テルサのFantastic Stories

今まで書きためていたとりとめもない物語を少しずつ連載していきます。ファンタジー物が多いです。ぜひ読んでみて下さい。

1-2 光と闇の攻防      「ある国の物語」 第十章 覚醒する者

2016-02-14 01:18:14 | 「ある国の物語」 第十章
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テルサより

 こんばんは。更新ができずに2月も半ば・・・。読者の皆様本当に申し訳ありません<m(_ _)m>。気がついたら,もう節分も立春も過ぎて春一番も吹くとか・・・。やはり時が経つのは早いですね。さて,新章スタートですが,これからどうなっていくんでしょうね~(って書いているのは私ですが(A;´・ω・)フキフキ)。どうぞこれからも「ある国」をよろしくお願いします。

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このお話は・・・・

森と湖の国ファンタジア帝国の少年帝は,実は宇宙を創世した天帝の12番目の息子にして運命の輪を廻す月の神の降臨した姿だった。今,人界は人間による自然破壊から滅亡の道をたどりつつあり,それを救えるのはもはや最も優しく慈愛に満ち,また最も残酷で悲哀の心をもつ本来の月のみであった。聖と魔性の両面性をもつ本来の月の神。果たしてこの世に月の聖帝は黄金の夜明けを告げるのかそれとも黄昏の時を告げるのか・・・・・。

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第1節 光と闇の攻防  第2話

「恐れながら陛下,陛下の20歳のお誕生日はまさに特別な日。まだまだ,今の世が,もはや聖なる月神では救えないのだという事実を知らない者が多い。また,陛下が人間であられることに固執しているのではなく,本来の月神を覚醒させようとしていらっしゃるのだ,ということもほとんど知れ渡っておりませぬ。さすれば・・・この世の民はどう思うでしょうかのう」

 大占師ルオウは,深く刻まれた皺をますます深くさせて目を閉じる。

「まずは,陛下が月神として目覚めるのを嫌がっておられる,ととらえるでしょうな」

 ドクターアロウが誰よりも先に口を開いた。大占師ルオウはその答えを聞くと,深く頷いた。

「そうなれば,陛下はこの世を救うおつもりがないのだ,なれば黄金の夜明けを告げさせるためにも,陛下を無理にでもお連れしようとする者が出てくるのは容易に想像できるであろう。陛下,ルナ・パレスはまだ復旧はされておりませぬが,洗礼聖台はあるのです。新しい物が・・・。だから,聖にと願っている者に対して安心はできませぬぞ。魔性の方も,この世の破壊と新しい世の創始を願う者なら,魔性の月神の目覚めさせ方も調べておるはず。中には本来の月の目覚めに恐れを抱く者もおるであろう。本来の月は,今までのことを合わせると非常に気まぐれ。冷たい氷のような外見に激しい情熱を秘め,誰もその氷を溶かすことはできぬと・・・そして,その激しい情熱を抑えることもできぬと思われる。ファンタジアやルナの者はともかく,他国の民がどう動くのか予想するのは難しい」

「大占師ルオウ様,そうであれば確かに我が陛下が総会に参加される道中も非常に危ないということになりますね」

 マリオ最上大臣が心配そうに言った。

「今はファンタジアにとどまっておきなされ。祭主にという話も,狂信的な月神信仰国ならば危ないですぞ。正統なものが受け継がれているのであればともかく,長い間に歪められてきた宗教であれば怪しい邪教へと変わる。しかも,月神レイミール・ラ・ルネシスは生と死を司り,唯一再生をもたらす者。そこだけが強調されて,儀式によっては神子と言われる神官がその身に月神を降臨させ,清き乙女と言われる巫女と交わって月神の子を宿させるというものも聞いたことがある。天に帰った魂は月神の力によって再生されるというものらしいが・・・」
「それは,私も聞いたことがございます。天に召された魂は,人の身を借りた月神によって再び巫女の身体から再生されると・・・」
「マリオ殿,それは私も聞いたことがあります。単なる噂ととらえておったが・・・」

 ルーラ最上大臣がそう言いながら,ふむ,と考え込む。大占師ルオウは少し顔を上げてみんなの顔を見る。

「陛下は月神そのものじゃ。彼等にとっては,喉から手がでるほど欲しいであろう。まさか,陛下は本気で巫女と情を交わすおつもりではないでしょうな。総会に参加されるということは,そういう危険性も十分にありますぞ」

 意地悪げな感じでその年老いた大占師はラミエル帝を見た。その皇帝は表情を変えるでもなく,みんなの話を黙って聞いている。

「まあ,究極論を申し上げるなら,我々は陛下の御子が誕生されれば何も文句は申し上げませぬが・・・」

 ルーラ最上大臣も大占師に乗じてそんなことを口にする。

 ラミエル帝は,暫く身動きもせずにそこにいた。素直に聞いているようにも見えるが,この世界一強情で有名な若者が,そうそう自分が一度口にしたものを変えるはずがなかった。

「それでも,私は行かなければなりません。大丈夫ですよ。私もそんなに軟弱ではありませんし,祭主の話はそのような可能性があるのであれば,あったとしても断ります」
「陛下」
「私は人間として誕生日を迎えます。聖にも魔性にもなりませんよ。私は最後の願いを本来の月に託すと決めたのですから。きっと事情を話せば分かってくれます。この世は今黄昏の時を迎えていて,もはや黄金の夜明けを告げられるのは本来の月の神,天帝ノブレス大神の12番目の神皇子であるレイミール・ラ・ルネシス神しかいないのだと」
「陛下ともあろう方が未だにそのようなお吞気なことを・・・」
「どうか,今のご自分の立場をお考えになって・・・」

 大臣達は反対したが,ラミエル帝は全く引かなかった。

「参加すると言ったら参加するのです。このことが覆ることはありません」
「もう,全く陛下は強情っぱりなんですから」
「何とでも言ってくれ。そろそろ私は失礼させてもらいます。マリオ,ルーラ,明日でここでの仕事のメドをつけておきましょう。ではお休み。良い夜を」

 ラミエル帝は立ち上がると,さほど気にしていない様子で部屋から退出してしまった。

「はぁ~」
「絶対何か起こりそうですな」

 残された者達はみんな溜息をついた。

 静かに夜は更けていく。

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   「ある国の物語」

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この度,新しくFC2ブログにて「テルサのFantastic Stories 2」を作成しました。ゆくゆくは引っ越ししようと思っていますが,今は「魔王伝説」を連載中です。ある高校にやってきた謎の転校生。その転校生の正体とは・・・・。どうぞよろしくお願いします。

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