http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20100425-OYT1T00712.htm
2010年4月25日配信
記事の紹介です。
UDD占拠の繁華街、「奪還する」とタイ首相
バンコク=若山樹一郎】タイのアピシット首相は25日、テレビで演説し、タクシン元首相派勢力「反独裁民主戦線」(UDD)が占拠を続ける首都バンコクの繁華街について、「奪還する。時期は言えないが計画もある」と述べ、強制排除に乗り出す可能性を示した。
UDD側は反発、全国の支持者に対し占拠地への結集を呼びかけ、対決姿勢を強めている。
演説には、実力行使には慎重と伝えられてきた治安対策責任者のアヌポン陸軍司令官も同席。司令官は「政府決定に従う」と述べ、軍・政府一体であることを強調した。首相は演説で、議会解散時期について、「即時」から「30日以内」に緩めたUDDの譲歩案を改めて拒否。占拠地からの撤退を強く求めた。
アピシット政権側は、議会の早期解散と総選挙を求めるUDDに対し、3月に「年内解散」を提案。UDD側が拒否し、今月10日の強制排除が失敗したため、さらに「半年以内」に繰り上げる妥協案を示していた。
政権側が「半年以内」にこだわるのは、解散までに選挙制度の見直しなど、与党内の中小政党が次期選挙で有利となる憲法改正を実現させたいため。解散前に今年度補正予算などを成立させ、選挙を有利に進めたい思惑もある。
首相はテレビ演説で、「政治解決を拒絶するわけではない」とも述べたが、UDDは、選挙後の新政権が憲法改正を行うべきとしており、双方の主張は大きく隔たっている。関係筋によると、最後の仲介役として期待がかかる王室とその側近グループは、「不介入」という形で事実上、現政権を支持しているという。
UDDが首都を占拠したまま、現政権が国会で憲法改正作業に入るのは難しい。だが、再度の強制排除に乗り出して、流血の惨事が繰り返されれば、政権の維持は困難との見方が強い。強気のアピシット政権を手詰まり感が覆っている。
こうした中、反タクシン派団体「市民民主化同盟」(PAD)を中心とする政府支持派が、30日に大規模集会を計画しており、UDDとの衝突の懸念も出ている。
(2010年4月25日21時44分 読売新聞)
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