Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

まっすぐな心根が向かう先は

2013年09月14日 | 映画など
キャスリーン・ビグロー監督
『ゼロ・ダーク・サーティ』を見る。
9.11同時多発テロの首謀者と言われる、
オサマ・ビン・ラディンの行方を懸命に追うCIAの女性捜査官。
その姿をハードボイルドに描く。



ビンラディン殺害を題材にしているのだから、
さぞかしアメリカ礼賛な映画だと思われそうだけど、
前作『ハートロッカー』で混迷したイラク戦争を描いた
ビグロー監督だけに、今作も殺害までのプロセスを
シャープに描くこと。それだけに専念した映画というか。

のっけから9.11の容疑者を拷問にかける場面から始まり、
これを見たアメリカ人は、決して楽しくはないだろうな、と。
仲間をテロで殺されたCIA捜査官(ジェシカ・チャステイン)は、
愛国心というよりは、個人的な恨みでビン・ラディンを追うわけで、
そこにはヒロイックな感じは皆無。
やるかやられるかのギリギリの戦いが
まっすぐストイックに描かれるばかりだ。

9.11の首謀者が殺されたと言っても、
それで何が終わるのか。そして何が始まるのか。
映画を見終わっても、何の答えも提示されない観客は
自分も含めて、ただ戸惑うばかりというか。


コメント
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