§ 今回の「加齢学講座(29)」はお約束していた「ステント治療」を取り上げます。先ず「管状の金網」をイメージしてください。それが「ステント」なのですが、その管状の金網をカテーテルの先に載せて狭窄部位のところまで移動させます。ステントは折りたたまれた状態のままの金網なので、それをバルーンで膨らませて狭窄部位を拡げます。金属の網なので、血管を拡げた状態を保持してくれます。その後、バルーンをすぼめて、カテーテルを抜きます。
しかしながら、「ステント治療」の初期の段階では再び狭窄が起こる場合が多々あったそうです。折角挿入したステントに接する血管内膜に細胞増殖が起こり、それによって生ずる再狭窄が患者さんの2~3割で発生するという問題があったそうです。それを防止するために工夫されたのが「薬剤溶出ステント」で、薬剤を溶出させることによって、ステントの内部の細胞増殖を抑えるはたらきを付加させたステントと言えば御理解いただけるものと思います。その「薬剤溶出ステント」をtan君は初回の手術で、冠動脈に3本装着しました。