地味ログ東洋硬化.うろつき雑記

寒い時も暑い時も、寒い場所も暑い場所も、処かまわず神出鬼没な東洋硬化の表面処理を、ポップに語ります。

系外惑星、ついに直接撮像に成功か

2008年09月18日 07時57分51秒 | 大気圏外ネタ


この太陽系以外の恒星系に所属する惑星を「系外惑星」と言いますが、昨日、
ホットな系外惑星ニュースが入ってきました。

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恒星のそばに小さな点 初めて写った系外惑星か

【2008年9月17日 Gemini Observatory】

ハワイのジェミニ北望遠鏡が太陽と似た恒星を撮影したところ、すぐ近くに
惑星状の天体が写っていた。この天体が恒星のまわりを回っていることが確
認されれば、人類が初めて直接撮影した系外惑星の画像ということになる。

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(恒星1RXS J160929.1-210524と、惑星候補天体(左上)>3種類の近赤外線で
撮影されたデータを重ね合わせた疑似色画像)

これまでに300個を超える系外惑星が見つかっているが、どれも惑星の影響
で中心の恒星の光などが変化する間接的証拠によるものだ。本当の意味で惑
星を「見つけた」と言える例はまだない。惑星と呼べる質量を持つ天体の姿
が撮影されたことはあったが、それは単独で浮遊していたり、褐色矮星(持
続的に輝くことができない小さくて暗い天体)のまわりを回っていた。恒星
のまわりを回る正真正銘の「太陽系外惑星」の姿は、誰もとらえたことがない。

念願の系外惑星直接観測第1号となりそうな天体が、さそり座の方向約500光
年の距離にある。そこには質量が太陽の約85%の恒星1RXS J160929.1-210524
が輝いているが、カナダの研究チームがジェミニ北望遠鏡で撮影したところ、
画像のとおり、別の小さな天体が写っていたのだ。この天体の質量は木星の
8倍で、明らかに惑星と呼べる範囲内にある。

研究チームは系外惑星の姿をとらえるべく、生まれたばかりの恒星を狙って
撮影していた。形成から間もなければ、惑星は冷え切っておらず近赤外線で
強く輝いていると考えられるからだ。惑星候補天体の表面温度は摂氏1,500度。
さらに、恒星からの距離が地球-太陽間の330倍もあったおかげで、天体の姿
を恒星からはっきりと分離してとらえることができた。

しかしながら天体が恒星から離れすぎているせいで、はっきりと「惑星」と
断定することもできない。天体がたまたま近くを通っていたのではなく、恒
星の重力の影響を受けて回っていることを証明するには、今後数年間観測を
続ける必要がある。

天体が惑星だと確認されれば、系外惑星の研究者にとっては「初めての直接観
測」という記録以上に重要な意味を持つ。かつては恒星のすぐ近くを回る大質
量の惑星しか知られていなかったのに対して、近年では軌道も質量もさまざま
な惑星が発見されるようになった。その中にあっても、1RXS J160929.1-210524
から惑星候補天体までの距離は異常と言えるほど遠く、系外惑星の多様性が
ぐっと広がることになる。惑星の誕生プロセスを考える上で、欠かせない研究
対象となるかもしれない。

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系外惑星の直接撮影が「地上から」なされたというのはまた驚きです。来春
NASAが打上げる「ケプラー」ミッション、いやいや、2014年打上げ予定の
TPF(Terrestrial Planet Finder )を待たねばならないだろう、と思っていまし
たので。

現状の機材をそれなりに改良することで、とんでもない領域にまで観測精度
を向上させることが出来うるものなんだ、と改めて「必要は発明の母」である
事実を思い知らされました。

必要、というよりは、知りたいっ!との知的好奇心っつーか、平たく言うと
ある種の野次馬力(ヤジウマリョク)とでもいう方が正しいか..

太陽の85%の質量を持つ年若い恒星のまわりを、330天文単位の距離を置
いて周回する、表面温度1500℃木星の8倍質量の惑星、とはまたかなり怪物的
ではあります。

系外惑星をドップラー遷移法にて発見しようとする際、遠軌道をとる系外惑星
を発見することは精度的にも観測タイム的にも激しく難易度高くなるものなの
ですが、直接撮像法ならばかえって難易度低下するのは自明の理。

観測機材類の改良が今後さらに進捗してくることが推測され、系外惑星発見法
のメーンストリームは、早晩、直接撮像法になるだろうと思われます。



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