前回お話した経緯によって、第81回アカデミー賞主要6部門受賞作品で残っていた
「ミルク」と「愛を読むひと」をやっと見る事が出来ました。
「愛を読むひと」も極めて重いテーマ(アルシュビッツにおけるホロコーストの責任問題)を
扱っている作品で一言触れたい作品ですが、今回は正しくアメリカそのものを描いた「ミルク」
についてお話する事にします。
本作品は、第81回アカデミー賞では作品賞を含む8部門にノミネートされ、主演男優賞と脚本賞
を受賞したもので、自らゲイであることを公表した活動家ハーヴィー・ミルクの生涯を描いた
伝記映画です。
『実際のハーヴェイ・バーナード・ミルク(Harvey Bernard Milk, 1930年5月22日 - 1978年11月27日)
は、アメリカの政治家、ゲイの権利活動家で、
1977年、カリフォルニア州サンフランシスコ市の市会議員に当選し、同国で初めて、自らゲイ
であることを明らかにして、選挙で選ばれた公職者となる。
しかし、議員就任1年も経たない1978年11月27日、同僚議員のダン・ホワイトにより、
ジョージ・マスコーニ市長とともに同市庁舎内で射殺された。
この事件の裁判で、ホワイトはわずか7年の禁固刑を宣告され、この評決に激怒した同性愛者
らが、サンフランシスコで広範囲にわたる暴動を起こした。
1999年には「タイム誌が選ぶ20世紀の100人の英雄」に選出されている。
・・・・
そして、ハーヴェイ・ミルクはゲイコミュニティーとゲイの権利運動の殉教者であると
広く見なされている。ハーヴェイ・ミルク研究所や、サンフランシスコのハーヴェイ・ミルク・
レスビアン、ゲイ、両性愛者及びトランスジェンダー民主クラブのように、多くのゲイおよび
レスビアンの共同体協会がミルクの名にちなんで命名された。
また、ニューヨーク市のハーヴェイ・ミルク高等学校を始め、合衆国の多くの
オルタナティブスクールにもその名にちなんだ学校がある。
・・・・
ミルクは以前から暗殺の危険を察知しており、その場合に再生されるようにいくつかの
音声テープを録音していた。それらのテープの1つには「もし一発の銃弾が私の脳に達するような
ことがあれば、その銃弾はすべてのクローゼットの扉を破壊するだろう」
(= もし私が暗殺されるようなことがあれば、それはこれまで隠れていたすべてのゲイの者
たちをカミングアウトさせることにつながるだろう)という、
有名な彼の文が含まれている。』(ウィキペディア)
映画は、この録音シーンから始まっています。
アメリカと言ういわば人工の国は、こうした人々、例えば公民権運動の突破口を開いた
マルチン・ルーサー・キング牧師、ケネディ大統領や本ハーヴェイ・ミルクなどによって
「人間すべてが平等」、「マイノリティ、弱者の権利の確保」の方向に突き進んでいるよう
に見えます。
その先駆者たちは、リンカーン大統領の昔から殆ど総てが暗殺されていて、反対の力も極めて
大きく、それだけ突き進む力も極端にならざるを得ないと思うのです。
主演男優賞を取ったショーン・ジャスティン・ペン(Sean Justin Penn、1960年8月17日 - )
は、2003年公開のクリント・イーストウッド監督作品「ミスティック・リバー」
でもアカデミー主演男優賞を受賞していて、それら過去出演作品の印象では何かヤクザっぽい
暴力的な雰囲気を漂わせる人物描写に優れている俳優と認識していましたが、
(ショーン・ペン本人も、相当激しい性格のようで、離婚を繰り返すのはハリウッドでは
当たり前でしょうが、『1987年には飲酒運転と暴行で逮捕、6ヶ月の実刑を受けていて、
また過激な抗議活動で知られる反捕鯨団体シーシェパードを支援している人物』〔ウィキペディア〕
でもあります)本作品で、ゲイの仕種などの表現、実物を知らないのでさもあろうかと思うだけですが、
に新境地を開拓、第81回アカデミー賞で主演男優賞を取ったのには、コンペティターは「レスラー」の
ミッキー・ロークなど、まったく異存は有りません。
本作品は男性同士のセックス場面など、見るのにアレルギーを感ずる場面も多々ありますが、
アメリカの本質を知るには、本ブログで前にも触れた事があるキング牧師を描いた
「ボイコット/キング牧師の闘い(2001)」などと共に私は必見の作品だと思います。
「ミルク」と「愛を読むひと」をやっと見る事が出来ました。
「愛を読むひと」も極めて重いテーマ(アルシュビッツにおけるホロコーストの責任問題)を
扱っている作品で一言触れたい作品ですが、今回は正しくアメリカそのものを描いた「ミルク」
についてお話する事にします。
本作品は、第81回アカデミー賞では作品賞を含む8部門にノミネートされ、主演男優賞と脚本賞
を受賞したもので、自らゲイであることを公表した活動家ハーヴィー・ミルクの生涯を描いた
伝記映画です。
『実際のハーヴェイ・バーナード・ミルク(Harvey Bernard Milk, 1930年5月22日 - 1978年11月27日)
は、アメリカの政治家、ゲイの権利活動家で、
1977年、カリフォルニア州サンフランシスコ市の市会議員に当選し、同国で初めて、自らゲイ
であることを明らかにして、選挙で選ばれた公職者となる。
しかし、議員就任1年も経たない1978年11月27日、同僚議員のダン・ホワイトにより、
ジョージ・マスコーニ市長とともに同市庁舎内で射殺された。
この事件の裁判で、ホワイトはわずか7年の禁固刑を宣告され、この評決に激怒した同性愛者
らが、サンフランシスコで広範囲にわたる暴動を起こした。
1999年には「タイム誌が選ぶ20世紀の100人の英雄」に選出されている。
・・・・
そして、ハーヴェイ・ミルクはゲイコミュニティーとゲイの権利運動の殉教者であると
広く見なされている。ハーヴェイ・ミルク研究所や、サンフランシスコのハーヴェイ・ミルク・
レスビアン、ゲイ、両性愛者及びトランスジェンダー民主クラブのように、多くのゲイおよび
レスビアンの共同体協会がミルクの名にちなんで命名された。
また、ニューヨーク市のハーヴェイ・ミルク高等学校を始め、合衆国の多くの
オルタナティブスクールにもその名にちなんだ学校がある。
・・・・
ミルクは以前から暗殺の危険を察知しており、その場合に再生されるようにいくつかの
音声テープを録音していた。それらのテープの1つには「もし一発の銃弾が私の脳に達するような
ことがあれば、その銃弾はすべてのクローゼットの扉を破壊するだろう」
(= もし私が暗殺されるようなことがあれば、それはこれまで隠れていたすべてのゲイの者
たちをカミングアウトさせることにつながるだろう)という、
有名な彼の文が含まれている。』(ウィキペディア)
映画は、この録音シーンから始まっています。
アメリカと言ういわば人工の国は、こうした人々、例えば公民権運動の突破口を開いた
マルチン・ルーサー・キング牧師、ケネディ大統領や本ハーヴェイ・ミルクなどによって
「人間すべてが平等」、「マイノリティ、弱者の権利の確保」の方向に突き進んでいるよう
に見えます。
その先駆者たちは、リンカーン大統領の昔から殆ど総てが暗殺されていて、反対の力も極めて
大きく、それだけ突き進む力も極端にならざるを得ないと思うのです。
主演男優賞を取ったショーン・ジャスティン・ペン(Sean Justin Penn、1960年8月17日 - )
は、2003年公開のクリント・イーストウッド監督作品「ミスティック・リバー」
でもアカデミー主演男優賞を受賞していて、それら過去出演作品の印象では何かヤクザっぽい
暴力的な雰囲気を漂わせる人物描写に優れている俳優と認識していましたが、
(ショーン・ペン本人も、相当激しい性格のようで、離婚を繰り返すのはハリウッドでは
当たり前でしょうが、『1987年には飲酒運転と暴行で逮捕、6ヶ月の実刑を受けていて、
また過激な抗議活動で知られる反捕鯨団体シーシェパードを支援している人物』〔ウィキペディア〕
でもあります)本作品で、ゲイの仕種などの表現、実物を知らないのでさもあろうかと思うだけですが、
に新境地を開拓、第81回アカデミー賞で主演男優賞を取ったのには、コンペティターは「レスラー」の
ミッキー・ロークなど、まったく異存は有りません。
本作品は男性同士のセックス場面など、見るのにアレルギーを感ずる場面も多々ありますが、
アメリカの本質を知るには、本ブログで前にも触れた事があるキング牧師を描いた
「ボイコット/キング牧師の闘い(2001)」などと共に私は必見の作品だと思います。