第12節 星見 第6話
「ラミエル陛下は御結婚はされないのですか?」
アルコン皇子はラミエル帝に対して率直に質問した。セイラはもう気が気ではない。何を言い出すか全く分からない弟である。
「今のところはそういう予定は考えていません」
「今のところということは,もしかしたら御結婚される可能性もあるということですか?」
アルコン皇子の質問攻めにあっても月の君は顔色一つ変えない。
「ファンタジアの世継ぎがどうしても見つからなければ私も妃を迎えなければなりません。あと・・5年が勝負ですね。とにかく候補を見つけ,一から帝王学を教えなければいけません。もし私のミスでその者が皇位継承者としてふさわしくないと判断されたらおしまいですね。はっきり言って私もこの賭けには自信が持てません」
「今の段階ではいないのですか?だってルナの時は3人ぐらい候補がいたって・・・」
「よく御存知ですね。残念ながら今のところ候補は一人もいません・・・・・いや・・・一人・・・。でもその者はちょっとどうしようかと思っているところです。まあ,早く見付けないとタイムリミットがありますから,少々焦っているのは確かです。最低1年以内には見付けないと・・・・・」
月の君はアルコン皇子には素直に何でも話してくれる。
「じゃあ・・・いえ,では,もし1年以内に見つからなければその時点で結論が出るということですか?」
「ギリギリで2年ですね。皇家を他人に譲るのにかなり厳しい条件があって,その中に示されている条件全てを満たさなければ譲ることはできないのです。その条件を満たせるよう徹夜で教え込んでも3年はかかるでしょう。フィラに費やしたのが7年ですから,今から考えても頭が痛いですね」
さすがの月の君もふってわいたこのハプニングに頭を悩ませているようだった。
「このことは内緒にしておいて下さいね。ただでさえ皇位継承者承認式中止すなわち私の結婚と考えてお見合い申し込みの数が日々増えているようです。今は断るのに大臣達が四苦八苦しています」
「大変ですね。でも・・・もし・・・もし・・御結婚されることになったら私の姉君をお妃に迎えて下さいませんか?」
アルコン皇子の言葉にセイラ姫はびっくりした。
「ア・・・アルコン,何を言い出すのですか?陛下に対して失礼ですよ」
慌ててアルコンを叱りつけ,顔を真っ赤にする。しかし,その時の月の君はやはり全く動じていなかった。
「考えておきましょう」
と一言答える。
「よくよく考えて下さい。お願いします」
アルコン皇子は真剣に頼み込んだ。セイラ姫は恥ずかしくて顔も上げられないまま俯いてしまっている。
「分かりました。よくよく考えておきましょう」
ラミエル帝は軽く答えるとアデルの様子を見に部屋を退出した。
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「ラミエル陛下は御結婚はされないのですか?」
アルコン皇子はラミエル帝に対して率直に質問した。セイラはもう気が気ではない。何を言い出すか全く分からない弟である。
「今のところはそういう予定は考えていません」
「今のところということは,もしかしたら御結婚される可能性もあるということですか?」
アルコン皇子の質問攻めにあっても月の君は顔色一つ変えない。
「ファンタジアの世継ぎがどうしても見つからなければ私も妃を迎えなければなりません。あと・・5年が勝負ですね。とにかく候補を見つけ,一から帝王学を教えなければいけません。もし私のミスでその者が皇位継承者としてふさわしくないと判断されたらおしまいですね。はっきり言って私もこの賭けには自信が持てません」
「今の段階ではいないのですか?だってルナの時は3人ぐらい候補がいたって・・・」
「よく御存知ですね。残念ながら今のところ候補は一人もいません・・・・・いや・・・一人・・・。でもその者はちょっとどうしようかと思っているところです。まあ,早く見付けないとタイムリミットがありますから,少々焦っているのは確かです。最低1年以内には見付けないと・・・・・」
月の君はアルコン皇子には素直に何でも話してくれる。
「じゃあ・・・いえ,では,もし1年以内に見つからなければその時点で結論が出るということですか?」
「ギリギリで2年ですね。皇家を他人に譲るのにかなり厳しい条件があって,その中に示されている条件全てを満たさなければ譲ることはできないのです。その条件を満たせるよう徹夜で教え込んでも3年はかかるでしょう。フィラに費やしたのが7年ですから,今から考えても頭が痛いですね」
さすがの月の君もふってわいたこのハプニングに頭を悩ませているようだった。
「このことは内緒にしておいて下さいね。ただでさえ皇位継承者承認式中止すなわち私の結婚と考えてお見合い申し込みの数が日々増えているようです。今は断るのに大臣達が四苦八苦しています」
「大変ですね。でも・・・もし・・・もし・・御結婚されることになったら私の姉君をお妃に迎えて下さいませんか?」
アルコン皇子の言葉にセイラ姫はびっくりした。
「ア・・・アルコン,何を言い出すのですか?陛下に対して失礼ですよ」
慌ててアルコンを叱りつけ,顔を真っ赤にする。しかし,その時の月の君はやはり全く動じていなかった。
「考えておきましょう」
と一言答える。
「よくよく考えて下さい。お願いします」
アルコン皇子は真剣に頼み込んだ。セイラ姫は恥ずかしくて顔も上げられないまま俯いてしまっている。
「分かりました。よくよく考えておきましょう」
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