プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

◇天藤真「大誘拐」

2024年03月24日 | ◇読んだ本の感想。
突然「天藤真を読みたい」と思った。この人は読んだことはないけれども
著者名はなじみがあり、特に創元推理文庫のゆるいイラストで親近感を持っていた。

天藤真で有名なのは「大誘拐」でしょう。映画にもなったしね。ではまずこれを。
そしたら想像通りの面白さでしたよ。

これは思考実験をそのまま小説にした面白さがありますね。
ネタバレになるので控えますが、半ば過ぎくらいに、「あ、なるほど、これか」と思う
シーンがあって、そこまでは刀自の行動原理が全然わからなくって、それも面白かった。
このシチュエーションを八方丸く収まるように考えた作者がえらい。

読んでいてごくかすかにほころびを感じる場所がいくつかあったような気がするけど、
作者は後からでも細かくフォローしていていろいろ愛情を感じる。
けっこう面倒な作業だった気がします。

これは映像にしたいわ。
見たいな、と思った記憶があるが、結局見ていない1991年の映画「大誘拐」。
主演・北林谷栄、まあ共演というのか県警本部長役が緒形拳。
この二人は間違いないところだろう。

国二郎が神山繁というのも「おお」と思ったが、大作を岸部一徳がというのは
「うへえ」と思った。時代やなあ。現代だったら……斎藤工なんかはどうですかね?
ちょっとイケメンすぎますかね?

そもそも主演は誰がやれるかなあ。いかにもおばあちゃん、という大物女優が思いつかない。
いい役者だと思うのは大竹しのぶとか戸田恵子とかだけど、
人がいいおばあちゃんには見えない……。というか、2人ともまだ66歳!?
長く見てるからもっと上だと思っていたわ。

年齢的にはもう少し欲しい気はするが、宮崎美子とかだろうか。
ただ中心をピシリと締めるこの役にはちょっと説得力が足りないかも……
役者として北林谷栄と緒形拳を得られた映画は、幸いだったんだろうな。
見てみたい。テレビでたまにやってたりするんだろうか。


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