鉄砲の試験が受かったとき、巻き狩りに誘われたら連絡を取るのに無線機がいると思い無線免許を探した。
いつも机の引き出しの隅にあったのに欲しいときにどれだけ探しても見つからないので再発行の手続きをした。
すぐに電波監理局より免許証が届いたが、昔の免許に比べれば今回は透かしのある立派な免許証である。
この免許を取るのは結構苦労した、へトロダイン方式とか抑圧搬送波、電離層など色々と覚えた。
しかしその後、女房が取る頃には試験問題を丸暗記すれば受かると言う本が出て一気に簡単になった。
女房は試験日の前の日まで勉強してないので怒ったら、トイレで問題集を1ページ見ただけで試験に行った。
これでは受かるはずが無いと思ったが、結果は満点で合格、最初の1ページが丸々出題されてたとのこと。
これでも合格は合格であるので何も言えない。しかしその当時は無線機はとても便利な道具だった。
遊びに友達と行く時、寝過ぎると今までは連絡が取れなかったが、無線で遅れることを言えたりした。
しかし携帯電話を皆が持ち始めると、急速に無線機は必要がなくなってしまって機械は埃を被っている。
私のいる地区の猟場はほとんどが携帯電話が通じるので、今は携帯で十分で無線は使ってないと言われた。
猟師は少なくなったが、猟犬にGPSを付けてそれをスマホの画面で犬の位置を確認したりはしている。
この世界もハイテク化しているが、理解したり使いこなすのには、年寄りには頭が追いつかない時代になった。