たんべぇ山から

山歩きの記録、出会った植物を紹介します。



ニペソツ山 【北海道】 2012年6月30日

2012-07-22 | 北海道の山

                

 芦別岳から下山後は事前に予約していた糠平温泉にある「東大雪ぬかびらユースホステルまでやってきた。
120kmの移動で到着したユースは、清潔で快適そのもの、畳敷きの個室、湯量豊富な温泉、おいしい料理、行き届いたサービス、ランドリーも設置された、申し分のない宿である。

ユースホステルについて昔のイメージしか持ちあわせていなかった私は、今時のYHの変貌ぶりに大満足、「東大雪ぬかびらユースホステル」は120%満足できる宿である。

お風呂、夕食、洗濯、翌日の準備とあれこれやっていると瞬く間に時間が過ぎていく。
当日は午前2時に起床予定なので、遅くとも午後8時には床に就きたいが、アッという間に9時になってしまったので、30分遅らせて、午前2時30分にアラームをセットした。 

 予定通り2時30分に起床、共有スペースの電気ポットには常時お湯が沸いているので軽く朝食を摂り、前日に入れておいたペットボトルを冷凍庫から取り出し、十六ノ沢登山口に向かった。登山口までは45分ほどかかった。
 



【コース】 十六ノ沢登山口04:30-----小天狗06:05/10-----テント場06:20-----前天狗07:30/40-----天狗岳下08:00----ニペソツ山09:05/40-----天狗岳下10:25/35-----前天狗11:5-----小天狗12:25-----十六ノ沢登山口13:30

                                                         



YHを3時半に出発し、登山口に着いたのは4時15分、すでに5~6台の車が停まっていた。

<十六ノ沢登山口>

 <沢にかかる丸木橋を渡る>

  

 <最初は展望のない樹林帯>



1時間35分登ったところで大岩が行く手を阻む。標識はないが小天狗のようだ…?↓
ここで、コンデジからデジ一にカメラを取り替える。
どのようにして小天狗を越えるか、とりあえず大休止して考えよう!
小天狗には上と下に二つ道がつけられているが、どっちもどっち、私は上の道を、も~りさんが下の道で無事通過した。
一安心したところで、先ほど休憩した場所にストックを置き忘れたことに気がついた、ガ~~ン!!
も~りさんに取りに戻ってもらった。
毎度お世話をお掛けしますデス。はぁ~



左手にかっこいい山が見えてきた。「おぉ~~ニペソツだぁ~~!!」と叫ぶワタシ…
「そんな訳ないでしょ!!」と冷静な相方も~り殿。。。。。そう、あれは手前の天狗岳かな?
ニペソツ山はまだまだ姿を見せてはくれない。 ↓



小天狗からなだらかに下るとテント場に着いた。



テント場には美しいエソコザクラが咲き乱れていた。興奮を隠しきれないワタシ、
愛らしいサクラソウ系は幸せな気持ちにしてくれる。本当に美しい…




【エゾコザクラ】

そして、 エゾノツガザクラも咲き始めていた。


【エゾノツガザクラ】

 


【ニシキツガザクラ】  (アオノツガザクラ × エゾノツガザクラの雑種で、アオノツガザクラに近いもの)

                     

ダケカンバの白い幹が美しい!

林床に咲く美しいミヤマスミレにも感嘆の声を上げながら少しずつ高度を稼ぐ。 


【ミヤマスミレ】

いつの間にか、高い木がハイマツに変わり、雪を被った山並みが遠望できるようになっていた。
ここで、90度左に曲がり、ゴロゴロ石の歩きづらい登山道に変わる。



大雪の山々は霞んで良く見えない…


イソツツジと石狩岳方面


【イソツツジ】

 


【イワブクロ】

 石狩岳が近くに見える ↓

 


【イワヒゲ】 緑色の葉はウラシマツツジ


【イワウメ】


歩いていると終始「チュッチュッ」という可愛い鳴き声が響いている。
姿は見えないけれど岩の隙間に巣らしき穴が無数に見える。これが噂のナキウサギだろうか?


昨夜ユースホステルのスタッフの方が、「ニペソツではナキウサギがたくさん生息していているので、
必ず会えますよ」と、話してくれたのだった。
今のところ、姿は見せてくれないけど鳴き声だけはしっかり聞いた!



ガレた岩、この風景はトムラウシ山に似ていると感じた。



足元にはメアカンキンバイ、イワヒゲ、イワウメ、イワブクロなどが次々に登場するので写真を撮るのに忙しくなる。
特にイワウメは今が一番の盛りで、至るところにクリーム色の可愛い花をマット状に広げていた。

  


【イワウメ】


【イワヒゲ】

 
前天狗はまだかいな…行けども行けどもたどり着かない。。。



【イワブクロ】

ようやく前天狗に着いた!!  ↓


広々とした前天狗には携帯トイレブースがある。


3時間歩いてようやく前天狗に立つと、堂々としたニペソツの雄姿が飛び込んでくる!!
まだあんなに遠いのかぁ~~

 

 


【コエゾツガザクラ】 (アオノツガザクラ × エゾノツガザクラの雑種で、エゾノツガザクラに近いもの)


天狗岳が近くなってきたが、天狗本峰は巻く!



東の斜面にはイワウメがびっしりと咲く ↓




さて、いよいよ、泣きたくなるほどもったいない150m大下り、
そして、ニペソツ本峰に向け300mの最後の登りが待っている。



果てしなく遠くに見えたニペソツ山が間近に迫ってきた。

 


【ミヤマキンバイ】



【花後のツクモグサ】


ニペソツ山の山頂下はスパっと切れ落ちている



崖下に群生するエゾノハクサンイチゲ





【エゾノハクサンイチゲ】


【エゾノツガザクラ】


【ミヤマアズマギク】


【ミネズオウ】(ベニバナミネズオウ)



登山口から4時間35分 ニペソツ山頂に到着!!



山頂には咲き始めエゾルリソウが群生していた。
昨日、芦別岳で見た一株のエゾルリソウでも感激だったが、今日も引き続き出会うことができた。。
それも群生である。
憧れのエゾルリソウ…見頃はもう少し先だけれど、十分に見応えがある。
きつい登りの後に最高級のご褒美を頂いた気分で、疲れなど吹っ飛んだ!!

 



【エゾルリソウ】

 


【エゾルリソウ】


【エゾルリソウ】



エゾルリソウと並んで、ミヤマオダマキとチシマキンレイカ、ミヤマアズマギクなどが咲き競う!



【ミヤマオダマキ】

 


【ミヤマオダマキ】

 

 


【チシマキンレイカ】

山頂より、歩いた道を振り返る、パックリと切れ落ちた東壁が荒々しい! ↓

興奮しまくり写真撮りまくりのワタシ、くつろぐ相方^^; ↓



慌ただしく写真を撮ったりあとは、まったり過ごし、9時40分に下山開始。

ヘロヘロで、登りでは気づかなかった花たちが目に入るようになった!!


【ナガバツガザクラ?】

ツガザクラの分布域は月山と吾妻連峰以南とのことなので、北海道に咲くツガザクラは葉と花柄が長いナガバツガザクラ
となる。
確かに花柄は長いが、それより気になったのは、花が上向きに咲いていること…
通常は下向きに咲くので、これはとても珍しい。




東の崖に黄色いスミレが見えた。もしかしたら、トカチキスミレ(ケエゾキスミレの無毛タイプ)かもしれないと考え
覗きこんで撮ってみたが、花は反対方向を向いているのでうまく撮れない!! 
真正面から見てみたいが、崖の斜面なのでそれは叶うはずもなく、上からの撮影のみ、ああ残念…



他にも咲いているかもしれないと思ったが、やはり咲いていたのはここだけだった!!

帰宅後、葉を拡大してみると ↓ やはり葉のふちに毛はない…やはりトカチキスミレ。。。

【トカチキスミレ】

 天狗岳への150mの登り返し。 ↓

 覚悟を決めた登り返しは意外にあっさりクリアでした、先ほどまで居たニペソツを振りかえる。↓


【コケモモ】


【クロマメノキ】


特徴的な岩峰…手前のイワウメの群生が見事!! ↓


【ユキバトウヒレン?】


【キバナシャクナゲ】


 

 前天狗よりニペソツ山を振り返る、これより先は見えなくなるので何度も眺めても目に焼き付ける。 ↓




石狩岳と音更山 ↓


【ミヤマキンバイとイワウメ】


【メアカンキンバイ】

 帰路では、エゾシマリス、ナキウサギ、ギンザンマシコ(鳥)なども姿を現し写真に収める
ことができた。


【エゾシマリス】


【エゾシマリス】


【ナキウサギ】


【ギンザンマシコ】


【エゾコザクラ】

6月下旬の東大雪は新緑の季節、緑が美しい!! ↓



登りでストックを置き忘れた小天狗の岩場、今度は下の道で通過してみた。
下の方が危険が少いように感じた。

 

 
【ゴゼンタチバナ】

13:30 最後の丸木橋を渡り、無事に登山口着。





登り4時間35分、下り3時間50分、全行動時間は9時間のハードな山行だったが、
不思議なことにそれほどの疲れを感じなかった!

昨日までの汗は、塩の結晶が顔に浮き、流れる汗が口に入ると海水を舐めているような
しょっぱさだったがこの日の汗は終始、水のようなさらっとしたものだった!

もしかしたら、俗にいう“良い汗”に変化したのだろうか…だったら嬉しいな

すっかり気をよくして、次なる目的地知床を目指すことにした。

しかし、知床までの距離は230kmもあり、移動に時間がかかりそうなので、美幌にあるユースホステルに泊まることにした。

三股まで林道を戻り、273号線を北へと三国峠越えして大雪湖の西側を走る。

この季節の北海道はどこを走ってもルピナスが真っ盛りで、沿道を彩りも鮮やかに飾っている。
中でも三国峠手前の群生地は実に見事で一見の価値あり!!

 



今回の旅で印象的だったのは、美しいルピナスが野生化し、車道の法面、側道、広場あらゆる場所に咲き乱れていること。
群れ咲くルピナスは見事の一言に尽きる。
しかし、荒地や痩地にいち早く根を下し繁茂し続ける姿は有害植物のオオハンゴンソウを思い浮かべ、手放しで喜べない気がしてきた。
今のところ、観光にも一役買っているようで、在来種を駆逐しない程度で楽しませて欲しいものです。


翌日の知床連山初日はこちらから

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6 コメント

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トカチキスミレ! (てばまる)
2012-07-22 18:11:00
両山のレポ一気に読ませていただきました。
いいですね~花の山旅。天気にも恵まれて良かったですね。

そしてスミレ好きとしてはチカチキスミレに会いたくなりましたよ。葉っぱの感じが他のオオバキスミレ系とは違うので同定はしやすそうです。 でもニペソツはかなり奥まった場所なのでなかなか大変ですね。知床でもお世話になった札幌の知人に頼んでみましょう(^^;)

ナキウサギも撮れたのはラッキーですね。鳴き声は何度か聞いたけどなかなか姿見せませんからね。
てばまるさん (fu-co)
2012-07-22 20:39:16
てばまるさん、今回のニペソツ山は、いわばオマケで登った山なのですが、これほど素敵な山だとは正直知りませんでした。
かの深田久弥氏が、たまたま登っていなかったから選考から漏れた山だと言われていますが、これだけ魅力的な山ですから百名山入りは確実だったことでしょう!
MI○RAさんとご一緒に是非登ってみてください!
トカチキスミレは、どちらかと言えばアポイ岳で見たエゾキスミレのような雰囲気でした。
2mほど下に咲いていたので近くでは見られませんでしたが、他のオオバキスミレ系より細長く先が尖っていたので、これは…とちょっと違うと興奮しましたよ^^

ナキウサギは動きが早くてなかなか撮れませんでしたが、この子は後ろ姿を披露してくれてラッキーでした。
Unknown (髭さん)
2012-07-22 23:26:53
fu-coさん 今晩は。
往復で9時間は早いペースかも知れませんね。私はじっくり写真を撮っていたのでもっとかかりましたよ。深田久弥氏は百名山を著した後に、ニペソツに登れなかったばっかりに、百名山に入れられなかったことを悔やんでいるエッセイを書いています。
昔と比べたら林道が延びたので、随分登りやすくなりました。数年のうちにどうしてももう1度登らなければなりません。あと1種類この山の固有種が撮れていません。
眺めの良くなるあたりにはイソツツジのほかにヒメイソツツジという大雪山系固有の種もあったのですよ。
髭さん (fu-co)
2012-07-23 20:44:09
髭さん、こんばんは!

前天狗から見るニペソツ本峰のかっこ良さ、周辺の山々の眺望、そして何といっても高山植物の多さ、ニペソツっていいですね~
今回はお天気を味方につけて、こんな素晴らしい山に登ることができて最高でした。
そう何度も行ける場所ではないですから…
ヒメイソツツジ、改めて写真を確認してみたら、イソツツジと思って撮った写真の中に葉が細く小さいのがあります。
もしかして、これが大雪系固有の種「ヒメイソツツジ」なのかもしれれません。もう少し調べてみます。
>あと1種類この山の固有種が撮れていません。
髭さんでも撮影できていない植物があるのですね?ナデシコ科のあの花でしょうか?綺麗な花ですよね!私も会ってみたいです^^
ますますニペソツ山のファンになってしまいそうです。

あちらもこちらも (はなねこ)
2012-07-25 20:25:40
fu-co さん、こんにちは。
毎日毎日、長時間歩かれたのですね。
やはり fu-co さんの体力と気力は、相当なものですね。
そして、それに答えてくれるような お花の多さに
感嘆しながら拝見しました。
 
苦労つづきの羅臼岳、硫黄岳で出会えたシレトコスミレは
忘れられないでしょうね。
それからお花にあふれていたニペソツ山で出会ったトカチキスミレや
ナキウサギにギンザンマシコ(羨ましいな)
芦別岳のやさしげなシラネアオイとツクモグサ
やはり歩いてこその出会いですね♪
軟弱な我が家にはとうてい無理ですが
せめて夕張岳くらいは登りたいなぁなどと思いました。
 
大成功の北海道遠征、よかったですね。
はなねこさん (fu-co)
2012-07-27 09:18:50
はなねこさん、おはようございます。

いつもは軟弱者の私ですが、遠征中はなぜか体が軽く感じられました。いつになく緊張していたせいかもしれません。
この緊張感が持続できればよいのですが、昨日、北八の山に登ってきたら、さっそく元のヨレヨレに戻ってました^^;

夕張岳だけと言わず、他の山にも是非トライしてみてください。
はなねこ隊なら全く問題なくOKですよ!!
北海道の山は、固有種が多いのでうまくタイミングを合わせるのが難しいですね~
私も体力を付けて再挑戦したいと考えています。

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