●方法俳句0146・自由律018・野村朱鱗洞・2013-10-31(木)
○「少し酔ひたれば秋の日あかるく」(野村朱鱗洞01)
季語(秋の日)
「自由律」の第18弾です。これは昼酒でしょうか。酔眼に秋の陽光がまぶしく感じられます。明るいうちから飲む酒は格別なおもむきがありますが、なにせ夜まで長い時間があります。ついつい深酒となってしまうことも(~_~;)。10月もついに最終日の酩酊。
○野村朱鱗洞(のむらしゅりんどう)(1893~1918)
代表句「遠山に雪みる日啼くか山鳩」02
季語(雪・冬)
愛媛県松山市生まれ。→河東碧梧桐の新俳句に傾向。東京で→荻原井泉水と出会い「層雲」に創刊号から参加。俳句結社「十六夜吟社」を結成、主宰となる。1916年に「層雲」松山支部を結成したが、スペイン風邪のため25歳の若さで死去。
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●五体俳句0101・手足01・久保田月鈴子01・2012-10-30
●五体俳句0101・手足01・久保田月鈴子01・2012-10-30「水木の実手足素直な夕暮に」(久保田月鈴子01)季語(水木の実・秋) 素直な手足とはどのような手足な...
○色彩俳句0146・●色05・文挾夫佐恵・2013-10-30(水)
○「常に高みを行く秋風の色の旗」(文挾夫佐恵01)
○季語(秋風)
【鑑賞】:秋風の色とはどのような色でしょうか。透明感のある色にはちがいありません。俳句では秋風を「色無き風」と表現します。空の高みを流れる旗とは目に見えない旗、すなわち秋風そのものにほかなりません。
○文挾夫佐恵(ふばさみふさえ)(1914~2014)
○好きな一句「木犀をみごもるまでに深く吸ふ」02
○季語(木犀・秋)
【Profile】:東京都生まれ。1934年、俳句入門。「雲母」を経て「→秋」に参加。1964年、第1句集「黄瀬」で第12回現代俳句協会賞受賞。1998年、→石原八束逝去により「秋」主宰。2006年主宰を引退、名誉主宰。第2回桂信子賞、第47回蛇笏賞受賞。
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文挟夫佐恵掲載句
03炎天の一片の紙人間の上に(炎天・夏)〈特集・言葉(紙)〉2015/6/5
●五体俳句0146・足裏03・尾崎放哉・2013-10-29(火)
○「足のうら洗へばしろくなる」(→尾崎放哉06)
季語(無季)
土に汚れた足の裏だったのでしょうか。清水で洗ってきれいな足の裏になりました。→種田山頭火の「→雨ふるふるさとははだしであるく」にもつながるような句です。同じ漂泊の詩人どうしですから。
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●次元俳句0101・接近(空間)01・脇祥一・2012-10-28
●次元俳句0101・接近(空間)01・脇祥一・2012-10-28「眼中の塔に近づく秋のくれ」(脇祥一01)季語(秋のくれ) 眼中の塔とはどのような塔であるかは明らかに...
●次元俳句0146・真中(空間)02・内田南草・2013-10-27(日)
○「いわし雲淋しがりやはまん中におく」(内田南草01)
季語(いわし雲・秋)
淋しがり屋は、いつもにぎやかな輪の中心においておきなさい。そうすれば安心できるでしょう。しかし、いつもそのようにできるとはかぎりません。寂しさに耐え忍ぶことも必要です。
○内田南草(うちだなんそう)(1906~2004)
代表句「どこから撃たれてもよい春の岬に」02
季語(春)
三重県熊野市生まれ。→長谷川零余子主宰の「枯野」に投句。萩原羅月を終生の師とする。1929年「唐檜葉(からひば)」創刊。家業の佃煮製造業継承。1939年「唐檜葉」を「多羅葉樹下」と改題。戦後、「口語俳句協会」結成。会長は→吉岡禅寺洞、副会長に市川一男とともに就任。
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●特集俳句0100・地名09=大和・原和子・2012-10-26
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