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テルサより
いつも応援ありがとうございます。ただ今,3つのランキングに参加しています。
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このお話は・・・・
森と湖の国ファンタジア帝国の少年帝は,実は宇宙を創世した天帝の12番目の息子にして運命の輪を廻す月の神の降臨した姿だった。今,人界は人間による自然破壊から滅亡の道をたどりつつあり,それを救えるのはもはや最も優しく慈愛に満ち,また最も残酷で悲哀の心をもつ本来の月のみであった。聖と魔性の両面性をもつ本来の月の神。果たしてこの世に月の聖帝は黄金の夜明けを告げるのかそれとも黄昏の時を告げるのか・・・・・。
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第7節 別宮めぐり 第3話
ラミエル帝一行は,まずは近くにある森の宮殿を目指した。フェリス皇太子はあまりの嬉しさに,はしゃいでアデル王太子とこそこそ話をしたりつつき合ったりしては2人できょろきょろと周りの風景を馬車から見ていた。セイラ妃は,森の宮殿には前に月の君に助け出された時に寄ったことはあるが,そこよりも西方は初めて訪れることになる。広大なファンタジア帝国の中で本宮ムーンレイク宮殿はイリュージョン寄りにあるため,彼女にとっては未知な部分が多いのである。
セイラ妃は出発してからラミエル帝の様子が気になっていた。どこがと具体的に問われると困るのだが,時々ボーっと何か考え事をしているように見えるのである。やはり,フェリスやアデルのこれからを案じているのだろう。セイラ妃の傍であれこれと説明をしてくれているルーラ最上大臣の声をよそに,馬車が嫌いで一人愛馬のシルベスターに乗って先頭を行く月の君をずっと見ていた。
ファンタジア帝国四大別宮殿の一つである森の宮殿は,約1日で到着する。宮殿内は妃来訪でものすごい盛り上がりようである。ラミエル帝は皇妃としてセイラを,また,正式なファンタジア帝国の後継者としてフェリス・デ・ルーンを紹介した後,すぐに地方官と会議に入ってしまった。
セイラ妃はルチア女官長,ドクターアロウ達とともに森の宮殿の内官達と寛ぐ。
「ようこそおいでくださいました,セイラ妃様。今回は正式な皇妃様としてお迎えでき,我が森の宮殿の者一同心よりお喜び申し上げます。どうぞごゆるりとお過ごし下さいませ」
内官達は宮仕に頼んで,いろいろな飲み物やお菓子,フルーツを用意させる。
「世話になります。どうぞよろしく」
セイラ妃がにっこりと笑う。
「それで・・・恐れながら,我が陛下は皇妃様を大切になさっておられますか?あの御方のことですから,さぞかしお忙しく,一緒に過ごされる時間も少ないことでございましょう。ベッドでゆっくりお休みになる時間すらとれない時もあるぐらいですから」
「本当にお忙しい方でございますね。お姿すら見かけませんものね」
ルチア女官長が溜息をついて言う。
「誠に申し訳ございません。でも,どうか,どうかお気を悪くなさらないで下さいませ」
内官が弁明する。
「でも,その代わり,この別宮回りではその分だけごゆっくりお過ごし下さいませ。お部屋もちゃんと万全の準備を整えておりますゆえ」
「それで・・・もちろんお部屋はご一緒なのでしょうね」
ルチアが貫禄をもって内官に言う。彼女のボリューム感たっぷりの体格は前にする者全てを怖がらせる。
「は・・・はい,一応は・・・」
「一応は?」
「え・・・あの・・・一応皇帝陛下皇妃様ご夫妻の間として『森の間』をご用意させていただいております。しかしながら・・・陛下は今まで皇帝の間を利用されておりますので,どちらでお休みになられるかは・・・ちょっと・・・」
内官は汗を拭き拭き縮こまったようになって言う。
「なるほど・・・。確かにそうですね」
女官長が頷く。内官は恐縮していたが,「ごゆっくり・・・」と深々と礼をして出て行った。
「せっかくの別宮回りで,陛下と過ごされる時間も大幅に増えるかと思いましたのに・・・」
「ルチア・・・」
「皇妃様,もし本宮と同じような生活が続くのでしたら,この私が文句を言ってやりますからね」
「え?」
「皇妃様も人が良すぎます。確かに陛下の忙しさも分かります。巨大国の皇帝に加えて月の国の国王でもあらせられるのですから・・・。でも・・・でもですね,せめてお休みになられる時ぐらいは・・・。陛下が陛下であられる時間も限られておりますのに」
みんなは改めて,あと少しであの月の君が本来の月の神に覚醒することを思い出した。
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最初から読みたい方はこちらのFC2小説で読んで下さるとありがたいです。
しおりもはさめて普通の本のように読めますのでどうぞゆっくりまったり自分のペースで読んで下さいね^^。
ブログ小説と同時に更新していきますので一緒にある国の世界を冒険しましょう。
「ある国の物語」
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この度,新しくFC2ブログにて「テルサのFantastic Stories 2」を作成しました。ゆくゆくは引っ越ししようと思っていますが,今は「魔王伝説」を連載中です。ある高校にやってきた謎の転校生。その転校生の正体とは・・・・。どうぞよろしくお願いします。
「テルサのFantastic Stories 2」
テルサより
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森と湖の国ファンタジア帝国の少年帝は,実は宇宙を創世した天帝の12番目の息子にして運命の輪を廻す月の神の降臨した姿だった。今,人界は人間による自然破壊から滅亡の道をたどりつつあり,それを救えるのはもはや最も優しく慈愛に満ち,また最も残酷で悲哀の心をもつ本来の月のみであった。聖と魔性の両面性をもつ本来の月の神。果たしてこの世に月の聖帝は黄金の夜明けを告げるのかそれとも黄昏の時を告げるのか・・・・・。
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第7節 別宮めぐり 第3話
ラミエル帝一行は,まずは近くにある森の宮殿を目指した。フェリス皇太子はあまりの嬉しさに,はしゃいでアデル王太子とこそこそ話をしたりつつき合ったりしては2人できょろきょろと周りの風景を馬車から見ていた。セイラ妃は,森の宮殿には前に月の君に助け出された時に寄ったことはあるが,そこよりも西方は初めて訪れることになる。広大なファンタジア帝国の中で本宮ムーンレイク宮殿はイリュージョン寄りにあるため,彼女にとっては未知な部分が多いのである。
セイラ妃は出発してからラミエル帝の様子が気になっていた。どこがと具体的に問われると困るのだが,時々ボーっと何か考え事をしているように見えるのである。やはり,フェリスやアデルのこれからを案じているのだろう。セイラ妃の傍であれこれと説明をしてくれているルーラ最上大臣の声をよそに,馬車が嫌いで一人愛馬のシルベスターに乗って先頭を行く月の君をずっと見ていた。
ファンタジア帝国四大別宮殿の一つである森の宮殿は,約1日で到着する。宮殿内は妃来訪でものすごい盛り上がりようである。ラミエル帝は皇妃としてセイラを,また,正式なファンタジア帝国の後継者としてフェリス・デ・ルーンを紹介した後,すぐに地方官と会議に入ってしまった。
セイラ妃はルチア女官長,ドクターアロウ達とともに森の宮殿の内官達と寛ぐ。
「ようこそおいでくださいました,セイラ妃様。今回は正式な皇妃様としてお迎えでき,我が森の宮殿の者一同心よりお喜び申し上げます。どうぞごゆるりとお過ごし下さいませ」
内官達は宮仕に頼んで,いろいろな飲み物やお菓子,フルーツを用意させる。
「世話になります。どうぞよろしく」
セイラ妃がにっこりと笑う。
「それで・・・恐れながら,我が陛下は皇妃様を大切になさっておられますか?あの御方のことですから,さぞかしお忙しく,一緒に過ごされる時間も少ないことでございましょう。ベッドでゆっくりお休みになる時間すらとれない時もあるぐらいですから」
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ルチア女官長が溜息をついて言う。
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内官が弁明する。
「でも,その代わり,この別宮回りではその分だけごゆっくりお過ごし下さいませ。お部屋もちゃんと万全の準備を整えておりますゆえ」
「それで・・・もちろんお部屋はご一緒なのでしょうね」
ルチアが貫禄をもって内官に言う。彼女のボリューム感たっぷりの体格は前にする者全てを怖がらせる。
「は・・・はい,一応は・・・」
「一応は?」
「え・・・あの・・・一応皇帝陛下皇妃様ご夫妻の間として『森の間』をご用意させていただいております。しかしながら・・・陛下は今まで皇帝の間を利用されておりますので,どちらでお休みになられるかは・・・ちょっと・・・」
内官は汗を拭き拭き縮こまったようになって言う。
「なるほど・・・。確かにそうですね」
女官長が頷く。内官は恐縮していたが,「ごゆっくり・・・」と深々と礼をして出て行った。
「せっかくの別宮回りで,陛下と過ごされる時間も大幅に増えるかと思いましたのに・・・」
「ルチア・・・」
「皇妃様,もし本宮と同じような生活が続くのでしたら,この私が文句を言ってやりますからね」
「え?」
「皇妃様も人が良すぎます。確かに陛下の忙しさも分かります。巨大国の皇帝に加えて月の国の国王でもあらせられるのですから・・・。でも・・・でもですね,せめてお休みになられる時ぐらいは・・・。陛下が陛下であられる時間も限られておりますのに」
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