本を読もう!!VIVA読書!

【絵本から専門書まで】 塾講師が、生徒やご父母におすすめする書籍のご紹介です。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

『男の子の脳、女の子の脳』 レナード・サックス (谷川漣 訳)

2006年08月16日 | 教育関連書籍
  

数年前、上智大学の英語入試問題で、 『男女は本質的に学習の仕方が違うのだから、男女を一緒に教えるときは、それを考慮して、指導方法を工夫しなければならない』 という趣旨の長文が出題されました。

私も “うちの塾 は個別指導だけど、確かにな~” と強く印象に残りました。

一方、学校教育におけるジェンダーフリー教育は、是正されつつありますが、それでも、“男らしく”、“女らしく” というのは、依然としてタブーに近いのではないでしょうか。

「男の子だけでサッカーをしたり、女の子だけで縄跳びをしたりしているのはよくない。男女が混ざってやっているとよい」 これは神奈川県の男女共同参画室の提案。

「家事、育児、介護などに対して経済的評価(=カネ)を与える家族をつくろう」 これは水戸市の条例。

「男女混合名簿というのは、男が先で良くないから、女男混合名簿と書いて、ヒト名簿と読む」 
これは日教組だと言われていますが、ちょっと信じられませんね。

おじいさん(男)が山へ柴刈りに(仕事)、おばあさん(女)が川へ洗濯に(家事)といった昔話は、性別役割意識を刷り込んでしまうので、読ませてはいけないという主張を大真面目にしている連中もいます。


実際、男女混合名簿は公立小学校や全日制高校では8割くらいが実施していますし、男子も女子も「さん」付けで呼ぶ学校の先生も、いまだに珍しくありません。そして、ついに体育の際の着替えや合宿での男女同室の扱いに至り、さすがに東京都は怒り、少し前、ジェンダーという言葉を教育現場で使用禁止としましたね。

ネットで検索すれば、ジェンダーフリー 論者の信じられないような教育実例が、いくらでも見つかります。実に気味悪く、恐ろしいと思っていたのですが、それらすべてのもとになる考えが、 

『男女の違いは、生まれつきではなく、社会的に作り出される』 という誤解です。

内田樹氏の著作 『 女は何を欲望するか 』 は、フェミニズム理論が広く受け入れられなかった理由を、社会学的、哲学的に考察した刺激的な本でした。

本書では、“医学的、科学的に裏付けられた証拠のあるものだけ” を用いて、男女は “生まれつき脳のしくみが根本的に違う” ということを明確に主張しています。赤ん坊の時から、男女では、ものの見え方や、聞こえ方、感じ方など、何もかも違っているのです。

『ほら見ろ!やっぱり男はもともと、闘争心旺盛で、数学や科学が得意で、女は男よりも情緒的で、協調性が高いんだろう』 と言いたいところですが、これはウソだそうです(笑)。そのわけは、本書をお読み下さい。

そして、これが大事なところですが、いずれにしろ、特に低年齢の子どもの場合、教師や親がそのことを、はっきり認識して、教育、指導をしないと、“うつ”や“ケガ” “登校拒否” など、子どもに大変不幸な事態を招きかねないとして、実例を挙げています。

男の子を、“さん”付けで呼ぶ先生に教わっている生徒のおやごさん、また、男女平等という崇高な価値観から、ついつい性差に対して否定的な見解をお持ちの先生方、すぐにでも読んでみて下さい。出色の一冊でした。
男の子の脳、女の子の脳―こんなにちがう見え方、聞こえ方、学び方

草思社

詳  細


P.S. 本書は、すかいらいたあさんのブログ 『無秩序と混沌の趣味がモロバレ書評集』 から、“おもしろそうだ” と思って、物色してきた一冊です。おもしろいというレベルを超えて、大当たりの一冊でした。ありがとうございました。みなさんも物色しに出かけてみては(笑)。



『男の子の脳、女の子の脳』レナード・サックス (谷川漣 訳)
草思社:238P:1365円



■■【男女七歳にして席を同じゅうせず】は正しかった。流行の浅はかな思想より、古人の知恵は勝っていたわけです。男女は当然平等であっても、互いの違いをきちんと認め合わなりと、子どもが犠牲になり、住みにくい社会になりそうだと思いませんか。そうだなという方、クリックしていただけると大変ありがたいです。■■
にほんブログ村 本ブログへ   ブログランキング
『本』 ジャンルのランキング
コメント (6)   トラックバック (1)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 『アメリカの鏡・日本』 ヘ... | トップ | 『こころ』 夏目漱石  »
最近の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
これはとんでもない思想 (kazu4502)
2006-08-16 14:13:44
お疲れ様です、17日まで休みなのですることもなく、毎日がぶらぶら、これじゃ体に悪いですね。

富山は暑い日が続きます、まだ家の庭にアブラ蝉が鳴いています、これがニイニイ蝉が鳴き、続いてツクツクボウシからヒグラシに変わると富山は秋がやってきます。

さてこのジェンダフリーはとんでもない間違いですね、僕は悪の中枢である上野千鶴子と同郷なのでよくこの件は勉強をしたつもりです、正直にいえばこれを信じている連中は異常といっても言いと思います、人類学からスタートしたほうがいいですね、まだ詳しくは書いていませんが機会があれば論破してやりたいと思います。

でももう破綻しているんですけどね、この思想は。非常に世間値も低いし悲しい女の集まりです。
ジェンダー (すかいらいたあ)
2006-08-16 22:15:16
自分が面白いと紹介した本を他の方が同じように感じてくれると非常に嬉しいものです。

この本は面白かった上にためにもなって素晴らしいと思ったものです。



なお、本書を読んで面白かった方には性差にとどまらない人間のあり方として、スティーブン・ピンカーの『人間の本性について考える』もお勧めです。
男と一緒にされちゃ困ります。(笑) (milesta)
2006-08-16 23:45:10
学生時代はバリバリの体育会系で、体型が変わってしまうほど練習しましたが、やはり男子には勝てなかった!

妊娠中・出産・授乳中の約2年間は絶対に男親には味わえない体験をした!

どう考えても男女には違いがあります。やはり脳もでしたか!



ジェンダーフリー論で一番頭に来るのが「子育てや介護は障害」(by日経の記者)と言っていることです。ジェンダーフリーが進んだら「家族」が消滅しますね。
kazuさん (VIVA)
2006-08-17 09:32:21
守備範囲というか、ストライクゾーン広いですね(笑)。柳沢から、上野千鶴子までいるんですね。内田樹さんの本だと、上野氏はすでに変節しているそうです。おもしろい人なんですけど、ちょっと強烈過ぎるし、政治的なにおいがあまり好きじゃないんです。
すかいらいたあさん (VIVA)
2006-08-17 09:33:05
本当に良い本でした。これからもよろしくお願いしますね。
milestaさん (VIVA)
2006-08-17 09:36:20
バリバリの体育会系のお母さまの子育てはどんなものか、非常に興味があります(笑)。おっしゃるように、子育て、介護が報酬のためにやる労働だという考えは、とんでもないと思うんです。アメリカでも、ジェンダーフリーのせいで生活しにくくなったという意見は過半数だそうですから。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。
159冊目 男の子の脳、女の子の脳 (無秩序と混沌の趣味がモロバレ書評集)
男の子の脳、女の子の脳レナード・サックス著 / 谷川 漣訳草思社 (2006.5)1,365 評価:☆☆☆☆☆  ある女性は、ボーヴォワールの「人は女に生まれるのではない。女になるのだ」という言葉を信じていた。たまたま彼女の