【映画】『レ・ミゼラブル』

『レ・ミゼラブル』LES MISERABLES（2012年／米）
監督：トム・フーパー。
出演：ヒュー・ジャックマン。ラッセル・クロウ。アン・ハサウェイ。アマンダ・セイフライド。

1815年。ジャン・バルジャンはたった一つのパンを盗んだことで19年間投獄され、やっと仮釈放されたものの元囚人の彼には食べるものすら手にいれることは出来なかった。そんな彼に手を差し伸べた司教。だが彼は再び盗みを働く。しかしその司教は彼の罪を見逃し赦す。司教の慈悲により生まれ変わることを決意したジャン・バルジャンは名を変え、成功を収めるが・・・。

言わずと知れたヴィクトル・ユーゴーの名作「ああ無情」。でも今は「レ・ミゼラブル」「レミゼ」と言った方が通じるのかもしれない。私はミュージカル版のこの作品を観るのはこの映画が初めてなんですよね。ミュージカルではないバージョンではジェラール・ドパルデューのジャン・バルジャン。マルコヴィッチのジャベールというテレビドラマ版。そしてリーアム・ニーソンのジャン・バルジャンの映画版を見ているんですが別物ですな。(^-^;　なんかミュージカル版の方が物語が壮大だ。
しかしこの映画はすごい。セリフがない。ある意味驚きました。完全なミュージカル。舞台版を見たことがある人によるとほぼ舞台を完璧に映像化しているそうです。でもこの映画を観終わって思ったことは・・・舞台が見たい！ってこと。この映画は映画ですごいんですが、ここまで心に響く楽曲の数々。ぜひとも生で体感したい！
それにしても出演者もすごいなぁ。ヒュー・ジャックマンの歌のうまさは知っていたので納得のキャスティングだったんですが、一番驚いたのがラッセル・クロウ。まさか彼がここまでうまいとは思いませんでしたよ。アン・ハサウェイ、アマンダ・セイフライトもあっさり歌っちゃってるんですからねぇ。ハリウッドの俳優たちはすごいです。日本の俳優もたまに誰々がミュージカル初出演！なんてやってますが、正直ミュージカルの俳優さんに任せて出てきなさんなよ。というのが本音です。
そうそう司教役の人、どっかで見たことあるよなぁって思ってたらコルム・ウィルキンソンなんですね。「オペラ座の怪人　25thロンドン公演」で歴代ファントムの一人として出てきてて、調べてみると「レ・ミゼラブル」の初演のジャン・バルジャンもこの人だったんですね。粋なキャスティングです。
そしてやはり彼の歌は圧巻です。
もう名シーンがいっぱい。とんでもない父ちゃんと母ちゃんなのに、なんて君は素敵なんだエポニーヌ。銃弾を受けながらも一歩も怯まない少年ガヴローシュ。そして彼の死体の胸に自分の勲章をそっと置くジャベール。
そうそう・・・ジャン・バルジャンが最初にジャベールに追い詰められて川に飛び込むシーン。あれって『逃亡者』と一緒ですよね。『逃亡者』はこの『レ・ミゼラブル』のジャン・バルジャンとジャベールを意識しているらしいから、あのシーンって案外このシーンに重ねあわされているのかもしれない。
ただ馬車の下敷きになった人を助けるジャン・バルジャンを見て「ウルヴァリン！」と心で叫んだことは秘密です（笑）。

ちょうど来年「レミゼ」の舞台が新演出で復活するらしい。大阪はフェスティバルホールの杮落としがこの作品なんだそうで、来年の9月だとか・・・。これは絶対にチケットとるぞ。

-2012.12.29　MOVIX堺-