敏翁のシルバー談義

敏翁の興味のスパンは広いのですが、最近は健康談義から大型TVを含むITと「カラオケ」「珈琲」にシフトしています。

呼吸商、Zuntz-Schumburg-Luskの表と有酸素運動

2005-02-25 10:37:38 | 健康
 呼吸における炭酸ガスの排出量と酸素摂取量の比を呼吸商(Respiratory quotient)と呼ぶ。*
この値は、エネルギー消費がすべて脂肪の燃焼による場合に0.707となり、すべてが糖質の
燃焼による場合は1.0となる。
 これから、呼吸商の値を測定する事により、有酸素運動の程度を知る事が出来る。
 呼吸商(RQ)とエネルギー消費量中脂肪燃焼による%(FAT)の関係、及び
呼吸商と酸素1リットルに対する熱量(Q kcal)の関係
を示したものを
Zuntz-Schumburg-Luskの表と呼び、栄養学の教科書には必ず載っているものである。**
 Q vs RQ の関係はリニアで
  Q = 3.815 + 1.232xRQ         ・・・・(1)
で与えられるが、FAT vs RQ の関係は簡単でない。
 しかし、代謝の計算をプログラム化する為にはこの関係を数式化した方がすっきりする
(表をそのまま使って内挿法でデータ処理をする方法もあるがスマートではない)ので、
それを行ってみた。
 RQ = 0.707 の場合は、Q = 4.686kcal, FAT = 100 %
RQ = 1.0 の場合は、Q = 5.047kcal, FAT = 0 %
であるから(途中の計算省略)、FAT vs RQの関係として次式を得る。
  ξ=(1.0 - RQ)/0.293     ・・・・(2a)
FAT = 468.6xξ/(5.047 - 0.361xξ) ・・・・(2b)

お暇の方は、頭の体操として式の誘導を試みて下さい。

FATが50% 以上を有酸素運動としているらしい。
そのRQを(2a)(2b)より求めると RQ≦0.847≒0.85となり、
一般には、RQ≦0.85を有酸素運動としているようである。

時々注意しているとTVの運動器具のコマーシャルなどに現れる事もあります。


*:学者によっては、「呼吸交換比」と呼んでいる。
 石河利寛『健康・体力のための運動生理学』杏林書院 2000年4月発行
**:例えば、奥恒行 柴田克巳編「基礎栄養学」 南江堂 2004年5月発行