助と並んで重要な仕事だ。


「雪煙が収まると、仲間は消えていた」。昨年12月27日、静岡県の山岳会パーティーが、北アルプス・抜戸岳(2812メートル)で雪崩に巻き込まれた。

 パーティーのリーダーだった静岡市立高校教頭の小田直美さん(55)は、仲間2人が必死に逃げ惑いながら、雪崩にのみ込まれた瞬間を見た。県警山岳警備隊とともに連日、仲間の捜索を続けたが発見できず、遭難から3日目、捜索は打ち切られた。

 現場の沢(標高約1500メートル)は、過去のデータで雪崩がほとんど発生していない。「雪崩の巣」と呼ばれる地帯の中でも、ルートに選んだ沢沿いは、地形の状況から雪崩に巻き込まれにくいと判断していた。「18歳から『下界』で正月を迎えたことがない」という小田さんにとって忘れられない年が明けた。

□   □

 今年2月、巡回中の県警ヘリが仲間の1人、私立高校教諭桑原義仁さん(当時48歳)の遺体を発見した。死因は脳挫傷で、全身の骨が折れた状態だった。小田さんは遺体と対面し、交通事故の被害者のようだと思った。一般的な表層雪崩ではなく、時速200キロの雪煙が発生する爆風雪崩と推定された。地元では「ほうなだれ」と呼ばれ、現場付近での発生は約10年前に1件報告されただけだった。

 小田さんら静岡山岳会の有志は、残る仲間の会社員塚田征義さん(当時39歳)を見つけようと、3月から週末ごとに独自の捜索に乗り出した。埋没物を捜すための長い棒を使い、現場一帯を捜し続けた。谷口光洋・県警山岳警備隊小隊長(53)も「今時、こんな気骨のある登山者は珍しい」と舌を巻いた。

 有志の粘り強い捜索は8回目で、塚田さんの発見に至った。「雪解けを待てば簡単に見つかるだろうが、遺体の傷みは激しくなる。大黒柱を失った遺族のために、一刻も早く見つけてあげたかった」と小田さんは言う。

□   □

 現在、小田さんは今回の遭難の経緯や原因を事故報告書としてまとめている。再発防止という観点から、分析を重ね、まとまり次第、全国の山岳団体に配布したいと考えている。谷口小隊長も「冬山は綿密なルート研究のほか、気象条件や時間帯の適切な選び方など、登山の可否を判断する要素は多い」と話す。

 世界的な登山家、野口健さんは「どんなベテランでも遭難しない保証はない」と切り出す。1984年、北米のマッキンリーで消息を絶った植村直己さんの遭難原因について詳しく分析が行われていない実情に触れ、「遭難には必ず登山者本人のミスがある。経験や経歴が立派だからといって、遭難した原因を追究しないのは登山家のおごりだ」と語気を強める。

 例年、年末年始に北アルプスから舞い込む悲しい知らせの数々。大自然に囲まれた年越しは唯一無二の時間かもしれない。電気もガスもない「非日常」の醍醐味を味わうためには、「不便な場所に行く覚悟と準備を整えてほしい」。県警山岳警備隊を始め、取材した人々が共通して口にする切実な言葉だ。

(この企画は、米盛菜美が担当しました)

 無理のない登山計画
 冬山では気温の上昇とともに雪崩の危険性も増す。午前中に雪崩発生地帯を通過し、昼過ぎに山小屋や野営地に到着することが遭難を防ぐ基本。休日を利用した登山者の中には「日没までに到着しよう」などと考える人も少なくない。山の特性を理解し、危険を感じた場合は柔軟に計画を変更をすることが必要。

 

(2009年12月7日  読売新聞)

  記事の紹介終わりです。

 

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