日記

音楽教室のことや、その日に起きた出来事をご紹介します。

作曲家との対話

2017-09-04 17:07:26 | Weblog
ピアノを教えていると、聴いたことの無い曲を教えなければならないことがあります。

そういうことの無いように、普段から自分の持ち曲の他にも

公開レッスンや演奏会でたくさんの曲に触れていくわけですが

それでもたまには「はじめまして」は訪れます。



作曲家の生きた時代やその生涯を復習。

そして曲が出来た背景を調べる。

自分でも弾いてみる。

あとはひたすら楽譜を見て、色々な演奏を聴く!



今回、シューベルトのピアノソナタ第19番に出会いました。

最晩年の3大ソナタの1つです。(19.20.21)

20番と21番は、ピアノを勉強していると聴いたり弾いたりする機会が多いのです。



19番。

特に気に入ったのはポリーニのパッションあふれる演奏と

きちんと整理整頓された清々しいケンプの音色と

そして私の中のダントツのNo,1はペライアでした。

何しろ始まりから終わりまでものすごくカッコイイ演奏でした。

潔いというか、勢いがあるというか、音色に迷いを感じません。

フレージングも1粒ずつの音もとにかく美しいのです。

シューベルトのこの世とのお別れの曲をどう表現するのか。

本当に人それぞれでした。



中にはテクニックだけで押し切ってしまうつまらない演奏もありました。

それではシューベルトのこの世と天国をつなぐような繊細な気持ちが表わせませんし、

弾き手の思惑を強く出してしまうと、妙に現実的な演奏になってしまい

味気ないなぁと感じてしまうのでした。



とてもベートーヴェン的な曲だなぁという第一印象を強く持ちましたが

ベートーヴェンの古典派ソナタの影響を色濃く受けつつも

やっぱりシューベルトらしいコラールや3連符の使い方、和音の響きはしっかりと

盛り込まれていて、力強いだけでなく、とても繊細な曲なんだということが分かりました。



こうして集中的に曲にのめりこむ時間、大好きです。

子どもたちに録画したアンパンマンを見せている隙に勉強できました。

一生のうちにあとどれだけの曲に出会い、好きになることが出来るのかと思うと

とてもワクワクします。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする