食材に泥

とあるヒットアニメの監督が、そのアニメのプロジェクトから外れることをツイッターに載せた件について。

その監督は件のアニメ制作の大部分を受け持っていた人なので、さぞや残念だろうなと思ったのですが、ツイッターの内容を観て、なんでこんなことを書くかなと私は悲しくなりました。この内容だとフォロワーたちに自分を辞めさせた会社を攻撃しろ……と言っているようなものではないですか。案の定、大炎上ですよ。

さらに自分がキラーコンテンツに育て上げたアニメを自分の手で潰そうとしています。こんな大騒ぎになってしまったらそのアニメのファンたちも楽しめないでしょうよ。せめて「自分は外れるけど作品のことは愛してあげてください」くらい書いておけば良かったのに。

ファンだけでなくプロジェクトに残された人たちにも迷惑がかかりますし、代わりの監督だって大迷惑ですよ。たとえ前作よりいいものを作っても最大限の評価を受けることはできません。絶対「前監督だったらもっといいものを作っていた！」という声が挙がるからです。辞めた監督がそのアニメに多大なる貢献をしたのはわかりますが、今回の件はそれを補って余りある失態だと思います。ファンや後任……引いては作品のことを考えてない。

料理人で例えれば、丹精こめて作り上げた食材を、自分が調理できなくなったから泥をぶっかけたようなもんですよ。自分が関われなくなったなら、後は野となれ山となれ。死なばもろとも……という考え方は、私はどうも好きにはなれません。まあ、私に好かれてもな。

キラーコンテンツの功労者がコンテンツキラーになってしまう。皮肉な話です。