たんべぇ山から

山歩きの記録、出会った植物を紹介します。

知床連山縦走 【北海道】 2012年7月1日~2日<その1>

2012-07-10 | 北海道の山

 

6月27日から7月3日まで北海道に行ってきました。

6月27日 羽田→新千歳空港 レンタカーで夕張山荘へ…
6月28日 夕張岳
6月29日 芦別岳
6月30日 ニペソツ岳
7月1日~2日 羅臼岳~硫黄山の縦走
7月3日  知床五湖巡り、小清水原生花園、屈斜路湖 女満別→羽田空港

まさに休みなしで北海道の山を駆け巡った怒涛の一週間でした。
前半に登った三座は、カンカン照りで北海道とは思えない暑さに参りました。
そして、7月に入った後半の縦走一日目は、気温は高いものの心地良い風が吹き抜ける山日和に恵まれ気分も爽快、
しかし、午後からはその風が次第に強くなり、テント場ではゴォーゴォーと響き渡る不気味な音に不安を感じ、眠れないまま朝を迎えました。
翌日は、案の定、強風と霧雨で視界不良の最悪のコンディション…
この日はシレトコスミレに出会う大切な日なのに…です(涙)
カメラを濡らしてしまっては元も子もないので、その時までカメラはザックの奥に仕舞いこんで出発しました。
そんな状況でしたので、縦走二日目はシレトコスミレ以外の写真はほとんどありません。

帰宅後は野暮用に追われ、写真の整理もおぼつかないまま一週間が経過してしまいました。
北海道紀行は、本来なら時系列で夕張岳から山レポを書きたかったのですが、縦走二日目は悪天候と不明瞭な道に悪戦苦闘、写真もほとんどないので、記憶が薄れないうちに記録だけでも残しておこうと思います。
とはいえ、もう一週間が過ぎてしまい、鮮度は落ちてしまいましたが…^^;

 



羅臼岳~硫黄山縦走 

【コース】 

7/1(日) 木下小屋(6:30) → 弥三吉清水(8:00/10) → 銀冷水(9:00/30 )→ 羅臼平(10:05/25) →岩清水(10:40/50 )→  羅臼岳山頂(11:15/30) → 羅臼平(12:10/30) → 三峰キャンプ場(13:05) → サシルイ岳(13:45/55) → オッカバケ(15:20 )→ 二ツ池キャンプ(15:35)

7/2(月) 二ツ池キャンプ場(6:30) → 南岳 → 知円別岳 → 第三火口 → 硫黄山頂(12:40/50) →  沢出合 → 新噴火口 →  登山口(17:10) →(熊に遭遇)→ カムイワッカ(17:50)



     

 7月1日(日)


前日はニペソツ岳を下山後、三国峠を越えて知床との中間点の美幌ユースホステルまで移動する。
開店休業状態のユースの宿泊者は私たち二人きり、6人部屋をゆったり使わせていただく。
二人のためにお風呂を用意していただき、さっぱりした後、コンビニで調達したビールで乾杯する。

3時半に起床して知床に向けて出発!東に向かうと、まんまるの真っ赤な風船が空に浮かんでいるような太陽が真正面に見える。
こんなに綺麗な太陽を見たのは生まれて初めてかもしれない…


5時40分、羅臼岳の山開きに当たるこの日、登山口は「ホテル地の涯」の下の道路まで車で埋まっていた。

日曜日の今日は、さすがに登山者が多い、隙間を見つけ、縦列駐車する。

道路わきの車と車の間でお湯を沸かしカップうどんで朝食を摂り、木下小屋へ向かう。
ちょうど環境省の方々が数名おられ、木下小屋で携帯トイレを購入したついでに、縦走路の状況、水場のことなど伺う。
聞くところによると、、水場は弥三吉清水をはじめ、岩清水、各雪渓が多く残っているので心配ないが、
昨日の土曜日は三ツ峰周辺で熊の親子を見かけた人がいるので注意するようにとのこと。

昨日は縦走を諦めて戻ってきた人がいたそうな…にわかに緊張が走る!!
熊スプレーの持参を勧められるが、使い方がわからないし、とっさに対応できるか疑問なので辞退する。
最後に、「サシルイ岳の雪渓を下り過ぎように注意して下さい!」とアドバイスを受け、6時30分に出発。



      
ミヤマハンショウヅル  /    ヤマハナソウ



昨日までの疲れと、重いザックが肩にずっしりと堪えピッチは上がらない。 
ヤマハナソウを見つけ、写真に収めるもボケボケ^^;



私たちは遅い出発なので、登山者はほとんど見かけない、たぶん遥か先を歩いているのだろう!

 

    
チシマフウロ   /  ヒメイチゲ

この一帯はアリを狙うヒグマがたびたたび目撃されているらしい。休みなしで先を急ぐ!!



むむ、これはヒグマの糞か…

コミヤマカタバミ、ヒメイチゲ、ミヤマスミレなどを見ながら一歩ずつ…


オオバスノキ

登山口から1時間30分 、弥三吉清水に到着!!


地図には“要煮沸”と書かれていますが、
小屋で、エキノコックスは心配ないと聞き、湧き水を美味しくいただく。
※判断は自己責任で。


ミヤマスミレ


ツマトリソウ

極楽平から見る羅臼岳。



この周辺には、蝶とも蛾とも見分けがつかない昆虫がうじゃうじゃ飛び交っている。


蝶、蛾??

平坦な極楽平には、始めと終わりに道標がある。


ミヤマスミレの群落

第二の水場「銀冷水」に到着


雪渓からチョロチョロ流れる銀冷水は、見るだけ…

羽衣峠を超えると、いよいよ大沢の雪渓登りが始まる。

 


羅臼平に向けて一歩一歩進む。

振り返ると下から団体さんが登ってくるのが見えた。 


大沢の雪渓の両脇にはエゾコザクラが咲き乱れるらしいが、今年はまだ見ることができない。
4年前の8月19日、大沢は一面のタカネトウウチソウとイワギキョウ、チシマクモマグサが見事だった。
今回は雪解け後に咲くエゾコザクラなど期待したけれど、まだ少しかかりそうだ!!

涼しい風を受けての雪渓登りは30分余りで終了!!

 

 ここから羅臼平までは僅かの距離だが、エゾコザクラやエゾノツガザクラなどが登場して途端に鈍足になる。


エゾコザクラ


エゾノツガザクラ


イソツツジ


メアカンキンバイ


メアカンフスマ

登山口から3時間30分で羅臼平に到着。



食料だけフードロッカーに入れ、、非常食、水、ツェルトなどはサブザックに移し、羅臼岳をピストンする。


イソツツジ


チシマクモマグサ?

極上の岩清水の水をペットボトルに詰める。
清水の周辺に咲く花はすべてイワウメ。


イワウメ


フリルが可愛いイワウメ


イワヒゲ


ミネズオウ

羅臼のドームの手前に雪渓が残っている。↓


エゾノツガザクラ



11:15 羅臼岳山頂

 

左下に羅臼湖を見ることができた。 ↓ 奥に見える特徴ある山は…え~~と!!地図が途切れていて確認できず??



少し霞んでいるが、縦走路がハッキリ見える。
明日歩く予定の山並みは、左から硫黄山、第1前衛峰、第2前衛峰、コケシ岩を挟んで白い砂礫のヤセ尾根、知円別岳、
南岳はどこだか分からない… ↓

 

いつまで眺めていても飽きない素晴らしい景色 

      
エゾノツガザクラ /  ミネズオウ

 


キバナシャクナゲ

 


イワウメ

羅臼平へ下る

 

 

       
メアカンキンバイ  /  メアカンフスマ

 


メアカンフスマ



さて、仕度を整えてこれから三ツ峰へと未知の領域へと踏み込む。


賑やかだった羅臼平を離れた途端、人気はなくなる


エゾコザクラ



キャンプ指定地に通じる登山道は雪解け水が流れ込むが三ツ峰のテントサイトは乾いていて快適そう!!
しかし、昨日はこの周辺で熊の親子が雪遊びをしていたそうなので、急いで通過する。


可憐なエゾコザクラがあたり一面に咲き競う

 当初はここに宿泊する予定だったけれど、時刻はまだ13時だし、何より熊さんにはお会いしたくないので先を急ぐ!



三ツ峰の間から顔を出した羅臼岳を振り返る ↓



うっすらと島が見える。国後島のようだ!! ↓



サシルイ岳へ通じる登山道は、ハイマツとイソツツジに覆われている。


イソツツジ

 


チングルマ


サシルイ岳はケルンがあるだけ

二ツ池キャンプ場へは、もうひとつオッカバケ岳を越える  ↓



歩いてきた道を振り返る ↓



さて、ここが問題のサシルイ岳の雪渓、木下小屋で出発間際に「サシルイ岳の雪渓を下り過ぎないように…」と忠告を
受けていたので、途中の登山道の入り口を見落とすことのないよう注意する。


しかし、どんどん下ってもそれらしき登山道が見つからないので、見落としかもしれないと不安になり、登り返してみたりして
なかなか先に進めない…
結局、先端まで下り、ピンクのリボンを発見しホッとする。
沢と化した登山道はハイマツが生い茂り、腰をかがめながらハイマツのトンネルをくぐりようやくミクリ池に到着する。



ドロドロの湿地帯「ミクリ池」周辺はエゾコザクラとチングルマが美しい!!

水路と化した登山道 ↓

 



本日最後のピーク「オッカバケ岳」に向けて進むと、反対方向から若いカップルにすれ違った!!
縦走路に入ってから初めての登山者に気持ちが緩む。
硫黄山からの登山道も道が不明瞭で何度か道に迷ったことや、ドロドロぬかるみに閉口したことなどを聞き、明日の行程が思いやられた


アオノツガザクラ

オッカバケ岳から二ツ池のキャンプ場を見下ろす。 ↓



天の池はまだ完璧に雪に覆われていて、地の池そばのテントサイトも濡れているように見える。



ミネズオウ


土は濡れているが、適当な場所を見つけて幕営する。

 

<その2>に続く

 

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3 コメント

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エゾノツガザクラ♡ ()
2012-07-15 23:16:49
fu-coさんこんばんは(^_^)/

手持ちの図鑑をみていて、こんな綺麗な色のツガザクラがあるのを知り、
お会いしたいなと調べたら北海道しか咲かないらしくガッカリ。
お写真を拝見してやっぱり綺麗~とウットリでした(*^_^*)

お山に沢山登っていると、危険と思う場面も時々あるけれど、
無事に戻られて良かった~こんな時、頼りになるパートナー心強いですよね。
返信する
彩さん (fu-co)
2012-07-17 11:37:57
彩さん、こんにちは^^

エゾノツガザクラは、岩木山、早池峰山などの東北北部の山でも咲くようですが、私も北海道以外で出会ったことはありません。
エゾノツガザクラは交雑しやすいらしく、アオノツガザクラがない羊蹄山以外の山では様々に変化していくようです。
以前、大雪で見たものは典型的なエゾノツガザクラより、むしろ淡いピンク色のコエゾツガザクラという雑種の方が多い場所もありました。
一面にカーペット状に広がる光景は見事ですので、私もまた出逢ってみたいです。

>頼りになるパートナー心強いですよね。
ええ、軟弱ものの私をサポートしてくれて、とても有りがたかったです。
でも、今回は見通しが少々甘かったと、二人で反省しきりです
地形図は濡れても大丈夫なようにしっかりコーティングしなきゃいけませんね~ハイ!!
返信する
Unknown (はる)
2014-06-20 08:08:18
はじめまして。
知床連山縦走を計画していて調べてたら
たどり着きました^^
初日は最高のお天気でしたね^^

花や景色など綺麗に撮っいますね。
百名山以外でもニペソツ山などを歩かれているのも
地元民として嬉しいです^^
返信する

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