にゃんこな日々

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【映画】『最強のふたり』

2012年09月19日 | MOVIE
『最強のふたり』Intouchables(2011年/仏)
監督・脚本:エリック・トレダノ。オリヴィエ・ナカシュ。
出演:フランソワ・クリュゼ。オマール・シー。オドレイ・フルーロ。アンヌ・ル・ニ。

パラグライダーの事故で頚椎損傷となり、首から下の感覚がなく体を動かすことが出来ない富豪のフィリップの家で介護人の面接が行われていた。誰もがきっちりと面接を受けている中、一人異彩を放つ黒人青年のドリス。順番を飛ばしさっさと不合格にしてそのサインを失業保険受給のための書類にしてくれと言う。介護など全く経験がないであろうドリスをなぜかフィリップは雇うことにするが・・・。

あまりにも評判がいいので、早く観に行かなければ!と焦ってしまった映画です。確かにいい。しかもこれは実話を元にしているとか。そうですよね、実話じゃなきゃ、この物語は思いつかない。だって介護者は真面目で親切じゃなきゃいけないというのが世間一般で、いくら気難しく今ある生を達観してしまっているようなフィリップを明るく生に対して前向きにするなんて話であっても、きっと「あり得ない!」って即座に却下されると思いますもん。でも実話なんです。あり得るんです。と安心して見られる。
介護の経験もなく、しかも前科もあるというドリスをなぜ雇ったんだとフィリップに尋ねる友人に、フィリップは彼は自分に同情しないと答えるセリフに胸が締め付けられた。そうなんですよ、どうしても同情してしまうんですよ。憐憫ほど人の心を傷つける感情ってないだろうなと思う。ところがドリスにはそんな感情は全くない。なんせ熱湯をかけても熱さを感じないフィリップの足で遊んでしまうくらいですからねぇ。ただ教育がないだけ?いや、貧困層で育って前科があったりするものの、ドリスはちゃんと人を人としてあるべき姿で見ることが出来る人なんだと思う。もう一つ私の心に痛かったシーンが、フィリップを車イス用のワゴンに乗せるシーンでドリスは荷物みたいに出来ないといい、シートのかかったマセラティをみつける。そんな発想はなかったなぁ。確かにそうですよね。乗り降りが楽だから車イス用の車がある。これって車イスの人が楽だから?乗せる介助者が楽だから?いや、何も車イス用の車は荷物みたいだからダメだ!って言うんじゃないんですよ。そういうことにすら気づいていなかった自分が情けなかった。ドリスにとってフィリップは車イスに座っているけれど、車イスとセットではないんですよね。なんか自分のダメさ加減をいろいろと気付かされた作品でした。
ホントに笑って泣いて、いい作品でした。なんでもハリウッドでリメイクが決まってるとか・・・うーん。どうなんだろ?いいじゃないこのオリジナルのフランス映画で!と思ってしまう。ハリウッドもホントにネタないんだねぇ。

-2012.9.19 TOHOシネマズ鳳-


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