プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

< シン・ゴジラ >

2024年03月27日 | テレビで見た映画。
上映していた当時、かなり評価が高かった記憶がある。
見に行こうかと一瞬思ったが、特撮好きでもないし、ゴジラも見たことがないので
止めておいた。で、まあ今回テレビでやったので期待して見たんですけど。

ハードルを上げすぎたのかなあ。そこまで面白くはなかった。

最初でつまづいてしまったんですよね。主に2点。
なんだかわからない生物のキモチワルイ足が突然映像に映った時、
いくらオロカな政治家たちだってもうちょっと驚いたり心配したり動揺したりするでしょう。
政治家のオロカさを強調したい脚本はわかるが、あの反応では人間としてオカシイ鈍さだよね。
それはやりすぎ。ここで大いにリアリティを減じた。

もう一つは実に細かいところなんだけど、最初の方の一般人が動画を撮りながら逃げてる
ところで、人々の声の演技が実に……下手くそだったのよ。棒読み。
下手したらスタッフが動員されているんじゃないかと思うくらい棒読みだったからね。

以上2つの点でノレなかった。冒頭でノレないとなー。


第一段階の時のゴジラの造型のいい加減さはどうしたことかと思った。
目が死んだ魚の眼でしかないよね。なんであんな造型にしたんだろう。
キモカワを狙ってどうする。
特撮ファンはああいうところが嬉しいのかな。昔の特撮にノスタルジーを感じるとかで。

それにしても荒唐無稽な話だったですけどね。
有識者委員会とか、呼び集めて「ここから検討してください」から始まるのが普通だろうに、
出現から2時間で結論を出せとかどんだけ馬鹿なの。
首相に連絡もなくアメリカ軍が出動するなんてあり得ない。
アメリカ軍の万能感が過ぎる。これが普通の認識なの?アメリカ軍がそんなになんでも
出来ると思ってるの?

そんな都心で自衛隊……決定するまでそんなに素早く出来るわけない。
対象について何もわからずに原爆なんて使うわけない。
わたしは馬鹿馬鹿しいフィクションが嫌いだ。登場人物が馬鹿なフィクションは嫌いだ。


第一段階、第二段階で十分大きくてコワイと思ってしまったから、
実際にゴジラになった後の怖さが減じたなー。
むしろ最初はもう少し小さくて、被害も少なくて、という方が良かった気がする。

しかしこの映画って子供が見に来たりはしなかったのかね?
ああいう作りだと子供は全く楽しめなかったよね。そこら辺の事前周知は
大丈夫だったんだろうか。がっかりした親子連れが多かったりしたらと心配になる。

ゴジラという映画で大人向けに振り切った作りにしたのは目新しかったが、
有名俳優たちのこれでもかという登場とか、役職の(テロップの)多用、
早口の台詞まわしは、小手先の面白さを追っているようで釈然としなかったなあ。
ストーリーがない、とは言わんけれども浅い。シンプルはありだけどこれは浅いと感じた。

ゴジラは、あれで良かったのか?かっこよかった?
実際映っていた時間は本当に短かった。ゴジラファンの人たちはこれで満足したのだろうか。
最初の死んだ魚の眼のツチノコのイメージが残って、かっこよくは思えなかった。

この映画はコロナ禍前の製作。コロナを経た今見ると、また別の感慨がある。
まさに「ゴジラ」を我々は体験した。


後半は飽きたし。あんなに字幕が重要な映画なのに、
背景が白いところに白の字幕を被せたりして読めなかったりするのよねー。

でもまあ総じて。
腹が立つほどではなかったけどね。(書いているうちに腹が立ってきたけど)
ながら見で見て文句ない程度。
ただがっかりはした。もう少しいいものを見たかった。
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