地味ログ東洋硬化.うろつき雑記

寒い時も暑い時も、寒い場所も暑い場所も、処かまわず神出鬼没な東洋硬化の表面処理を、ポップに語ります。

ついに地球よりちいちゃいヤツを

2011年12月22日 00時08分28秒 | 大気圏外ネタ

これまでに、岩石質かつハビタブル・ゾーン(生命生存可能領域)に公転軌道を持
つことが間違いなかろうと認められた惑星はわずかに3つ。うち、「グリーゼ581d」と
「HD 85512 b」はそれぞれ太陽よりもはるかに小型のM型恒星を主星としています。
今月5日に存在が発表されたばかりの「ケプラー22b」のサイズは地球の2.4倍。太
陽に似たG型星の周囲を290日間で公転しています。

今回NASAが、サイズが地球並み及び金星並みの「史上最小の太陽系外惑星」を
発見したと発表しました。これは従来のレコードをはるかに更新するもの。

ま、この記録自体すぐに更新されるとは思います。続々と系外惑星報道がなされる
中、どんなに長くても数ヶ月の寿命だろうと..

----------------------------------------------------------------

地球サイズの系外惑星2個を初めて発見

ウォール・ストリート・ジャーナル 日本版 2011年 12月 21日 10:31 JST

天文物理学者のグループが20日、地球から遠く離れた恒星の周りを公転する地球
サイズの惑星2つを発見したと英科学誌ネイチャー誌上で発表した。この2つの惑星
は、これまで発見された太陽系外惑星の中で最も小さく、最も重要だという。

この2惑星の公転軌道は、水星と太陽の距離よりも恒星から近い。また地球上のよ
うな生命が存在するには高温過ぎるほか、水や通常の大気が存在しない可能性も
ある。しかし、専門家たちはこの発見について、6億ドル(約470億円)投じて宇宙に
打ち上げられた米航空宇宙局(NASA)のケプラー宇宙望遠鏡が他の惑星系にあ
る小さな地球サイズの惑星を察知できることを示す証拠であり、長い間待ちわびて
いたものだと指摘している。

「ケプラー20e」「ケプラー20f」と命名された2つの惑星は、地球から遠く離れた恒星
「ケプラー20」を公転しており、2惑星よりも大きくて公転速度も速い他の3つの惑星
もこの恒星の周りを公転している。NASAのスーパーコンピューターの計算結果に
よると、「20e」の大きさは地球の約5分の4、つまり金星より少し小さい程度で、
「20f」の大きさは地球とほぼ同程度だという。 

研究チームを率いた米ハーバード・スミソニアン天体物理学センターの天文学者フ
ランソワ・フレシン氏は、「これらの惑星の大きさは、これまで知られている宇宙の中
で地球の大きさに最も近い」と述べた。同氏は「人類が太陽以外の恒星を公転する
地球のような惑星、ないし地球サイズの惑星を発見できたのは、今回が初めてだ」
と語った。

それでも、2惑星の質量や組成を確認できるデータはまだほとんどない。2惑星のう
ち大きい方である20fは、恒星から非常に近い軌道を公転しているため、1年が19.5
日だ。また、小さい方の20eはたったの6.1日だ。 

NASAは2週間前に、これよりずっと大きな惑星が恒星のいわゆる「ハビタブルゾー
ン(生命居住可能領域=恒星の周囲で、惑星に水が液体で存在でき、生命を維持
できる可能性が高い領域)」を周回していることを初めて確認したと発表したばかり。
科学者らは、居住できる可能性のある少なくとも10の惑星についてケプラー宇宙望
遠鏡を使って調査しており、その状態や性質についてより多くの情報を集めようと
努力している。

現在、恒星との距離からみて理論的に生命居住可能とみられる惑星が5億あると
みられている。だが実際に居住可能かどうかはわかっていない。ようやく今回、地
球のような重力と組成の惑星を見つけることができた。

ネーチャーに論文を発表した研究チームに所属する36人の科学者の1人でマサ
チューセッツ工科大学の惑星物理学者セーラ・シーガー氏は、「われわれが発見す
る惑星の大きさは日に日に小さくなっており、居住可能な世界の発見に一歩一歩
近づいている」と語った。


----------------------------------------------------------------

地球より小さい系外惑星を初めて発見 1000光年かなたのケプラー20

Astro Arts 【2011年12月21日 NASA/CfA】

地球以下のサイズの系外惑星が、探査衛星「ケプラー」の観測から初めて見つかっ
た。同じ恒星を回る2つの惑星で、生命に適した「ハビタブルゾーン」よりも内側に位
置する。今月初めには「ハビタブルゾーンにある、地球の2~3倍の惑星」の発見が
公表されており、「ハビタブルゾーン、かつ地球サイズ」の系外惑星が見つかる日
が近いことを予感させている。

NASAの系外惑星探査衛星「ケプラー」が、地球サイズの惑星を初めて発見した。
こと座の方向1000光年かなたの「ケプラー20」を回るこの2つの惑星は主星の近くに
あるため、液体の水が地表に存在するには高温すぎる。だがそのサイズは、ケプ
ラー10b(地球の1.42倍)の記録を抜いて、これまで確認された中で最小のものだ。

それぞれ「ケプラー20e」「ケプラー20f」と名付けられたこれらの惑星は、岩石ででき
ていると見られる。「e」は直径が地球の0.87倍(金星よりやや小さめ)、「f」は地球
の1.03倍だ。「e」の公転周期は6.1日、「f」は19.6日と短く、主星に近いため非常に
高温の環境と見られる。推定される地表温度は「e」は摂氏750度、「f」は400度以上
だ。

「『ケプラー』ミッションの最終目的はハビタブルゾーンにある地球サイズの惑星の
発見です」そう語るのは今回の発表を行ったFrancois Fressin氏(米ハーバード・
スミソニアン天文物理学センター)だ。「今回の発見で、地球サイズの系外惑星が
存在し、またそれを発見することが可能であることが示されたのです」

「ケプラー20」系ではこれまで、海王星より小さく地球より大きい3つの惑星があるこ
とがわかっていた。今回見つかった2つも含めた5つの惑星すべては、太陽~水星
の距離よりも主星に近い。ケプラー20は太陽と同じスペクトルタイプ「G」だが、やや
小さく低温だ。

        ケプラー20系の惑星
惑星(主星から近い順)---b-----e-----c-----f-----d
公転周期(地球日)------3.67--6.1--10.9--19.6--77.6
サイズ(地球=1)----------1.9---0.87---3---1.03---2.8
推定タイプ-----------------ガス-岩石-ガス-岩石-ガス

5つの惑星は不思議な並び方をしており、系外惑星や惑星系の多様性を知るうえで
とても興味深い。太陽系では、地球、火星など小ぶりの岩石惑星が内側、木星や
土星など大型のガス惑星はその外側に位置している。だが、ケプラー20系では、
大、小、大、小と交互に位置しているのだ。

このようになった経緯について確実なことはわかっていないが、主星の周囲に広
がっているガスとちりの円盤から作られた惑星が、空間に残った物質の物理的な
作用により外側から内側に移動したのではと考えられる。これなら、サイズはばら
ばらでも規則正しい間隔で位置していることが説明できる。

「ケプラー」ミッションでは、地球から見て惑星が恒星の手前を横切る時に恒星がわ
ずかに減光する現象から惑星の存在を感知するという手法で、15万個もの星を対
象に探査を行っている。同一の天体で少なくとも3周期分の減光を観測してから「惑
星の存在の可能性あり」と判定され、赤外線天文衛星「スピッツァー」や地上望遠
鏡による確認観測が行われる。

12月5日には、ハビタブルゾーンに位置する「ケプラー22b」の確認が公表されたが、
これは岩石惑星というには大きすぎる。一方、今回の「ケプラー20e」と「ケプラー20f」
は地球サイズではあるが、ハビタブルゾーンからは外れている。

「ハビタブルゾーン、かつ地球サイズの惑星が見つかるのは時間の問題です。ケプ
ラーミッションがまさに目指すゴールが、今そこに見えているのです」(「ケプラー」サ
イエンスチームのNatalie Batalha氏)


----------------------------------------------------------------

それにしても、短い公転周期でゴチャゴチャと狭苦しく周っているもの。我が太陽系
とは全く異相を呈しています。

それに今回発表された2つ、公転周期があまりにも短すぎ。

ちなみに、わかっている範囲のデータを付け加えると、

惑星(主星から近い順)---b-----e-----c-----f-----d
軌道偏心---------------<0.32-不明-<0.4-不明-<0.6

と、いうことで、いずれもかなり長楕円の公転軌道を持っている模様。隣の惑星と
重力的に不安定な関係となる可能性がありそうで、現在の秩序は天文学的タイム
スケールで考えた場合、そう長くは維持出来ますまい。

このケプラー22系の5つの惑星よりも外側には大きめの惑星があるのか引き続き
発表が待たれる処ですが、報道にもあるように、他の恒星系でのハビタブルゾーン
内地球サイズ惑星の発見発表が待ち遠しく思います。


ケプラー望遠鏡が発見し、系外惑星であることがまだ完全には確認されていない
「惑星候補」は12月21日現在、2326個にのぼっています。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿