t-isoamiの不定期通信日記 -3RD SEASON-

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NHKドラマ「クライマーズ・ハイ」

2005-12-19 02:28:05 | テレビ・ラジオ

 2週にわたって放送された、NHKのドラマを観た。佐藤浩市主演、1985年の日航機墜落事故時の群馬県内の新聞社が主要な舞台になっている。あの日航機墜落事故のことは、今も記憶に残っている。学校の夏休み中だったこともあり、深夜までテレビで報道を見続け、指定された日記にこのことを書いたことを覚えている。日にちが8月12日だったことも、なかなか行方が特定できなかったことも。墜落原因についても、特定できるまで諸説がでていた。ドラマは、事故のリアルな推移をベースに、「北関東新聞社」の記者、幹部たちの人間関係を描いたものである。
 報道の自慢話や感動的な物語ではない。事故の取材、新聞の製作の激しいプロセスの中で、同僚の昏倒、家族との絆・・・事故をきっかけに、あるいは無関係に動いている世界もある。主演の佐藤浩市はこの事故の全権デスクを委ねられる。仕事ぶりは情熱的なやり手だが、しかし結果的にスクープを送り出せなかった。
 佐藤浩市演じる悠木デスクはかっこよいのだが、今だから言えることだが、手柄を立てられなかった。不可能を可能にしたり、野生の勘がやたら鋭いドラマの主役ではなく、難しい決断で手柄を逃したひとりの男だった。手柄を逃したことに言い訳はなく、彼の弱さを露呈したためだった。幹部たちとのやりとりでは、上意下達の一昔前の組織を感じさせる。「でも、本当はみんないいヤツ」のような、安っぽいどんでん返しもなかった。そこにあるのは、物語でありながら、一人の人間の内面と、組織の内外での人間関係のリアルさの描写だった。
 刑事ドラマのような分かりやすいものしか観ていないからなあ、ずっと。ドラマを観た後って、爽快感とか印象的なシーンとか明確な結論とかを求めてしまう自分がいる。
 もちろん、しっかり作られたドラマであれば、このようなものは今後も観たい。でも、なかなかこのような作品はドラマでは出てこないのかもね。
 ボクが群馬で暮らした時期と割りと近いので、身近に感じながら観ることができた。赤井秀和が群馬弁をしゃべっていたけど、関西弁の印象があって違和感があったかなあ。それ以外は、当時らしい建物とか新聞社の編集部とか、実に自然にできていたように思った。
 原作は読んでいないけれど、ドラマでは原作の魅力を再現できていたのかしらね?

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