我が郷は足日木の垂水のほとり

文化芸術から政治経済まで、貧しくなった日本人の紐帯を再構築したいものです

吉岡   農業問題と循環資本

2009年08月16日 | 経済

                    

 


盆と正月そしてクリスマスが日本人の三大行事なのでしょうか。歳神さまは神道の神であり、お盆は仏教の行事で、ご先祖さまをお迎えして一緒に会食します。日本に遅れてやって来たのがキリスト教で、神の子の誕生を祝うのがクリスマス。本日は16日で麻幹(おがら)を焚いて先祖さまの霊をお送りします。おがらは麻殻とも書き、麻の茎から靱皮繊維をはぎ取って残った木質部のことです。ちょっと昔までは大麻はごく普通に栽培されていて、様々に利用それていました。忍者はこの麻の種を蒔いて、その苗の上を飛び越す訓練を麻の生長と共に行ったとか言って子供の頃よく遣ったものです。http://onisci.com/459.html

今では大麻栽培は立派な犯罪ですから、これが合法的にできるのは日本では極々限られた農家だけです。大麻取締法は占領軍によって押しつけられた法律です。陰謀論風にいえば石油化学工業にとって手軽に再生産できる繊維の大麻が目の上のたんこぶだったらしいのです。
                 http://plaza.rakuten.co.jp/bandoumusha/diary/200811160000/

 

 

デヴィッド・リカード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

産業革命時のイギリス古典派経済学者
 
特記すべき概念: 比較生産費説を主張し、労働価値説の立場に立つ。自由貿易を擁護
デヴィッド・リカード(David Ricardo、1772年4月19日 - 1823年9月11日)は自由貿易を擁護する理論を唱えたイギリスの経済学者。各国が、例え奴隷が作ったものでもその内容・手段を問わず、比較優位に立つ産品を重点的に輸出する事で、セイの法則に基づき「全て輸出したものは需要される」ので経済厚生は高まる、とする単純な理論である「比較生産費説」を主張した。労働価値説の立場に立った。経済学を体系化することに貢献し、古典派経済学の経済学者の中で最も影響力のあった一人であり、経済学のなかではアダム・スミスと並んで評される。他の実業家よりも比較優位に立つことで彼は実業家としても成功し、多くの財を築いた。  


少しでも安いもの、一寸でも品質の高いものは、他の産地の産品を経済的に駆逐する。そしてそれは消費経済にとって自然な成り行きとして、自由貿易を推進する立場の人たちの論理的根拠とされた経済学者ですネ。自由経済主義者の権化みたいな人々です。リカードの口車に乗ったお陰で、イベリア半島のスペインやポルトガルはイギリス産業革命の後背地となりはて、ワイン生産に産業を特化した所為で小麦生産が減少し、ポルトガルは食糧自給率が極端に低下してしまいました。

農林水産省HP「食料自給率の部屋」の資料によると、スペインが68%でポルトガルは26.7%で日本の27%よりも低い穀物自給率です。
                http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/013.html

戦後の食糧危機は男子労働力が農村から大量に兵士として動員され、また海外からの大勢の引き揚げ者が本国に帰国したため起きました。アメリカの安い穀物が日本に輸入されて、ひとまず食糧危機は回避されましたが新しい問題が起きてきました。アメリカの安い食糧による、米穀中毒経済が引き起こされたことです。都市生活者は安い食糧は歓迎すべきことで、農村部では米穀の価格低下で農業基盤が脅かされるように為りました。リストラせずには農家は生き残れませんでした。余剰の労働力は都市部に流入し安い労働力となりました。アメリカの穀物つまり米穀は日本の農家の次三男の首を切り次には、零細農家の長男の首をも断頭台に送りました。これで目出度く日本資本主義の次の飛翔の為の頭数が揃えられた訳です。日本の『労働者』はこのような出自を持ちますから、デラシネではありません。お盆には田舎に帰り、明ければ都市部に戻ります。田舎や土地との紐帯が残っていれば、いざというときには流浪することは無く、田舎に帰れば雨露を凌ぎ、糊口を塞ぐことが可能です。

農業の自由化とは圧倒的競争力を持つアメリカが、他国の農業従事者の『首切り』(合理化=リストラ)を行い、安い労働力の創出を全世界規模で行う事が目的です。自由国際貿易とは、弾薬や爆弾の替わりに、安い穀物を用いて他国を支配する新しい、経済植民地主義のことを言うのです。

業種別所得の比較    http://gyokai-search.com/

総合商社業界では       
平均年齢:41.5歳
平均勤続年数:17.0年
平均年収:1,198万円
 (平成20年3月31日現在)

自動車業界
平均年齢:39.3歳
平均勤続年数:17.5年
平均年収:679万円
 (平成20年3月31日現在)

穀物などの食糧を輸入する商社が第一位で、安い労働力で競争力をつけた自動車は高位に付けています。

ちなみに農業はこの比較サイトには掲載もされていません。
ざっと見回したところ、年収が200から300万でしょう。

 

 

米英基軸の世界資本の利益は、アメリカ農業生産物の安さが基盤となり他国の農業を攻撃し破壊することから生じています。国家にとり一番重要なのは、人々が豊かになることですね。他国からはなるべく安い価格で購入し、国内産品は高く輸出するのが理想ですが、実態は別です。他国からは高く買い入れ、国内産品は安く外国に売る。これならそれほど努力せずに出来ますネ。こんなことが出来るのは国内の政治と経済を掌握していればこそです。そのための経済学がリカードなどの古典派経済学なのでしょう。マスコミはそれを宣伝して、生産に従事する人たちの給与が低いのを、あの手この手でなっとくさせるのです。世界の低所得の根源は、リカードなどの比較優位の経済学にあるようです。

話は一寸それますが、絶対的経済支配力保持の虎の巻は、中央銀行法の治外法権的な管理にあります。

より多くの財貨を生むには、失業を減らして生産性も上げる。これが正解なのですが、こうすると、米穀の支配者の米英資本が相対的に支配力を減衰させてしまいます。そこで彼等は、不断の努力で失業を増やし生産性をおとしめる努力をしています。最大の効率を有する市場破壊の方法は戦争です。もう一つは債券市場の詐欺的運営による、剰余資本の強制的回収です。

国際競争で、低価格競争を行えば産業や従事者は疲弊します。

物価は下降しますが、産業の利益も減るので、所得が減り消費も減退して
最低限のものばかりが残り、豊かな生産相は消失してしまいます。
勤勉倹約は結局は、貧乏への道で、倹約令は貧困への近道のようです。

それに引き替え、産品の多層化を行えば、高所得者は利益を含むものを購買し経済活動に活気をもたらしますし。低価格品も造れれば、低所得者も生活が保障されます。技能の練度が低いものでも、多くの生産現場があるので失業はまぬかれます。

産業の基底は農業などの食糧生産であり、是を外国に多く依拠すると、国家の自立性が損なわれます。2008年の日本の物価をながめれぱ、穀物価格の高騰で飼料などは価格が倍(200%)にはね騰がりました。是を放置すれば低価格帯の食料価格が高騰し、低所得者の食糧生活を直撃します。これは直接的に社会不安を引き起こし、国力が急激に低下することになります。実際に小麦粉の値段や、パスタ関係も相当の値上げになっていきました。此処で神風が吹いて、世界金融資本の砲撃艦隊はほぼ全艦が沈没しました。産業全体の中に占める割合は極めて低いのですが食料品の価格高騰は、低所得者の消費心理を冷え込ませ、経済をデフレスパイラルの地獄の渦巻きに吸い寄せてゆきます。

中国や東南アジアからの安い産品の輸入は、日本国内産業を空洞化させ経済力(=消費力)を阻喪させてゆきます。産業構造の健康度合いに無頓着な、個人主義経営は自己の利益の増大に眼を奪われて、利益追求経営が足許の経済基盤を突き崩しているのが見えなかったのです。経済の指標を特定の例えば小麦や牛肉の価格に固定しては、経済が分からなくなります。もともと経済とは経国済民であり、国民経済を円滑かつ豊かにすることが眼目であったはずです。経済資金が国内に充分に行き渡れば、廉価なものから高級品まで様々な産品が生産或いは輸入されて経済が豊かになります。ただ、あまりにも多くの資金が放出されればインフレになってしまいます。80年代にバブルが起きたのは、累進課税が緩和されたため、それまで設備投資などにまわっていた資金が、資産形成と見られるような土地とか債権、ゴルフ会員権そして書画骨董などに向かったために起きたことであり、これは税制の間違った政策により引き起こされました。税制改革以前の税制は利益を多く出せば重く課税されるシステムであったため、余裕のある資金は設備やストック或いは人的な支出に廻されそれが産業をより力強いものにしてくれました。

経営の本道を知らない三代目や官僚経営者は、利益重視のバンカー経営学に幻惑されて、会社の脛を囓るような経営に身を窶してしまいました。ソニーなどは実物製造の本業を没却し金融業や芸能或いは、商社的な活動に移行し本業の競争力は低下しつつあります。利益が出るか出ないかは、強い表現で恐縮ですが、金貸し風情の経済学問であります。実際の経済活動の特殊部位の現象を見ているにすぎない訳です。経済全体を発展させ隆盛に導くのは、国家全体あるいは、貿易関係の国家群の間に資金を充分に行き渡らせることにあります。物価は緩やかに上昇してゆき、資金のむやみなストックは経済的に不利であり、資金は購買や投資に向かい健康的な経済循環が維持されます。米英を軸とした世界金融資本の政策は、構造改革であり直截な表現で言えば、利益の出る経営でありました。金貸しがミクロに経済を見れば是はこれで『正解』なのでしょうが、マクロに見てみれば、これは経済を食い潰す愚策でした。経済から利を抜けば経済が縮小スパイラルに陥るのは子供でも判るお話しです。それが見えないバンカー達はは子供以下と言われてしまいかねません。銭勘定だけしていては井戸の中の蛙になってしまいます。国家運営を大きな高い観点から眺めれば、不況時には市場に資金を注入するのが良い金融政策と思われますが、小泉氏をかつて総裁と担いだ自民党にしてみれば、眼には鱗で現実を見る目を塞いでしまっていますネ。


知ってなのかそれとも結果としてそうなるのか、とにかく自己本位な金融に支配された経済は利を抜かれて空洞化し遂には荒廃してゆきます。イベリア半島からネーデルランドへ、そして産業の工業化で名を成したイギリスへ世界金融は移動してゆきました。二つの大きな世界戦争にも大きく関与しアメリカを世界の大帝國へと押し上げました。共和制なので帝は居ないのはずなのですが大帝國と呼び習わしていますね。この帝王は闇の帝王で陰謀論者達の方々は、ロスチャイルドとかロックフェラーとか言っていますがどうなのでしょう。通貨発行権を手中にするものが経済世界の『帝王』なのでしょうか。『自由経済』とは通貨発行権の国家権力からの自由のことで、世界金融の横暴を恣にする経済の中身を良く見せようとする、欺瞞のレッテルのことを言うのでしょう。


 

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