アンダーバリュー

2012-03-28 | 貿易業務
貿易をやっていると、「アンダーバリュー」という言葉をよく耳にします。
簡単にいうと、関税を下げるために、輸入申告価格を下げることです。もちろん違法。

日本へ輸入するときに意図的にこんなことをやったら即アウト。微々たる関税を誤魔化しても仕方ありません。これが話題になるのは海外の話しですね。日本を基準に考えると、輸出案件です。

一番解かりやすい例が、秋刀魚。
ベトナム市場で消費されている秋刀魚が年々増えていますが、シェアを伸ばしているのはもっぱら台湾の商品です。
ここに、「アンダーバリュー」が絡んでくるわけです。

たとえば日本も台湾も、100円 で、商品を輸出するとします。
ベトナムの関税は、25%程度。

単純に考えると、 100円の商品が、125円になってしまいます。

これを、50円で輸入申告すると、関税は、12.5円。
したがって、112.5円 ということで、正式に関税を納めた商品よりも、12.5円安くなります。

問題は金の回収。
ベトナム側は、50円で申告しているわけですから、50円しか海外に支払えません。。。正式には。売った値段が100円で、回収できるのが50円、そんな話しはあり得ないわけです。
結局、50円は通常の送金、アンダーバリュー分は現金決済したり(当然、国境を跨ぐわけです)、第三国の銀行から送られてきたりします。
日本の普通の会社はこういった「イレギュラー」な送金に対応できません。ところが台湾はこういう決済が日常的に行われています。
輸出する際には正式に申告しているわけですので、出す方は、なにも悪いことはしていないわけです。ただ、決済がちょいと面倒になります。

日本の秋刀魚がベトナムに流れない大きな理由がこんなところにあるわけだったりします。




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