またかよ。
久しぶりだな。今度はこんなところにいたのか。
傍にいるのは、お前さん、ひょとして。
できたのか。愛と勇気以外にともだちが。
よかったな。これでオイラも安心だ。
なんだ。まさか横のそいつの名前、ジジっていうんじゃないだろうな。
で、あれか。お前さんがちょとオトナになると、もう会話できなくなっちゃうのかもしかして。
残念だな。
ところでお前さん、いくつ?
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というわけでまた、孤独のヒーローに出会ってしまったわけですが、
やっぱり改めて思うに、やなせたかしはひどいよね。
アタマ食べさせるわ、ともだちつくらせないわ。
アンパンマンは、ご存知の方もいらっしゃるとおもいますが、結構深いところあるらしいですよ。
メロンパンナちゃんの「業」とかね。(業って!?)
映画だと、ナニゲに当時の世界情勢をモチーフにしてたりしたそうです。
そういう、裏の設定を、なんとなく頭にイメージとしてすり込んだりすると、
そのうちオトナになってから、いかんともしがたい「情勢」を感覚的に理解することができたりしてね。
なんて言うのは、オトナの勝手な妄想なのね。
子供アニメの体を借りて、大人の世界を模倣する、あるいはちょいと普遍的なテーマをカリカチュアライズするって手は、クレヨンしんちゃんあたりが手法として用いていたりしますが、アンパンマンで既にやっていると。
まーな。やなせたかしは意外とひどい人だからな。
……でも正直あんまり好きではないのです。子供アニメに物語としてのカタルシスとは別個に、思想(?っていうと言いすぎ)めいたものをすり込ませるのは。よく褒め言葉として、特にこのジャンルが好きな人が「大人の観賞にも耐えられるアニメ」とかいってますが、なんなん、まずは子供が観て面白いって思われなきゃ意味ないだろう。最近のラ◯ダーとかウルトラ◯ンとかどうなんですかね……あー観てないもんを安易に批判してはいかんいかんでももうやっちゃった。
あーアンパンマンをはそのあたりキチンと成立してると思う。オモテを観てもちゃんとお話になってて、裏を観ると別のメッセージも読み取ろうと思えば読み取れる。のかな?もう大分昔だから覚えてネーや。
ゴジラが原爆のメタファーでどうたらこうたらっていうのもね。逆に萎えましたね僕は。アメリカリメイク版の方がその分、潔かったんではないかなと思います。(一個の物語として面白いかどうかは、また別の話)
オトナオトナと言えば、上述の黒猫ジジとしゃべれなくなった宅配便ですが、
随分昔、金曜の夜10時代に、会社で後輩とちらちら観ながら仕事してたわけなんですが、
例のシーンで、
「あー、これ、さびしいよねー」
なんて言ったら、
「え?どこがですか」
「え?だってもう人間の言葉では会話できないってことだろ?」
「え?どういう意味ですか?」
「いや、だから、大人になったってことなんじゃないの?」
「え?どういうことですか?」
「えっとつまり(解説。こっぱずかしいから省く)…ってことなんじゃないの?」
「あー。まだ調子が戻りきらないだけなんじゃないかって、僕、思ってました」
なんて会話がありました。
どうなんでしょうね。
おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。
(糸井重里すげー。)