にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

『メアリー&マックス』

2011年06月15日 | MOVIE
『メアリー&マックス』MARY & MAX(2008年/オーストラリア)
監督・脚本:アダム・エリオット。
声の出演:トニ・コレット。フィリップ・シーモア・ホフマン。

額にある痣にコンプレックスを持ち、引っ込み思案で学校でも一人ぼっちの少女メアリー。彼女はシェリー酒好きで万引き癖がある母親と死んだ鳥の剥製作りが趣味の父親とオーストラリアで暮らしていた。「友達が欲しい」その思いで彼女がひらめいたのはアメリカに住む誰かさんに手紙を送ること。早速電話帳で選んだのは少し変わった名前のマックス・ホロウィッツさん。ある日アメリカに住む社会になじめず人付き合いも苦手とする肥満体の中年男マックスの元に予想もしなかった少女からの手紙が届く。そして孤独な二人の20年に渡る文通が始まる。

予告を見て妙に気になって、ネット上での評判も無茶苦茶いい。これはさっさと観に行かなければと映画館に急ぐ。
年齢も性別も住んでいる環境も全く違う二人が互いに抱えた孤独というものだけを共通にして繋がっていく。子供らしい質問、生活の話をマックスに伝えるメアリー。そのメアリーの言葉に時にはパニックを起こしながらも真摯に考えきっちり応えようとするマックス。二人の関係がすごくいい。しかしメアリーの行動がマックスとの決裂を生む。マックスのためにと思った行動だったが、それはコンプレックスを克服して有頂天になったメアリーの独りよがりでしかなかった。とんでもない間違いを犯してしまったと悲嘆に暮れるメアリー。彼女の描写に胸が痛くなる。メアリーと決別して、心に隙間を感じながらも日々変わることなく生活するマックスはある日気付く。そしてメアリーを許すという手紙を大事にしていたフィギュアと一緒に送る。「欠点は選べないけど友達は選べる。」マックスは自分の間違いにも気づき再度メアリーと友達として選ぶ。マックスの手紙にも泣けるのですが、ここでこの荷物に気付かなかったメアリーに届けるのが広場恐怖症で外に出られないお向かいさんというのに胸が熱くなった。誰もみな完全ではない。不完全だからこそ補いあい、慈しみあうのかもしれない。そして決して一人ではない。ラストの天井一面に張りめぐらされた手紙。スクリーンがにじんで見えて仕方なかったよ。

-2011.6.4 シネ・リーブル梅田-


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4 Comments

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報告とお礼です。 (間借り人ヤマ)
2011-10-30 22:22:47
とめさ~ん、こんにちは。

本日付の拙サイトの更新で、こちらのブログを
いつもの直リンクに拝借したので、
報告とお礼に参上しました。

「荷物に気付かなかったメアリーに届けるのが広場恐怖症で外に出られないお向かいさんというのに胸が熱くなった。誰もみな完全ではない。不完全だからこそ補いあい、慈しみあうのかもしれない。そして決して一人ではない。」
ここんとこ、よかったですよねー。
こういうことを実感として感じ取れるようになるのは
それなりの人生体験が要るような気がしますが、
我々もそういう年齢なのかもしれませんな(笑)。

どうもありがとうございました。
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Unknown (とめ)
2011-10-31 21:04:53
ヤマさーん。
未だに子供じみた言動、行動をしているわたくしですが、確かにこういうとこに気づけるって言うのは年取ったんだな・・・とは思います。(^-^;
なんせ人間好きだった言えるようになりましたからねぇ(笑)。
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そりゃ、エラい!(笑) (間借り人ヤマ)
2011-11-01 06:56:22
僕はまだまだ年季が足らないせいか、
人間好きの境地に未だ到らず、人間キラいです(笑)。

でも、イチバン面白いのが人間ってのはあって、
興味はつきません。
その最たるものが自分自身ですねぇ(笑)。

人一倍、自己愛強いくせに、妙に好きになれないというか
実に厄介な奴ですわ(たは)。
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達観です(笑)。 (とめ)
2011-11-02 08:58:40
ヤマさーん。
若い頃はそれこそ、人間なんて嫌いだなんて公言してたりしたんですが、年齢と共に嫌いではなくなりましたね。誰かと話しすることが嫌ではない=嫌いじゃないんじゃないのかなって気がしてます。誰とも話さず一人部屋にこもってるのって好きじゃないですしね(笑)。
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